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<図書館>①「貸出通帳」で読んだ本の合計額で「読書を可視化」②聖書を禁書したモルモン教聖地ユタ州の学校図書館

①「なるほどー」とうなった事例



ちょっと昔の図書館なら「図書カード」に借りた人のカード番号や名前が書かれていく。ジブリ映画「耳をすませば」では主人公月島雫がスゴイ読書少年「天澤聖司」が気になりはじめ、天澤君は月島雫の読書記録をひそかに追っかけながら、ひそかに隣の席に座ったり。
「中3という初々しい年代だからみずみずしく伝わるのがウラヤマシイw。オッサン・オバハンの我々世代がやればストーカーだわよ・苦笑」
その図書館利用のカードを通帳方式に変えて、自分の読書記録を残せるようにした。しかも、そこに本の価格を入れて「通帳」にした。
これすごく面白い事だと思います。

<留意点>読書傾向は個人情報であり思想行為でもある


わたしは大学図書館に勤めていますが、私立大学では学校の設置基準というのがあるので、図書館の蔵書数とともに学校教育に必要な「共有資産」として図書や学術文献の金額を「資産計上」して法人の資本として計上しています。天災や戦争などで失われた資産がどのぐらいの規模かをわかりやすくするために必要な情報になります。
中には資産価値を失う本が多くなるので、定期的に蔵書の見直しや蔵書点検で紛失本を抹消するなどして適切な冊数と資産額に調整をする作業をしています。
もう一方で大学機関は研究や読書内容は個人情報に属するし、軍国主義時代のいわゆる思想統制の痛い経験を持っている国民である、という反省に基づいて自分の読書記録を残したいか、残したくないか、については利用者が選択できるように運用していたりします。
それは、第三者、とりわけ権力者(裁判所や捜査機関など)が開示請求をした場合に開示に応じなければならない場面があり得る、ということなのです。

権力者に勝手な解釈で断定されたら、個人は申し開きはまず無理


よく警察関係者が「任意同行」は「任意」だからと気休めを言って庶民を騙します。「公式見解」とゲンバは違います。何がどう違うのか。「逃亡の恐れがある」「反抗している」と見做されれば即逮捕だってできるのが彼らです。逮捕状がなくても「緊急逮捕」はできるのです。
怪しいものが無いなら見せられるでしょう、といって財布の中からポーチの中まで覗こうとします。コンドームから生理用品、常備薬から日々飲んでいる処方薬までいちいち聞いてくる奴までいます。(キモチワルイ)

例えば、興味本位で終わらせたくない、という向学心から色々な本を読む事があってもいいはずです。だけれども、相手がどういう見方をするかはこちら側でコントロール不能なのです。
一番困るのは、「だから読むもんじゃない」という風に向学心を失わせてしまう事の方が本当のリスクになるわけです。


軍国主義の時代、大学の教授室には特高警察がにらみを利かせて見張っていました。野球のストライクやアウトさえ敵国語だから使わせないという真っ只中です。その特高警察の人が心理学者の乾孝さんにむかって「おい!乾!俺は心理学なんかに引っかからないからなっつ!」と居丈高に言い放ったそうです。「この人、心理学を催眠術かなんかと思い込んじゃっているんですね」と一言付け加えられクスッといたずらっ子っぽい(笑)を浮かべておられましたが、目は思い込みと偏見で何でも敵の回し者にしなければ気が済まないあさましい権力に飼いならされた人間の姿を思っているわけです。職務の責任はあるでしょうけれども、本来はこの人の責任ではないわけで軍国主義の弾圧と社会全体が狂っているんだからマトモな人間が狂って見えるわけです。つまりは正義や正常なんていう主観的な基準は全体が異常の中に取り込まれてしまった中では異常な連中の方が正常にみられてしまうわけです。
なのであまり節操なく「面白い」とか「キモイ」だけで話を進めてしまうと後々「聞いてないよー!」という事態を迎えないとは限らない、ということ。必ずオモテとウラがあることを知る必要があります。ひはんてきに物事を見る、というのはそういう事なのです。理想に燃えるのは良い事なのですが逆に意地悪な人間はそれが気に食わないとか、悪意で恨みを感じるなんてことがあるわけです。心がけが悪い、というのは自由ですが、そういう風に人を仕向けてあたかも自分は善人のふりをして周りを陥れる人が増えてきているように思う、そういう事だけはお伝えしておきたいと思います。

①の記事の紹介>>>>>>>>
3年連続日本一の図書館が愛知県に…


(夏目キャスター)
「入るとすぐ右手、こちらカフェスペースになってるんですね」

夏目キャスターが訪ねたのは、2017年オープンした「安城市図書情報館」。複合商業施設の中に作られています。

(安城市 アンフォーレ課 足立 結さん)
「同規模自治体の中で(貸出数)1位という記録をいただいています」

オープン翌年の2018年から3年連続日本一の貸出冊数を記録した、もっとも利用されている図書館なんです。

(夏目キャスター)
「すごく開放的、そして綺麗。あとですね、ただシーンとしている図書館ではなくて、何となく生活とすごく近い距離にある図書館だなっていうのを感じます」

