見出し画像

「リラ杯俳句」でお願いします。

あおぬたのほろ苦きかな母の味
 春になると、山で採れたものを送ってくれた、新婚の頃。
早くに母を亡くした夫は珍しがって喜んで食べた。古びた写真
の母の笑顔がそのころに連れて行ってくれた。

春の蝶また逢えたねとまとわりて

 この季節の蝶はもとより、どこからか いつもふと現れる。
きみは 会いに来たのかい?大丈夫かい?さみしくないかい?

かたえくぼあどけなき笑み風ひかる

 おさなごが広場で遊ぶ。軽やかな笑い声が聞こえる。あのこたちと
同じ あのころのきみの笑みを思い出す。風が光り、笑い声が光る。
春が眩しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?