どうして入居者にイラつくのか?

所謂、老人ホームって凄く特殊な場所だと思う。なぜかと言うと、よく接遇の比較対象の例に揚がるのはホテルだ。「ホテルではそんな対応しない!」なんて言われたりする。あと似たような所といえば入院病棟だ。だけど、この2つと老人ホームの決定的な違いってチェックアウトor退院があるかの違いだ。
老人ホームは基本的には入居したら死ぬまで出られない。というか、ほとんどの入居者は終の棲家のつもりで入居している。
そんなことは至極当然の事なんだけど、お互いに出ていく予定が有るか無いかの違いは大きな違いになる。
たとえば、ホテルは長くても数日のお付き合いだし、入院ならば長くても数ヶ月のお付き合いだ。
だけど、老人ホームは余生ずっとだ。当たり前だが出ていく予定なんか無い。その人が死ぬまでだ。まるでゴールの見えないマラソンを走らされているようなものだ。
たぶん介護職の人は経験があると思うけど、どうも折り合いが着かない入居者とその家族がいたとして、それまで邪険にしてたけど退去するってなったときに、やや優しく接することが出来た。ということはあると思う。
なぜ、それまで邪険にしてたけど退去が決まったあと、やや優しくなれたかというと、ゴールが見えたからだ。
その理屈で言うと施設を辞める職員が今までよりやや優しく入居者に接している。
つまり、入居者に対してイラついて態度に出てしまうのは、その人との関係にゴールが見えないというのが理由のひとつだと言える。
だからといって、それに対する対策なんて無いが自分がイラつく訳を少しでも理解できていればやや冷静になれるものだ。

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