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リンクトイン創業者の考える劇的な成長のために必要なコト

どのベンチャーも「●人の壁」のようなかたちで、スケールする際の痛みについて学びを必要としている中で、リンクトイン創業者のリード・ホフマンは取捨選択の中でも「捨てる」について非常に切れ味鋭く言及しています。

リンクトイン創業者のリード・ホフマンが、いつ、どこで競合が誕生するかもわからない環境下において、どうすれば生き残れるのか?の答えとして、「ブリッツスケール:劇的な成長を遂げる唯一の方法(インタビュー) DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文」の中で以下のように説いています。

圧倒的スピードで規模拡大を実現すること、なかでも組織の拡大こそが必要であり、そのためには「ブリッツスケール」が不可欠

その「ブリッツスケール」(電撃的拡大)の難しさとリスク、その見返りについて語った本論文を、自分なりにぶっ刺さった「あなたが無視できることは何か?」という部分に絞ってまとめてみました。

そもそもの規模拡大の定義について

規模拡大には三種類あります。当然ですが、通常はそのうちの二つを重視します。それは「収益の拡大」と「顧客基盤の拡大」です。もちろんこの二つがうまくいかなければ、その他のことは問題外です。ただ、この二つができていても、さらに「組織の拡大」をせずに現場で勝てる企業はほとんど存在しません。企業のサイズと業務遂行能力こそが、顧客と収益を獲得できるかどうかを決めるのです。

とホフマンは語っており、ビジネスが強いことは大前提として、それに加えて「組織の拡大」が非常に重要だということです。また、「組織の規模」を決めるのは、従業員数ではなくむしろ「その企業の性質」だと言っています。

あなたが「無視できるのは何か?」

スタートアップ企業に関して私が使う比喩表現の一つは、「まずは崖から飛び降りて、落下中に飛行機を組み立てな」です。適切な問題を適切なタイミングで解決しなければ一巻の終わり。死が迫っていることで、優先順位がはっきりと見えるのです。

スケール中には、壊れたり不具合が生じるのは避けようがないこと。修理したくても一気にすべては解決できません。また、今日起きた問題は明日には同じ状態にはない可能性が高いです。

ならば、その問題をまだ解決しないでおきましょう。放置することで組織内に不満がはびこり、社員のイライラが高まるとわかっていても、です。ブリッツスケールの最中でなければ、この種の問題は最優先で解決すべきかもしれません。しかし、ブリッツスケール中には問題を悪化するままに放置するしかない時もあるのです。
もう一度言いますが、仮に問題を解決したところで、その問題が解決された状態にあるのは、間違いなくほんのわずかな期間だけでしょう。

これは、スタートアップだけに限った話ではないように思えます。2次元の限られた数のピースをはめるだけのパズルから、3次元のルービックキューブのように1面をいじれば他の面に影響が出るパズルへ。
様々な文脈でのD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)が、解きにくい多変数の問題のように複雑に絡んでいるのは、どの企業でも身に覚えがあることなのではないでしょうか。

「じゃあどうすればいいの?」という声が聞こえてきそうですが、それに対する回答も明確です。

不満を抑えて組織を一つにまとめている本当の要因は、「自分たちは何か大きなものに成長中なので高速で変化している」という認識、「大成功する企業の当事者の一人になるのだ」という認識なのです。
私が身近に見てきたブリッツスケール中の組織は、ほぼ例外なく内部に多くの不満を抱えていました。職務と責任は曖昧、きちんと定義されたシミュレーション用のサンドボックスもなし。「ああ、まるでカオスだ。この会社はめちゃくちゃだ」。ペイパル、グーグル、イーベイ、フェイスブック、リンクトイン、そしてツイッター。みんなそうです。どの会社も空中分解せずにやってくることができた理由は一つ。目の前で起きていることへの興奮、そして素晴らしい将来像に対する興奮の気持ちです。

要は「社員のこと、興奮させられてる?」ってことのようです。(さぁーて興奮しよっ)

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