思い出し羞恥

ふとした時に、ふと頭に浮かぶ嫌な記憶や恥ずかしい記憶。
それは1年前の出来事もあれば20年前のこともあるのだが、その時の自分はあまりに幼稚で稚拙で、思わず「あぁぁぁぁあ」と叫んで暴れたくなってしまう。
勘弁してほしい。急に現れないでほしい。心の準備ができていないのに、「よっ」てな感じで出てこないでほしい。


さっき思い出したのは、クライアントの前で協力会社さんとバチバチにやり合ってしまったこと。
かねてから、どうも相手のやり方が私の流儀とは合わないのでチクリと刺したのだが、「チクリ」のつもりが「バッサリ」いってしまっていて、相手も全力のカウンターパンチを放ってきた。
それをクライアントは、子供同士のケンカを諌めるように大人な態度で制してくれた。

…今になって思えば、クライアントさんはどれほど呆れただろうか…。
そして私はなぜあんな態度をとってしまったんだろうか…。
今思い出しても恥ずかしくて死にたくなってしまう。その場に不幸にも居合わせてしまった全ての関係者にジャンピング土下座をして回りたいが、それも相手には迷惑な話なので私は定期的に思い出して「あぁぁッッッ」と叫びたくなる十字架を背負い続けるしかないのだろう。


他にもいろいろな「思い出し羞恥」がたくさんあるのだが、抱えていても良くはならないので、こうして吐き出すことで手放そうとしている。不思議なことに、ここに書いてしまうと100%ではなくても何割かはその嫌な感じを手放すことができるのだ。嫌な記憶やグルグルと何度も反芻してしまうモヤリを、ちぎって手放すような感覚に近い。完全に忘れられる訳ではないが、100%まるまる食らうことは減ってきた。


嫌な記憶は、思い出すたびに「どうして私はこんなことを」と思うのだが、きっと世の中の多くの人も、私よりも酷い「思い出すたびに恥ずかしくて死にたくなること」を経験しているはずだ、と自分に言い聞かせることでなんとか乱れそうな呼吸を整えている。

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