いのちの値段_いのちの価値

いのちの値段、いのちの価値 ~少子化について思ったこと~

この世で最も非人道的な、労働環境…

私は、身体の弱い赤ちゃんを育てている、お母さんの状況がそれだと思います。

普通の健康な赤ちゃんでさえ、最初の数か月から半年の間、お母さんは、ろくに座って食事をとることも、寝ることもできないで過ごします。

「3時間間隔の授乳」

言葉でいうと、間に3時間寝られそうですが、まったく実態は異なります。

できてもせいぜいうたたね程度。

産後は、子どもに栄養の大部分を渡して、貧血になった体を引きずりますから、

髪はぼさぼさ。

顔もボロボロ。

それをこなせるのは、わが子への愛。

これをお金で、人を雇ってやってもらったら、報酬は月に100万円くらいでしょうか?いえ、もっと?

8時間労働として、3人。週休二日にしようとしたら?

今、ちょっと計算してみたんですが、5人でギリギリですね…。

単純計算ですが、赤ちゃんのお母さんという存在は、5人分の仕事をこなしていると考えられます。

その責任の重さたるや、人の命まるっとですから、教師や医者の責任の合算と言えます。

仮に、教師の月収を50万。医者の月収を200万として、250万。

250万の報酬を5人分として、1250万/月。

一年で、1億5千万。

赤ん坊一人にかかるコストは、1億5千万円+家賃+光熱水費+食費+医療費(ワクチン代など)だと言えるでしょう。

そんな大きなコストをかけるほど、私たち一人ひとりには価値がある…それほどの労力をかけて、育ててもらい、今の成長した私たちがあるわけです。

私たちは、野山に捨てられても生きて行けるような、強い存在ではありません。

ひどい親だったとして、虐待に対する裁判を、あなたが親に対して起こすとして、でも、そのときに「この子を1歳にするまでにかかったコストは1憶5千万相当です」と言われた瞬間、

裁判が吹っ飛びます。

その後、大学まで行かせてもらっていた場合、教育費を加えると…。

残念ながら、親をどれほど恨んでも、一歳まで育ててもらっていたなら、裁判で争うのは、あきらめた方が良さそうです。勝ち目がありません。

「やりがい搾取」という言葉がありますが、親という仕事は、「やりがい」だけに支えられた仕事です。

とてもできない。

体力的に、とても無理だ。

欲しいけど、仕事の大変さを考えると…

子どもを育てることは…

教育費を捻出できない。

正直に、まじめに、子どもを作ること、育てることを考えた人ほど、結婚にも、子どもを作ることにも、慎重になります。

その方たちは、少なくとも「いい加減な人」の真逆です。

子どもを作り、育てることのコストが、昔に比べて、計り知れないほど大きくなり過ぎた。

昔は、親、兄弟、親戚、地域の人など、頼れるものが多かった。

どれほどAIを進歩させても、赤ん坊を安心して任せるのはまだ当分困難です。

そういう意味でも、今少子化するのは、仕方がない。

だけど、これから先も、この状況を変えないでいることは、社会にとって危険でしかない。

それほどに、赤ん坊を一人育てるということが、大変だということを、社会の共通認識として持って、

社会全体で、立ち向かっていくしかないと思います。

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