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好い|原田マハ|読書

仕事のヒントのために民藝品への感度が高まっていた当時に出会った本。

原田マハさんの『リーチ先生』/文庫本

プロローグで「小鹿田おんた焼き」でという文字が飛び込んできました。まず小鹿田が読めない、そして小鹿田焼きなるものを知らなかった。調べてみると初めて見る模様に一瞬で惚れました。リズミカルな幾何学模様が特徴的ですがベージュと茶色の素朴さが伝わる色どりで日常に溶け込みやすい器だなと。いつか手に入れて料理を盛りつけたいな。

町ぶら途中に偶然見つけた「ご自由にお持ち帰りください」。
『リーチ先生』読んでからずっと憧れていた小鹿田焼きを無料で手に入れてしまった。

物語はバーナード・リーチさんという日本で民藝の腕を磨いたイギリス人陶芸家が大分県日田市を訪問し、小鹿田焼きをまじまじ見る場面です。

リーチは、飛び金模様の小鉢を目の高さに持ち上げ、上下左右、全方向から注意深く眺めた。そして、ふむ、と息をついた。そして一言、つぶやいた。
「好い」

P33

これ「い」と読むのか。ただ単に良いというわけではない、わたしはこれ●●が好きで良いものだと思いますとの想いがビシバシ伝わってくる。文字だからこその表現。たった2文字、されど2文字。

実はこの「好い」を知ってから「良い」と使い分けています。イメージは、普通<良い<好いでしょうか。文字で表現するときはもちろん、普段の会話でも心の奥で使い分けています。ちゃんと伝わってたらいいな。

余談ですが『リーチ先生』は浜松駅前にある無印良品の書籍コーナーでも販売されていました。あの無印も民藝品を参考にしているのかな。

心からの「好い」をさらに増やせていけたらいいなと思う日々です。

おわり。

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