来たくなる秘密の一つがこの特設展示コーナー。書店のようにおすすめの本を紹介し、手に取りやすいように並べています。

そして、本だけではありません。


(夏目キャスター)
「こちらが図書館の児童書のコーナーなんですけど、このコーナーの一角、0歳から3歳までのお子さんが遊べる、そして選んできた本をここで読むことももちろんできるそうなんですが、子育ての相談もできるそうなんですよ。こういうのを子育て世帯は望んでいるんですよ」

「電車好きなの?」
(子ども)「ポッツポー、でんちゃ」
「(子どもが)生き生きしています」

全国的にも珍しいこんなサービスも。

(安城市 アンフォーレ課 足立 結さん)
「本を24時間いつでも受け取りができる機械になっています。年末年始でもいつでも年中受け取りができます」

Webで本を予約し、図書館の外にある機械の中に自分専用のカードを差し込み、しばらくすると…

(夏目キャスター)
「来ました来ました。なんか自動販売機というか車の立体駐車場というか、面白い」

そして今回、夏目キャスターが一番気に入ったサービスが…

(安城市 アンフォーレ課 足立 結さん)
「こちら読書通帳になりまして、利用者が過去に読んだ本を記録することができる通帳になっています」

今までに借りた本のタイトル、日付、そして本の定価まで記録した「読書通帳」なんです。

(夏目キャスター)
「見てください、今までに読んだ本、累計合計金額35万円。何でしょうこの得した気分」

(安城市 アンフォーレ課 足立 結さん)
「こちらも無料で読めているわけなので」

こうした数々の工夫があって、1日平均なんと1700人以上、年間52万人の入館者があるんです。
図書館は子供から大人までお金をかけずに学べる大切な行政サービス。
名古屋市の大再編には利用者第一のアイデアが求められます。


2023年5月26日放送 CBCテレビ「チャント!」より


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②「聖書」は下品で!と学校図書館で禁書扱いにしたユタ州

この記事をよんだ時、カルトらしいなあと思いました。モルモン教(末日聖徒イエスキリスト教会)は日本では学校の多い地域で高校生らに声をかけバスケットボールサークルや英会話教室などに誘って布教をする、という清らかなイメージで迫ってくる宗教団体。芸能人で代表的な人はケント・デリカット氏のような「ガリガリのまじめな人」が多いといってもいいだろう。慎ましい人が多く、聖都であるソルトレイクシティはネバダ砂漠と岩塩、塩湖に囲まれた場所にもかかわらず、超近代的な都市が忽然と現れ、丁寧に掃き清められた街はとても美しい。
モルモン教徒は夫婦の性行動でも全裸にならない事でも知られるほど、淫らな恰好や行動はご法度。そのぐらい生真面目な人たちが多いので、聖書の記述にカチンとくる人が育っても不思議ではないだろう。
聖書を読んだことがある人なら気づくはずだが、旧約聖書はアダムの末裔たちが登場人物となり旅で出会うなり予言された人だとわかるや「お前の中へ入らせてくれ」と言い、ただちに「●●の中へ入り□□を身ごもった」という記述にすぐ続く。この間たった2~3行。単刀直入なわけだが、聖書の人名は生殖器に付与されているのではないか?と思いたくなるぐらいこれでもか!という頻度で預言者の約束事を果たしていく。お約束とはよくも言ったものだ。
子ども時代、いじめを受けて孤独にあった自分は聖書に救いを求めたが、ここに出てくる人物たちは極めて預言を果たすべきとお約束に出会ってお約束に交わり身ごもっていく。神の声を聴くふりをして思春期の妄想を膨らますのは聖書!という時代があったぐらい人間のこしらえた神の世界にも高校半ばすぎにはうんざりしてしまっていた当時の自分でもあったが、こうも旺盛に性行動を描く本が聖典だなんて性典の間違いだろうと思うぐらいオンパレードだという印象すら受けた。で、それを読み進んだ人間にとっては、新約聖書のマタイ伝福音書の最初の1ページ半における系譜は「セックスのおさらい」でもあるわけで「5分で語る人類の性行為」という勢いすらある。
だから、といおうか、頭が固い(清らかな)モルモン教徒がカチンと来るには十分だったかもしれない。下半身しか脱がない人には「ただちに中に入る」だなんてはしたない!と言われても、まあ、仕方が無いのかな、という感想を私は抱いてしまったのである。

