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この世のもの 2023.9.10sun - 9.24sun 佐伯瑠美インタビュー

プロフィール、アートの経歴(受賞、展示会など)
2021年 武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻 卒業
2023年 武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コース 修了
2020(令和2)年度 卒業制作 優秀賞
2022(令和4)年度 修了制作 優秀賞

アートを始めたきっかけ
はっきりとしたきっかけはありません。美術の時間は好きでした。そこで様々な作品に触れたり、絵や立体工作のほか、窯で焼物を作ったりした経験は大きかったと思います。
また、幼少の頃から自分で何か新しい遊びを考えるのが好きで、葉っぱで舟を作り、その中に集めて来た虫の死骸や花などを乗せて川に流したり、校庭の林で石や木を組み、供物として実や枝葉を並べて秘密の塚を友達と作ったりして遊んでいました。そう考えると今も大して変わらないことをしているなと感じます。

切り株 油彩

影響を受けた好きな作家
山口薫
棟方志功
ジョルジョ・モランディ
エドヴァルド・ムンク
マーク・ロスコ
杉本博司

不思議な体験談などありましたら、お聞かせ下さい
学校にいた頃。アトリエまでの途中、桜並木の下を通るのですが、ある日その木々の間から漏れる陽の光が初めて見るようなものに思え、ぼんやり見ているとそこだけが徐々に拡大していくような異様な見え方をしました。そして自分でもよく分からないのですが自然と‘なぜこの世界にいるのだろう‘という思いが沸き起こりました。その後しばらくは外の光がいつも以上に白く、不思議な明るさを持っていました。
しかし、このようなことは誰もが経験することなのだと思います。
毎日顔を合わせているはずの親しい人の顔がふと、新鮮なものに思えて見入ってしまうこと、見慣れたはずの風景やモノが突如何か違う意味を持って迫ってくること……
ありふれた日常の中でも不意に、地球に存在する一生物として生きていることの不思議に触れるようなことに遭う事があるのだろうと感じます。

地上に落とされた 油彩

本展示会の見どころ、注目ポイント、メッセージなどありましたらお願いします
ただの水たまり、普通の猫、散歩をしている時にいつも目にするもの、視界に入った何か、落ちているもの、引っ掛かっているもの、何気なく自分の手を見た時、きゅうりを切っている時……身近でありふれた日々の中でも、時として見過ごせない何かを感じるようなことがあります。
それが何なのかは分かりませんが、ひとまず受け止め、拾ったり書き留めたりしておきたいと思います。

きゅうり 油彩

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