近森有造インタビュー 愛しき生命(もの)達 2023.10.8(日) - 10.22(日)
プロフィール、アートの経歴(受賞、展示会など)
1954年高知県香南市に生まれる。
大学入学を機に上京
1979年より東京都中学校国語科教員として40年近く勤務
2019年 第66回日府展にて日府賞受賞
2021年 第68回日府展にて東京新聞賞
2023日 第70回日府展にて日府努力賞
2023年 日美展にて国際文化カレッジ賞
アートを始めたきっかけ
絵らしきものに興味を持ったのは小学校3年生位の頃です。ネフローゼで安静を余儀なくされ、読書と絵と紙の舟を折る位しかできなくなりました。それがその後の私を決定づけたように思います。
中学では柔道部、高校では美術部に入りました。
そこで出会った先輩や友達の絵に触れ、美術の魅力に取り憑かれ、油絵を描いたり、クロッキーをしたり、表現の世界に魅入られていきました。詩を書き始めたのもその頃です。
20代後半から水墨画に出会い、以来水墨画の世界に遊んでいます。水墨の持つ奥深さは無為に通底しているように思えます。和紙と墨が織りなす世界では小賢しい企みなど吸い込まれ、無となります。和紙と墨そのものが見せてくれる世界にもう少し遊んでみたいと思っています。
影響を受けた好きな作家
キスリング、モディリアニ、ベンシャーン、クレー、村上華岳、横山操、等
特に華岳の仏画の妖しさ、柳のしなやかさ、妖艶さ、牡丹の幽玄さには惹かれ続けています。
本展示会の見どころ、注目ポイント、メッセージなどありましたらお願いします
テーマの" 愛しき生命達" とは、身の回りにある自然やそこに育まれたものに支えられて、自分も生かされている、そんな生命の輪の世界を描けたらと思い名付けました。
軸装が多いのは、簡便で、軽く、現代に逆に合ったものだ思ったからです。
最後に、20年以上前に子どもたちに向けて書いた詩をご紹介してこの稿を終えます。ありがとうございました。
白目と平和 近森 有造
猿の目をみたことがありますか。
黒目ばかり
どこを見ているか
相手にさとられないためだそうです。
それに対して
人間の眼は白目が多くて
どこを見ているか
はっきりと分かるようになっています。
見つめているのは
あなただよって
戦わないですむ世界を
手に入れた人間の眼は
白目が多くなっていったそうです。
白目は
そんな平和を語る眼だったんです。
瞳の中に
あなたがいることを
白目は伝えてくれているんです。
これから
人間の眼は
白目が多くなっていくのでしょうか。
黒目ばかりになってしまわないようにと
僕は
少しだけ心配です。
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