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ありがとうございました『好富 要 遺作展』 銅・木版画

2023.10.29 - 11.5 展示終了致しました。
「お父さんの作品がとにかくいっぱいあって大変なの!ここに展示してもらえないかしら」
と、ギャラリーがオープンした時から8cho8maでの展示を希望されていた奥様。
去年亡くなられた好富要さんは会社を定年後、長年好きだった版画に本格的に打ち込まれたとのことですが 生前絵を販売したことは1度だけ。公募展を観て希望されたお客様にお渡しした作品以外は、全て家にあるのだそう。

今回、お世話になった方々には作品をさし上げたいというご希望。膨大な数の作品…奥様のお気持ちに応えることができるだろうかと、最初は自信がなかったのですが、雨の日も「展示をしたい」と通ってくださる奥様のお姿に心動かされ、開催の運びとなりました。

「会場の広さからして30点くらい」とお伝えしていたのですが、当日持ってこられた作品数は50点!銅版画、木版画ですのでストックも入れたら数百点!圧倒的な数です。
搬入後の飾りつけはギャラリーにおまかせいただいたのですが、試行錯誤、1日かかっての作業となりました。

お孫さん達が作ってくださったというプロフィールボードと自画像、銅版画の原本など
入口は銅版画エリア
木版画は大作

コロナ禍で、皆さんとお別れ会ができなかった事もあり好富さんのご親戚や友人、近所の方、生前絵を購入くださった方など沢山お見えになり奥様と懐かしい時間を過ごされていました。
もちろん、ふらりと立ち寄られたというお客様も
皆さん、好富要さんの作品の細かさに驚かれ、その世界に見入っておられました。
(作品の一部はギャラリーInstagramで紹介しています)

好富さんは多摩美術大学の生涯学習講座で版画を学んでいたそうで、生徒さんの多くは大体半年くらいのコースで卒業される中、12年!(15年だったかな…)多摩美に通っていたのだそうです。
ずっと教えてくださっていた 大矢雅章先生が今回お見えになり、当時の懐かしいお話をいろいろ聞かせてくださいました。
奥様は、要さんが生前大切にされてきた シャルル・メリヨンの銅版画をお渡しに。学校に飾ってくださるとの話にとても喜んでいらっしゃいました。ご覧になった生徒皆さんの糧となれば。

シャルル・メリヨン 1800年パリで制作された銅版画 大矢先生が額から取り出し見せてくれました


好富さんの作品を 「くださると言っても私も歳ですし…子どもも大事にしてくれないと思うので…もう断捨離しなければ」 と言う方もいらっしゃいましたが、ご自身が生きているうちは、好きな作品をそばに置いて 心嬉しく暮らしていけるのなら良いことでは…と
のちに生きる人たちがその作品を処分したとしても、それはそれで。その物の寿命なのかもしれません。
私も祖母、母、父、義父、義母のものをそれこそ タークサン!整理しました。残している物もあればそうでない物もありますが、使っていると ふと亡き人々を思い出し懐かしくなって良いものだなぁと思います。

今回、皆さんに作品を観てもらって楽しそうにお話しされている奥様の姿を見て安心致しました。
展示が始まるまで、好富さんについては作品とプロフィールしか知りませんでしたが、皆さんからお話を伺ってどんな生き方をされた方なのか人となりが少しだけ見えた思いがしました。
そして、今も奥様がどれだけ要さんを大事にされているのかも…
お二人の歩まれた時間にふれることができ、有り難く思いました。

年配の方には、アクセス良くなく申し訳ありませんでしたが
たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。

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