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記憶のカタチ モノタイプ木版画

小田切キヨミ展
2023.2.5(sun) - 2.18(sat) 12:00 - 17:00
『モノタイプ
は、版に直接インクや油絵具などの描画材を用いて描画し、その上に紙をのせて圧力をかけることにより、版に描画したイメージを紙へと転写する版画技法で、モノプリントとも呼ばれることがあります。
モノタイプの「モノ」はギリシャ語であるMONOS(モノス)から由来した言葉であり、このMONOSは「ただ一つの」という意味を持っています。このことからも分かるようにこの技法は、版から同じイメージが一枚のみの印刷しかできないことが大きな特徴です。

この技法を取り入れて作られたものでは、17世紀にイタリアのカスティリオーネが制作した作品が最も古く、作品は現在でも保存されています。18世紀に入るとウィリアム・ブレイクが、19世紀には、ドガやゴーギャンなど様々な作家たちがこの技法を用いて作品を残しています。また20世紀には、ピカソ、マティス、近代ではフランク・ステラ、ジャスパー・ジョーンズなどの多くの著名な作家たちがこの技法を用いて作品を制作し、現代でも様々な作家たちがモノタイプ技法を使って制作を行っています。』
〜武蔵野美術大学造形ファイル アートとデザインの素材・道具・技法より〜

版画といえば、浮世絵のように均等に絵の具を版にのせて量産するものを想像されるかたが多いので、今回のこのモノタイプ版画の技法を説明させてもらうと
「初めて見ました」とあらためてジッと画面に見入るかたが多くいらっしゃいます。
小田切さんの作品は、版画なんですが絵画のような奥深さをかんじるのですが
何回版を重ねているのか?と訊いたところ
「数えきれないくらい」
と答えていました。
全体の印象から、細部に近づいていくと色の広がりと小さなきらめきに驚くのです。


鼓動  2016(部分)

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