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バーチャルの世界を1つにまとめ上げたいという話【8bit.VRStudio】

ヒトの皆さん、御機嫌よう。
バーチャルゲームマスターの夢オチです。

私が所属している「8bit.VRStudio」とは何をするチームなのかを説明するために、まずは、私がバーチャルで何を成したいのかという決意表明を聞いてほしい。

序章「すべてのはじまり」

事の起こりは2017年に遡る。
キズナアイ、電脳少女シロ、ミライアカリetc…VirtualYouTuberという概念がネットの世界に誕生した。当時は、画面の向こう側の世界として、あくまで仮想世界のキャラクターの側面が強かった。

しかし、"バーチャル"は予想以上のスピードで現実世界に寄り添う形となる。それは、VRChatというプラットフォームが普及したということ。
2017年11月23日「【速報】次元の壁を越えた!in VRChat【MiraiAkariProject#010】」ミライアカリがVRChatで遊んでみたという内容で、他の一般プレイヤーと交流をしていたのだ。

私はこの動画を見て、激しく心を揺さぶられた。VRChatを知らない人にこの状況を説明するならば、芸能人が待ちゆく人に声をかけるというありきたりな表現になってしまうのだが、正確に表現するならアニメのキャラクターが、突然意思を持って現実世界の私たちの領域に踏み込んできたように感じた。

この時私は、現実世界とは全く異なる、”バーチャル”の世界…サマーウォーズの「仮想世界OZ」やロックマンエグゼの「電脳世界」が実現するのではないかという、新たな時代の到来に胸を躍らせていた。

その衝撃から時は流れ2020年。VirtualYouTuberは爆発的に数を伸ばし、知名度を上げてきた。しかし、それはあくまでVirtualYouTuberとして…あくまでゲーム配信文化として独自に成長することとなる。

つまり、"バーチャル世界"は誕生しなかった。

第一章「動く城のフィオに対する2つの激情①」

2017年から現在にかけて、"バーチャル世界"に大きな変動を2回もたらした人物がいる。それが「動く城のフィオ」だ。

2018年2月20日「【♂∩♀01】バーチャルつるぺたドワーフ錬金術師ロリ爺のフィオなのだ!」という動画でデビューし、ごく普通にVirtualYouTuberとして活動を開始した。当時は、VirtualYouTuberといえば3Dモデルを動かし3D世界で活動するのが主流で、動く城のフィオも例にもれずその一人であった。

本題に入ろう。私が動く城のフィオに対して抱いている1つ目の感情は「憧れ」だ。

VirtualYouTuberがそれぞれ独立したキャラクターとして活動していた中、動く城のフィオは、個人勢特有のフットワークの軽さで積極的にコラボ活動を行い、横のつながりを作り出そうとしていた。特に、VRChatを利用した3Dキャラクター同士の絡みだけでなく、視聴者を巻き込んだ「バーチャル忍道」や「笑凸」といった企画では、VirtualYouTuberと視聴者の交流の場を作りあげた。

この中では、まぎれもなく"バーチャル"という括りでVirtualYouTuberも視聴者も平等に活動できる場が出来上がっていたように私は感じた。"バーチャル"の中では、外見も年齢も言語も場所も経歴も、あらゆる現実の制約から解放され、あの場では、VirtualYouTuberも一般参加者も等しく主役であり輝いていた。

私は、そんな場所を作り出した動く城のフィオの在り方をリスペクトしている。

第二章「動く城のフィオに対する2つの激情②」

2018年8月26日、動く城のフィオは"バーチャル世界"に2回目の大きな変動もたらした。そのイベントの名は「バーチャルマーケット」、"バーチャル"の世界に経済圏を築くという、生活の基盤を作り出すという壮大な計画の第一歩であった。

"バーチャル"に存在している全ての人が、当たり前のように"バーチャル"で生きることができる。そんな現実逃避な夢物語を本気で実現しようとする姿はもはやVirtualYouTuberの域を超え、"バーチャル"の可能性に人生をBetしたギャンブラーのように私の目に映った。かくいう私も、バーチャルマーケット1には製作側として参加していた。バーチャルマーケットという試みに惹かれてしまっていたからだ。

結果から言えば、動く城のフィオの在り方は大きく変わった。2020年現在ではVR法人HIKKYのCVOとして『バーチャルで生きていける世界を作りたい!』を本気で実現させている。

さて、第一章では、私は動く城のフィオに対して「憧れ」を抱いていると説明した。ここまで動く城のフィオを誉め続けているが、第二章で語る感情は「怒り」にも似た負の感情である。

結論から言うと、現在"バーチャル"の世界はバラバラで、それぞれがガラパゴス的に独立している。VirtualYouTuberの文化はニコ生やYouTuberの流れを汲んだアイドル文化(主流は2Dモデル)として、VRプラットフォームはVRChatだけでなくCluster・バーチャルキャスト・NeosVRなど、一般層が日常を過ごす場として、"バーチャル"と一括りにするには、この2つはあまりにも距離が開いてしまった。

動く城のフィオが2年間生活の基盤を"バーチャル"に築いている間、第一章で述べた『"バーチャル"という括りで誰もが主役になれる場』を作る人がいなくなってしまったのだ。私はこのことを2年間、”バーチャル”のトップイベンターの座が空席になっていたと表現している。

実際、VirtualYouTuber・VRプラットフォーム共に中小規模なイベントが乱立し、"バーチャル世界"の実現を目的とした活動が動く城のフィオ以外から生まれなかったのだ。

