ねこ

愛しくて
闇間に
面影を探す
あの声としぐさを
辿って 時を
手繰り寄せる

ふらっと来て
どこかへ行く

厳しい季節を生きて
やっとこころ許し
もたれては
温もりを置いて行った

刹那の温みに
時を 惜しんだ
 続かない切れ切れの時

きみがいなくなったことを
今も これからも ずっと受け入れられない
今も 扉を開けて きみのいた場所を探し
夜空を眺める

忘れた?

背伸びして
もたれかかった
意外なほどの重み
でも  やはり儚くて

あれは
別れの予感だったのか?


終の棲家は ここではないから
ここでないのは確かだから
それでも 赦されるものならと
いなくなるなんて思わなかった

また 厳しい暑さが来る
生ききれるかい?
世界中のだれも きみを忘れても
忘れられないくせに
なんだろね わたし
未練とあきらめがスクランブル
あきらめられるはずもなくて

今日も 扉を開けてきみを探す
飛ぶちょうちょうさえ 後先 添っているのに。


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