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影響力の武器④

皆さんは「人」を見る上で外見を重視しますか?それとも中身を重視していますか?相手をどんな対象で見ているのかによって変わってくると思いますが、社会の中で「影響力」を持つためには中身よりも外見が重要であるという考え方もあります。


社会の中で「影響力」を持つとはいったいどういうことか。それは「権威」を持つことです。厳密にいえば、例え権威が一切無くても権威があるように見せかけることとも言えます。


私達はいとも簡単に周囲に影響されてしまうと前回の投稿で紹介しました。ではここでいう「権威」とは何なのか。極端な例を挙げると、医師・大学教授・裁判官といったような肩書きを得るためには何年もの経験と努力が必要であることは私達にもわかります。しかしこういった努力を一切せず、ラベルだけ付けることで他者から認められることができる ”場合” もあります。私達はそういった「権威」を持つ人を見ると安心感を抱いたり信頼したりしますよね。「俳優」や「詐欺師」はこういった技術を巧みに使いこなす代表例とも言えますが、ここでは一体何を意味するのでしょうか。


「アメリカ人の恋は車で実る」

先ほど挙げたような「職業」もそうですが、「服装」や「装飾品」はその人のシンボルとして私達に大きな影響を与えます。ハイブランドのアクセサリーを身に付けていれば「お金持ち」という印象を与えるでしょうし、「医者」と名乗られればその人に対する見方も大きく変わりますよね。

その一環として、アメリカ人にとって「自動車」にはその人を象徴する上で格別な意味を持つ文化があります。「良い車」を持つことは「良い男」としての「権威」をシンボルとして示すことができるのです。

この例と同様に、その場面毎に権威のありそうな服装をすることで自分が有利になるよう身を包むこともできます。簡単に言えば、「外装」によって無意識の内に私達は影響を受けてやすいのです。
「決して中身を保障する訳でもないのに」


これまでの投稿で私達人間の「自動的な思考回路」についても多く触れてきました。自分の目で見えたもの、感じたもので瞬時に判断しなければいけない機会は多くなったため、そういった自動的な反応を上手く利用するプロもいます。つまり私達に簡単に「イェス」と言わせることもできるようになったのです。

とある保険会社のセールス記録によると、「宗教が同じ客」とは保険の契約が取りやすくなるという研究結果も明らかにされています。同じ喫煙者、同じ年齢というだけでもお客はセールスマンに好意を抱くことだってできるのです。

実際に「セールスマンの教育プログラム」には決まった方針が共通して多く見られます。
「客の姿勢、雰囲気、話し方を鏡のように似せて、相手に合わせる」


自分と共通している特徴があるだけで「どの保険に入るのか」「どの会社に就職しようか」さらには「誰と結婚しようか」などといった人生を左右する決断にまで影響を与えてしまうという驚異がここから読み取ることができるのです。

『似た者同士ですね』

こう言って近づいてくるのは人生をも左右する罠があると、本書でも書かれています。考えてみると怖いですよね。


皆さんがスーパーマーケットなどで良く見かけるであろう「試食コーナー」はなぜあるのか。無料で食べることができても、そこにいる笑顔が絶えない販売員と会話を交わせばあなたは「無料で試食させてくれたこと」「販売員が笑顔で勧めてくれたこと」に対して恩を返しざるを得ない気持ちになります。

録音されたであろう大勢の笑い声がなぜバラエティ番組でよく流れるのか。あれだけあざとい音声だとしても、それを聞いた私達は無意識に笑うべきシーンとして反射的に認識してしまいます。たとえ面白くないシーンだとしても。

「スポーツ」自体にに興味が無くても、自分達が住む地域の野球チームが勝つと嬉しくなります。自分と同じ境遇と知った選手が頑張っているのを見ると熱情を抱きます。たとえそれまで関心が無い選手(他人)であったとしても心から応援できるのです。

他人から影響されやすいことは人間が持つ性質上自然なことであると言ってきましたが、今回の投稿でどれだけ簡単に影響されやすいのかイメージできるのではないでしょうか。本書では、私達は目に見える相手の外装、「権威」を見定め、その権威の裏にある「誠実さ」を見ることが解決策として挙げられています。たとえその裏側にあるものが「弱さ」であったとしてもそういった自分の欠点を見せてくれる者こそ、その欠点を凌駕してしまうくらい大きな魅力があるということに気付かなければならないということです。

では私達はこれから ”騙されないため” に普段の生活で具体的にどういったことを意識すれば良いのか。次回の投稿で書きたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。



追記))
私の投稿では「本で得た知見を具体的にどう生活に活かすことができるのか」を自分なりにアプローチしたコンテンツを配信しています。「本を読みたいけど時間が無い」方も読むことができるコンテンツを発信していくのでぜひともフォローの方よろしくお願いいたします。

この記事では、ロバート・B・チャルディーニ(1991)『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか』を参考に書いています。本の内容を通して一緒に考える時間を過ごしましょう。









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