私が動く城のフィオに対して抱いている負の感情の正体は、経済圏の実現という目標に移行した際に、"バーチャル"を繋ぐイベンターの座を放棄したことに対する怒りである。これは、私が動く城のフィオに対して抱いていた理想が高すぎたことが起因であり、あまりにも自分勝手な感情であることは理解している。

しかし、失われた2年間は生まれかけていた"バーチャル世界"を破壊するには十分すぎる期間であり、二度と取り戻すことのできない損失を、唯一止められる立場にいたのが動く城のフィオだったとすれば、この割り切れない感情の矛先が向いてしまうのは仕方がないことだと思う。

第三章「私が私として在るために」

私が"バーチャル世界"に夢を見て、2年間冴えないクリエイター兼イベンターとして燻っていた間に、動く城のフィオは宣言通り"バーチャル世界"に経済圏を生み出した。仲間を作り、現実世界からの導線を何本も引き、多くの企業を誘致することで"バーチャル世界"で仕事ができる環境を整えた。

かくして、2020年5月10日のバーチャルマーケット4閉会をもって動く城のフィオの掲げる「バーチャル世界に経済圏を」は達成されたと考えている。
これから先は、より"バーチャル世界"を大きく育て上げるフェーズであり、これから動く城のフィオは経済圏の拡大と安定化に力を入れていくだろう。

さて、そうなったときに解決していない問題が残っている。それが、"バーチャル"を繋ぐ存在である。今のままでは、一言で"バーチャル"と言っても、実際は小さなガラパゴス島が乱立している世界である。決して、サマーウォーズの「仮想世界OZ」やロックマンエグゼの「電脳世界」のように「バーチャル」というキーワードで繋がった大きな世界が在るわけではない。

"バーチャル"は平等な世界ではない、誰もが主役になれる世界ではない、そこにあるのは現実世界をコピペしただけの残酷な世界。私が夢見た現実世界から解放された"バーチャル"が実現する未来を、誰も作ろうとしていなかった。

だから、私は…「動く城のフィオが生み出したバーチャル世界を基盤に、誰もが主役になれる世界を築くことにした」

第一に、現実世界のしがらみから解放され、平等なスタートを切れるのがネット文化の良いところだ。超有名芸能人でさえ、Twitterで変なことを呟けば炎上するし、無名の一般人だとしても、何気ないツイートがバズって本になったりする。

つまり、現実世界以上にネット(バーチャル)の世界は平等で、何より現実世界ほど成熟していない。一瞬で全世界に自分を発信でき、5年も同じことを続けていれば大ベテランになれる。現実世界ではあり得ないチャンスだって、ネットならそこら中に転がっている。

だからこそ、"バーチャル世界"に私は、動く城のフィオがそうだったように、自分の全てを賭けることにした。憧憬も怒りも苦しみも嫉妬も…あらゆる感情を原動力にしてバラバラになった"バーチャルの世界"を繋ぐために行動を開始した。(2020年7月1日現在、リアル側で行動開始した為、その内容は公にできていない)

現実世界のありとあらゆる職業や趣味をバーチャル化する。立場や肩書なんて関係なく、同じものが好きなら友達になれる世界を。

地球に未開拓地はすでに無く。宇宙を開拓するには早すぎる時代だからこそ
私たちは、この「VR」の世界に新しい開拓地を創ることを決意した。

-『8bit.VRStudio』HPより-

終幕「バーチャル←リアル」

長々と自分語りをしてしまったが、私の命題は「バーチャルを一つに」することだ。誰もが"バーチャル"になることで、現実世界のしがらみから解放され、自由に生きることができる場所を作る。

決して無秩序な世界を作りたいわけではなく、子供のころのように無邪気に、生まれや経歴なんて関係なく遊ぶことができる、そんな単純でレトロで幸せな価値観を、現代の"バーチャル"に実現する。

そんな意味を込めて立ち上げたのが【8bit.VRStudio】だ。

結成したのは、冴えないゲームクリエイターと、ごく普通のエンジニアの二人だけ。どこにでもいる二人だからこそ、"バーチャル"なら何者にもなれる。そんな希望を届けられるのではないか。

何者でもなかった自分が、VirtualYouTuberとして、経歴にも肩書にも囚われずに活動をし続けることで、”バーチャル世界”の懐の広さと可能性を証明していけると考えている。

私が"バーチャル世界"で掲げる事はただ一つ。誰もが平等に、あらゆるしがらみから解放された世界を作ること。私の手が届く範囲では、VirtualYouTuberもクリエイターも裏方もリスナーも、全員が対等に平等に手を取り合える場所であること。活動歴も知名度も関係ない、誰とでも胸を張って横に並べることを証明したい。

特にVirtualYouTuberのすでに出来上がった閉じたコミュニティをこじ開け、2年前に動く城のフィオが実現していた、VirtualYouTuberもリスナーも同じ舞台に立って誰もが主役になれる場を再び作り出す。そのために、バラバラになった"バーチャル世界"を1つにまとめ上げることが私の生きる意味だ。

私は"バーチャル"に関わるすべての人に問いたい。

ただ眺めてるだけでもいい、変哲のない日常を謳歌するのは素晴らしい。しかし、君たちが夢見た未来は…"バーチャル"はもう始まっている。

3Dモデラーヲタ芸師元ニコ生主も、誰であろうと"バーチャル"で繋がることができる。

私が立ち上げた配信チーム【8bit.VRStudio Stream】は、ガラパゴス化した”バーチャル世界”に射す一筋の光であり、新たな時代の奔流になると信じている。

何者であろうと、”バーチャル”の可能性に挑戦したいのであれば、私たちに力を貸してくれないだろうか。

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