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Route88 #1 はじまり?

霊山の 釈迦の御前に めぐりきて
   よろずの罪も 消えうせにけり

第1番札所 霊山寺

徳島を走る一台の車。
運転するは筆者。向かっているのは1番札所、霊山寺ではなく3番札所、金泉寺であった。
思い出されるのは3年前。1番霊山寺と2番極楽寺を訪れた時のことである。

1番札所霊山寺山門。
山門脇に迫真のお遍路マネキンはいらっしゃる。

あの日は雨だった。
妹が生まれたことを祝し、お遍路の旅を始めてみることとなったのだ。
当然3年前で高校生なので運転は不可能。母の運転による訪問であった。
1番札所霊山寺。釈迦如来が本尊。
木造の堂々とした山門と迫真のお遍路姿マネキンが旅立ちを祝福する。

霊山寺にある庭園「明治の庭」

山門を抜けると錦鯉が悠々と泳ぐ美麗な庭。
池を渡り、本堂に到着する。本堂の天井に吊るされた多くの燈篭はなんとも言えない荘厳な雰囲気を醸し出し、旅の始まりを思わせる。
始まりの読経。久しぶりの読経に少し詰まりつつきちりと読み上げる。
本堂、大師堂の双方に参拝したのち、始まりの納経。やはり頂くたびに覚える達成感がたまらない。

さあ、改めて旅が始まる。
一通りの参拝、納経を終え、2番へと向かった。

極楽の 弥陀の浄土へ 行きたくば
       南無阿弥陀仏 口ぐせにせよ

第2番札所 極楽寺

車に乗り込み、車窓を眺める。
当時高校生の自分。何を思うたかは覚えているはずがない。しかしまさか3年後自分が運転する側になるとは思っていなかっただろう。

2番札所極楽寺。阿弥陀如来が本尊。
そのため御詠歌にも阿弥陀如来が登場している

2番札所極楽寺山門。
朱色の山門が目を惹く。
他人が写り込んでしまったため編集してある。

2番札所までの移動はさほど時間がかからない。
車だと5分あればたどり着くことができる。
沿道の県道12号からも一目瞭然の朱色の鮮やかな山門が目を惹く。
山門だけではなく、境内も美しい。
春の新緑と美しい庭のコントラストが自身を魅了する。境内には樹齢1200余の霊木「長命杉」。まるで屋久杉の如き迫力。触れることで家内安全・長寿のご利益があるということで幼い妹の安全を祈った。
本堂、大師堂へ参拝ののち、納経。

さあ3番札所に行こう、としたところで妹がぐずりだしてしまった。そのため、当時はここで区切りをつけた。

そして妹の成長を待つということとなり、3年間のブランクを空けることにした。

そして3年後。運転者は我が母から筆者自身へと受け継がれた。
2022年春。四国を股にかけての巡礼旅が再び始まろうとしていた。

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