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支配者スイッチ 「塩」

こんばんは、闇と光の伝道師、愛を叫ぶじゅにーです。

今回は塩の話。

四の五の言っても仕方ないので、とっとと始めてしまいましょ。

それでは、ポチっとな♪





「ヨシヒコや、ヨシヒコはおるか!?」

「はっ、こちらに。閣下、如何なされました?」

「如何なされました、ではないわ。今日の食事、妙に味が濃かったぞ。余を高血圧にするつもりであるか!?」

「閣下、濃い味付けがお好みだったでしょう?何を今更。またテレビで御座いますか?」

「今までは知らなんだわ、健康のために減塩が必要だなどと。良くも今まで塩分過多な食事を食べさせてくれたもんだ。分かってやっておったのか?」

「まあ、左様ですな、減塩神話など嘘っぱちですからな。」

「う…そ……?」

「左様です。今の者共は概ね塩不足に御座る。本来ならもっと取らねば身体は正常に機能しませぬ。」

「待て待て待て、毎度の事であるがきっちり説明せよ。」

「昔ながらの自然塩は健康を害するどころか、命を繋ぐために不可欠な物。これを絶てば民は弱る、ここまでは宜しいか?」

「構わぬ、続けよ。」

「塩は生活に不可欠故、民任せではなく、国が主体として生産を事業と致しました。その際に塩田としていた土地は召し上げ、工業地帯と変えまして御座る。」

「塩田を取りやめたのだな。それで?」

「工業的に純度の高い塩のようなものを作り出しました。それを食塩として民に使わせたので御座います。」

「ほう、それで?」

「民は自然塩と同じように食塩を使い、僅かな組成の違いが影響を受けやすい者に高血圧を発症させました。」

「それはイカンな。」

「そこで、食塩を自然塩とひっくるめて悪者と仕立て上げ、減塩神話を作り出したのです。」

「それを余が真に受けたと。」

「食塩であれば、取り過ぎては健康を害しますからな。当時は食塩しか殆ど塩が手に入らなかった故、見事減塩神話は民に刷り込まれました。」

「今はどうなのじゃ?」

「もう十二分に浸透しました故、規制は解除し自然塩も手に入りまする。閣下のお召しになるものは当然それを使っております。」

「それならば多く取っていても構わんのか?」

「先程も申し上げたでしょう、むしろ足りておりませぬ。民も塩が足りておらず皆一様に弱りましてござる。」

「どう弱るのだ?」

「今はすぐに暑さで倒れてしまうでしょう。炎天下での暑気中りなど、昔の民なら考えられませぬ。嘆かわしい事です。」

「嘆かわしい?この件、そちの仕込みではないのか?」

「あ、いえ、閣下の盤石たる支配のためには必要な事でありまするな。お気になさらぬよう願います。」

「ふむ、そちがそう言うならそれで良かろう。」

「はっ。閣下だけでも、しっかりと塩は取って頂ければと存じます。」





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