習作 有気味

真っ青な闇に蜘蛛の巣よく混ぜてびぢゃっとしたらそこは有気味
idolを潰したような音がして枯葉が姿ほど散っていた
烏って結構青い?の瞬間にearliest memoryまで青光り
一面にセロハンを貼り付けた川こっちに尖ってきて歯科検診
肉声がアザラシの中に詰められてもっとてろてろになるおやすみ
電柱は電線で触れ合っていてずっと見てればキスも始まる
夜に掛かる橋によく似たウミウシが首都高の中心でうねってる
耳 百足 登られている階段は 螺旋 百足を感じ続ける
トンネルのライトが互い違いなの同窓会の笑顔みたいに
整然と並んだ太陽光パネル瞬きすればらばらばら
手袋をせず自転車のハンドルを握ると手ってこんなに翼
人を乗せてゆっくり落ちたエレベーターが空っぽになって帰ってきた


メモ:不気味シリーズ
絵画のように空にへばりついた雲が今日の青々とした陽気にはどうもそぐわない様な気がして不気味だった
枯葉あり過ぎると踏んだ時の音不気味
「烏って割と青いんだな」と思った瞬間から烏がやけに青く見えて不気味
貼り付けたような川 セロハンみたいな 水面が尖ってきて
自分の声が想像よりてろてろしてて不気味
遠くから見た電柱の一定間隔 小さくて
夜景に浮かぶ橋 ウミウシみたいと思ったらうねるみたいで
細長い塔の外側にかかる螺旋階段 這い登るムカデの感覚を感じて
トンネルのライト 遠い時は揃って見えるのに過ぎる時に初めて互い違いなのが分かる
整然と固定された太陽光パネルの大群が進むに従って素早く変形していく
手袋を外して自転車のペダルを握ると手の薄さに驚く
人を乗せて行ったエレベーターが空っぽになって帰ってきた

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