ただ、今、世界は保守台頭の中で、多様さや個性や性の健康などの自由よりも慎ましく貞淑にという時代の停滞期でもある。だから、性的マイノリティなどの地位向上や差別撤廃などの動きが、大前提であったはずの女性開放をまるで対立軸のように据えて「女性の居場所づくり」を欧州でさえ語り始める地域が出始めた。元来イギリスはコンサバティブな地域でハームリダクションを採用することや、刑務所への考え方も最後まで保守的であり続けた懲罰主義の国でもある。だから保守反動も早い代わりにそれらへのカウンターが出て議論が熱くなるのも早い。欧州はそういう意味で過程的でプロセスそのものが重要という民主主義のEUの考え方も許容できるだけの懐はある。

しかしアメリカはトランプ政権のあと、禁書や禁欲的なキリスト教原理主義の台頭をまねくや否や、学校や公共図書館で「共産主義的な図書だ」「白人が主役ではない」「トランスジェンダーなど許せない」「LGBTQSは社会を堕落させている」など様々な理由で「禁書」が展開されるようになった。
ALAやIFLAなど図書館協議体はことあるごとに警鐘を発信し、図書館の自由と思想信条の自由を尊重するために図書館は資料選定の自由を持ち続けるべきだという立場を発信しつづけた。
しかし防ぎきれなかったのは残念な事である。
ついに最近、イリノイ州が「禁書は絶対ダメ」と法律を作るに至った。
まだ結論はないが、日本は日本国憲法にあたる図書館憲章として「図書館の自由に関する宣言」を持っている。拘束力を持たないが世界に誇れる憲章(利用者への約束)だ。大切にしていきたい。



ロッキー山脈の恩恵でスキーなどウインタースポーツが盛んな地域

②>元記事>>
米ユタ州の学区で聖書が禁止に 「下品」「暴力的」だと親が苦情
BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/65795420
米ユタ州のある学区が、「下品もしくは暴力的」な内容を含むとして、キリスト教の聖書を小学校と中学校から撤去した。

この措置は、ある親が「欽定訳聖書」の内容が子供には不適切だと訴えたことで決まった。

ユタ州政府(共和党)は2022年、「ポルノグラフィティーやわいせつな」書籍を学校から排除する法案を可決した。

これまでに禁止となった書籍の多くは、性的指向や性自認に関するものがほとんどだった。

アメリカの保守的な州では、LGBTQ(性的マイノリティー)の権利や人種といったテーマについて学校で教えることを禁止する動きが高まっている。有害図書の禁止はテキサスやフロリダ、ミズーリ、サウスカロライナの各州でも行われている。

一方、リベラル寄りの州の一部の学校や図書館では、人種差別的とみられる内容の書籍が禁止されている。

今回のユタ州での措置は、ソルトレイクシティー北部のデイヴィス学区で、2022年12月に提出された申し立てに基づくもの。当局はすでに、学校の書棚にあった聖書7~8冊を撤去したと発表。教材に該当の内容が使われたことはないと付け加えた。

措置を決定した委員会は、聖書を禁止した理由や、「下品もしくは暴力的」とされた部分については明かさなかった。

地元紙によると、申し立てを行った親は、欽定訳聖書は「(2022年の禁書法の)新定義に照らすとポルノにあたるため、未成年にとって重要な価値を持たない」と述べていたという。

2022年の州法を作成・提出したケン・アイヴォリー州議員は以前、聖書撤去の要請は「ばかげたこと」だと一蹴していた。しかし今週に入り、聖書は幼い子供が「読むには難しい」ものだと、態度を変えた。

アイヴォリー氏はフェイスブックで、「アメリカでは伝統的に、聖書は家庭で暖炉を囲みながら、家族として教えるのが最もふさわしく、そうしてこそ、最も良く理解されるものだ」と書いている。

デイヴィス学区は、聖書の内容は2022年の州法に違反しないとした上で、その中には「幼い児童には適切でない、下品もしくは暴力的な描写」が含まれる結論付けた。聖書は引き続き、高校には置かれるという。

同学区の小学校に子供を通わせているボブ・ジョンソンさんはCBSニュースの取材で、聖書の撤去には反対だと述べた。

「聖書のどの部分を削除すべきなのか。絵が描かれているわけでもないのに」と、ジョンソンさんは話した。

アメリカで学校の書棚から聖書を撤去した例は、これが初めてではない。

テキサス州のある学区は昨年、保守派が一部の書籍を禁止しようとする動きに反対する市民からの苦情を受けて、図書館の棚から聖書をてっきょした。

今年5月にも、カンザス州の児童らが、学校の図書館から聖書を撤去するよう申請した。

(英語記事 Utah schools ban Bible for 'vulgarity and violence'


モルモン教本部教会(ソルトレイクシティ)


雪と岩塩に覆われる白の都

「図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会)全文
https://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/232/Default.aspx


図書館の自由に関する宣言(大項目のみ)

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