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【世界もココロもグラデーションでできている】㉙ 「十二単のひみつ」④

こんにちは 八彩理絵子です。

前回「七色十三階冠のひみつ」について
お話ししました。
今回は「十二単のひみつ」についての
お話しです。

そもそも十二単衣って何でしょう。

十二単衣という名称が広く知られていますが、正式名称は「五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)」と言います。

十二単は平安時代中期に貴族の女性が
着ていた装束のことで主に宮廷で
働く女性の正装として着られていました。
また十二単を着るときというのは決まっており、天皇の御前への伺候をする際や祝い事などの際に着用していました。

平安時代中期では天皇は黄櫨染、東宮は黄丹、親王から臣下四位までは深紫、臣下五位は深緋、臣下六位から臣下初位までは深縹、無位は黄となっていました。 このように身分によって着られる色が細かく決まっていたため、着てはならない色(禁色)やこの範囲であれば、着てもいい色(ゆるしいろ)などが存在していたようです。

十二単の構造は上から唐衣・表着・打衣・五衣・単・長袴・裳となっています。
着こんでいる枚数は唐衣一枚に表着一枚、打衣一枚、五衣五枚の計八枚となっています。
この8枚を十二単と呼びます。

十二単の最大の特徴は色のグラデーションで、重ねた衣の色彩には「日本の雅」が表現されています。このグラデーションを「重ね色目」と呼び、赤をベースにした薄いピンクは「梅重ね」、それよりも少し濃いものは「桜重ね」といった形で、極めて日本的な感性が十二単には息づいています。
平成の御大礼で皇后陛下がお召しになった御五衣は「紅の匂(くれないのにおい)」という重ね色目で、匂い立つかのように紅色が徐々に濃くなっていく様を表現していたそうです。

12というのは、たくさんあることの表現に用いられました。実際の枚数はどうあれ、十二単衣と言う響きは、色とりどりの重ねを鮮やかに想像させて、みやびな表現ですね。

さて、十二単衣の重さはどれ位なのでしょう?

見るからに重量がありそうな十二単衣。実際の重さは一体どれ位だったのでしょうか?平均的には約20キロと言われています。…20キロ!

また十二単はこれだけの重量になるほど着こんでいただけあり、暑さも相当なものでした。
平安時代の宮廷に仕える女性たちは、さの厳しい冬の時期に防寒着としても重用されていたという説もあります。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

十二単まさにグラデーションです。

次回は「きもののひみつ」についてお話ししたいと思います。




「ジュウニヒトエ」という名の花があります。

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シソ科キランソウ属の日本原産の植物です。

茎が直立し、鮮やかな花を咲かせるのが特徴です。花穂がたくさん重なります。
この様子が着物を重ねたジュウニヒトエに
似ていることから、このような名前と
なりました。

花言葉は「強い結びつき」です。


最後まで読んでくださりありがとうございます。

大切なお時間をありがとうございました。





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