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Runs Created(RC):得点を生み出す要素とは

こんにちは。
この記事では、セイバーメトリクスの中でも基本的な指標の一つであるRCという指標について書きます。
RCとはRuns Created という言葉で、ある選手がチームが取った得点の中でどの程度の点数に貢献しているのかを表すことができます。

RCとは

RCの計算式は複数のバージョンがあるようです。
例を挙げると、

RC = (安打数+四球)×塁打÷(打数+四球)

RC={(A+2.4×C)×(B+3×C)÷(9×C)}-0.9×C
A=安打+四球+死球-盗塁死-併殺打
B=塁打+{0.24×(四球-故意四球+死球)}+0.62×盗塁+{0.5×(犠打+犠飛)}-0.03×三振
C=打数+四球+死球+犠打+犠飛


などがあります。

RCの意味すること

紹介した2つの式の1つ目では、安打数、四球、塁打、打数のみを用いて計算を行なっています。
盗塁や犠打などの指標は使われていないんですね。
2つ目の式と比べるとずいぶん簡単に見えますがこの式でも十分に高精度な予測をすることができます。
このことからセイバーメトリクスでは、

得点力に影響が大きいのは出塁率と塁打数で、盗塁は犠打は影響が小さい

と言われています。


そのため、メジャーリーグやプロ野球でバントが減り、二番打者に小技の上手い打者や足が速い選手ではなく強打者を置くチームが増えているのです。

ただ、これはメジャーリーグやプロ野球という高いレベルでの話なので高校野球などでは別の話かもしれません。

日本のプロ野球に当てはめてみる

この公式をプロ野球に当てはめてみようと思います。
今回は2021年のパリーグの6チームを例に挙げて計算していきます。

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こちらが計算結果になります。
1枚目が1つ目の公式から求められた結果で2枚目が2つ目のより複雑な公式によって求められるRCです。
RCというのが公式から求められた数で、得点数が実際の各チームの2021年の得点数になっています。


高い精度で得点数が予測されていることがわかると思います。

また、それぞれの結果を見比べてみると、どちらがより正確を判断するのは難しそうです。

1年分しか計算していないので情報量としては十分ではありませんが、この結果をみる限り2つの公式の精度には大きな差はないと言えそうですね。

高校野球におけるRC

高校野球ではどうなのでしょうか。

2021年の選抜甲子園に出場したチームの中から、各都道府県大会、地区大会の合計試合数が9試合だった10チームについて予選の9試合でのRCを計算してみました。

ただ、細かいチーム成績を見つけることはできなかったので、1つ目の簡単な式の方のみ求めています。

それでは結果を見てみましょう。

高校野球ではコールドゲームなどもあるため、イニング数にばらつき出てデータの正確性が低くなってしまう可能性もありますが今回打席数に大きなばらつきがないので問題ないでしょう。

この表を見てみるとRCの値は高校野球においても高い精度を持っていると言えそうです。

また、高校野球の場合は多くのチームでRCよりも実際の得点が多くなっているため、プロ野球に比べて点数が入りやすいということも言えそうです。

各選手の評価

RCの公式はチーム単位だけでなく、各選手のチームへの貢献度を図る際にも有効です。
本来のセイバーメトリクスの目的は、選手の成績を正しく評価することです。
RCの場合、各選手のRCを計算することでその選手のチームの総得点に対しての貢献度が分かります。
2021年のパリーグ覇者、オリックスを例に主要選手のRCを計算していきたいと思います。

打席数100打席以上の選手を対象に計算をしました。

野球の指標には安打、本塁打、打点、打率、出塁率などたくさんの指標があり総合的にその選手がどのくらいの得点を生み出しているのか分かりずらいですが、各選手のRCを見てみると、その選手の貢献度が分かりやすくなっています。

例えば、T-岡田選手は紅林選手と比べて同程度の塁打数と少ない安打数となっていますが、四球が多いためシーズンを通して10点多く生み出したと評価されています。

このようにRCという指標を使う事によって、選手の攻撃におけるチームへの貢献度を図ることができます。

まとめ

今回は、打撃指標から得点数を計算するRCという指標について説明しました。

野球では、攻撃においては点を取るということが大事なので、各選手の得点力を評価できるRCは1つの基本的指標として使われています。

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