【Aさんからのメッセージ】~世界もココロもグラデーションでできている~482
こんにちは
八彩理絵子(やいろりえこ)です。
今回は悲しくも不思議な体験について書いてみたいと思います。
3月末の夜の事
仕事でお世話になった先輩から電話があった。
「夜の電話は珍しいなぁ。何だろう?」そんなことを思いながら電話に出た。
話の内容はというと、地方新聞のお悔やみ情報で見つけた名前についてだった。
「新聞のお悔やみ情報で○○○○さんという名前を見たのだけれど
これはあの○○○○さんじゃないかな~と思って、何か聞いてる?」という内容だった。
ここでは○○○○さんをA子さんと呼ばせていただく。
A子さんと私の出逢いは20数年ほど前になるだろうか・・・
Aさんは私よりも7歳年上。
職場が一緒になり、その道ではベテランだったAさんに教わることはたいへん多く、たいへん助けられた。とてもお世話になっていた。陶芸が趣味だったAさん。Aさん作のフクロウやご一緒した年の可愛い小さな干支をいただいた。また、Aさんの陶芸の先生の作品であった花器や吊るしびな(毎年飾っている)もいただいている。なぜか私をとても可愛がってくださっていた。
私が職場で昇格したことを知った時にはすぐに電話をくださった。「良かった。おめでとう。理絵子みたいな人がなんないとね。ホント良かった」と涙声だった。私ごときの事でこんなに喜んでくれる人がいたことに私自身驚きと嬉しい気持ちと、私もウルッとしたことを思い出し、今でも思い出すとグッとくる。その時にはしっかりしなくちゃと改めて覚悟ができた電話だった。
そして後日職場にお祝いのお花もわざわざ持ってきてくださった。久しぶりにお会いしたAさん、かなり痩せていたので驚いて思わず「え~ずいぶん痩せたね」と口を突いて出てしまった。その後お礼を兼ねて食事をしたが、その後はなかなか機会がなく会えず、そのうち連絡がつかなくなっていた。
携帯は繋がっていた。メッセージも入れてはいた。具合が悪いのかAさんに直接繋がることはなかった。ずっと「どうしいるのかな~」と気になっていた。
Aさんには息子さんが一人いて、サッカー部で活躍していたことを嬉しそうに話されていた。その息子さんの結婚披露宴に招かれ、その時に息子さんには初めてお会いしたのだが、新郎新婦の姿を、いや一人息子の姿を嬉しそうに見守る優しいAさんの様子が今でも思い浮かぶ。
ちょっと話を戻します。
新聞の情報の確認をし葬祭場にも確認。このやり取りはすでにお通やが終わっていた時間であったことを思うと本当に先輩からの電話は有難かった。次の日の告別式に二人で参列することにした。
葬儀の日は雨
遺影はあの優しい笑顔だった。
まず焼香を済ませ、席を最後列にとった。その後お顔合わせができると知り、二人で棺の中のAさんに会った。痩せて小さくなったほほに触れさせてもらいながら「会いたかった」と声に出して(思わず出た)言いながら涙が出た。席に着き式の開始を待っている時間に息子さんが遺族席からロビーに行かれたようだった。
少し過ぎてなにげなく後ろを振り返った時に息子さんが席に戻るところだった。
そして目が合った!
もう一度言う。息子さんにはたった1度結婚披露宴でお会いしただけ。しかも十年ほど前になる。
目が合ったことで自然に頭を下げると息子さんが近,くまで来てくださった。そしてしゃがんで話かけてくれた。私も結婚披露宴で1度お会いしたことと名前を名乗った。息子さんからは4年も闘病していたこと(その他闘病中の事や亡くなった時の状況まで話してくれたがここでは控えます)携帯は使えなかったこと。お子さん(Aさんからするとお孫さん)は女の子3人年子ということも知った。遺族席に可愛らしい姿があった。
ここで息子さんが話してくれたことは私が知りたかったことだったように思う。何も情報がなかったし、ここで話を聴けなければ知る術がなかった。式の間息子さんは泣いていた。私も・・・😢Aさんが亡くなった事が悲しい気持ちはもちろんだが、Aさんが愛してやまなかったであろう息子さんが泣いている姿にも泣けた😢
最後のお顔合わせにはお花を入れ、今度は「ありがとうございました」と心から伝えることができた。
式が終了し出棺までは少し時間があるということで、お手洗いに行った。女性のトイレはどこでも行列ができてしまう。そろそろか・・・というときに手を洗っているお孫さんに遭遇。声をかけた。
「何年生?」
「もうすぐ3年生になります」
「そう、学校は楽しい?」
「はい、楽しいです」
「おばあちゃんの事好きだった?」
この質問が良かったのかはわからないけれど知らない私に質問?されても・・・こんな素敵な話をしてくれた。
「はい、最後におばあちゃんに逢いに行ったとき、お雛祭りだったから3人でひな祭りの歌うたって聴かせたの」
「へぇ素敵ね。おばあちゃんきっと嬉しかったね。喜んでくれたねぇ」と言うと
「はい」と嬉しそうな笑顔で頷いてくれた。可愛らしいしっかりしたお孫さんだった。きっとAさんにとっては幸せな時間だったことでしょう。胸があったかくなった。
出棺も雨の中、「涙雨だね」と先輩と話しながら見送った。
先輩が「精進落としに食事していかない」と誘ってくださりお店を決めてくれた。
お店まで車を運転しながら息子さんとの話、お孫さんとの話を思い出した。アレっ?
私が座った席があそこでなければあんなふうに息子さんから話を聴けただろうか?
トイレに行ってもちょっと時間がずれたらお孫さんからあんな素敵な話しが聴けただろうか?
「会いたかった」と言った私にAさんが闘病していたこと。電話ができなかったこと。三人のお孫さんのことがとっても可愛くて幸せだったこと。そのことを伝えてくれたんだ。とわかりました。
先輩が決めてくれたお店は記憶を辿ったらAさんと食事をした最後のお店だった。
なんかできすぎだよAさん😢
Aさんお世話になりました。ありがとうございました。
「やっと気付いてくれたの?」なんていう言葉が聴こえてきそうだった。
寂しいけれどちゃんとお別れができてほんとうに良かった。先輩が気付かなければずっと気になっていたと思う。連絡をくださって良かったと先輩にも感謝の気持ちを伝えることができた。
ただの偶然じゃないの?という方もいるかもしれない。でも私にとっては
Aさんからのメッセージ
と信じて疑いようがない。
今日はここまでになります。
今回はちょっと悲しいけれど不思議な体験をしたことを書きました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
大切なお時間をありがとうございました。
不思議なことに今日も雨
でも止まない雨はない🌈
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