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防音ボーカルブース作り覚書

自宅で大声を出せる環境が欲しかったので防音ボーカルブースを制作しました。メインの目的は録音ではなく、声出しと練習用であるため、まあまあ雑です。

1.コンセプト

・前述の通り、大声を出しても大丈夫なお部屋を作りたい → とりあえず大声出せたらいいので、換気や電源は考慮しない

・解体や処分が簡単にできて、極力ゴミを出さない設計にしたい → フレーム組み合わせの設計だな

2.設計

・2x4工法(木造枠組壁工法)という工法で、フレームを作って組み合わせていきます。こちらが実際に使った設計図を清書したものです。ちょうどサイコロの展開図のようですが、それぞれの面のフレームを制作して、順番に組み合わせていきます。

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・枠組みに遮音シートと、吸音ボード(GCボード)を貼り付けていきます。GCボードは 1820mm x 910mm の定形サイズなのですが、カットするといろいろ面倒なため、このサイズに合わせて設計しています。フレーム1〜3にはそのまま吸音ボードを立てかけ、床・天井は半分にカット、ドアフレームはフレームに合わせてカットします。

3.購入したもの

【遮音シート】

https://item.rakuten.co.jp/yamayuu/3730700/

ロール状で10m巻かれています。まじで重い(21kg)です。届いてから10分ほど持ち上げて筋トレしてました。主に高音成分を跳ね返してくれる。

【GCボード】(厚さ50mm、910mm x 1820mm 5枚入り)

https://item.rakuten.co.jp/yamayuu/3123232/

グラスウール(ガラスの繊維)の吸音ボードです。こっちはマジででっかい荷物が届きますが、そこまで重くないです。

【木材】

近所のホームセンターで45mm四方の垂木を購入。本来2x4工法は2x4というサイズの材木で行うのですが、安くて太さが十分、正方形でサイズがこんがらがらないので垂木にしました。しかし2x4の材木に比べ柔らかく(ビスは入りやすいけど剛性に欠ける)、反りが大きい難点もあります。経験上、カットに一番時間かかるので事前にホームセンターで寸法を伝えてカットしていただきました。

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注意点としては、例えば1820mmの材木から1100mmの材木をカットしてもらうとほぼ誤差はないのですが、1820mmの材木を910mm x 2本にしてもらおうとすると思っていたよりだいぶ短くなります。5〜10mm程度は削り代があると考えておきましょう。自分はそれで910mmのつもりが907mm程度の材になってしまいましたが、仕上がりに問題はありませんでした。

ドアフレーム、床に使うベニヤ板も購入、カット。全てまとめて軽トラを借りてお家まで運びました。どんなに準備万端でも絶対に後で買い足す材木がでてくると思います。!!!


【工具類】

・電動ドライバー(ホームセンターで借りた)

・ビス(65mm)

・蝶番 x 2

・スコヤ(これがあるとマジでケガキ作業が楽ちん、差し金には戻れない)

・タッカー(でっかいホッチキス)

・カッター(タッカーではない)

・キリ(下穴空ける用)

・のこぎり

・保護メガネ、ゴム手袋(グラスウール対策)


4.制作

(1)床フレームをつくる

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910mmの材木を3本と、1100mmの材木2本をビス止め 。一度ビス止めしてネジ穴を作ったら一度外して、ボンド塗ってから再び止めると強くなる。

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ベニヤ薄め(6mm)にしたら見事にたわんだのであとで補強入れました。最終的に吸音ボードとベニヤ板を重ねたら全然だいじょうぶになりました。最初から10mm以上の厚さにしておくと良いと思います!

(2)各種フレームをつくる

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同じ要領で壁フレームをつくる。特にドアフレームとかはお好きな枠組みでつくるといいですね。うちは入り口狭かったのでドアも小さめ設計です。

(3)床の上に各フレームを立てて止めていく

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フレームそれぞれは決して強くないのですが(曲げようと思えば曲げれる)、床にビスで固定し、各フレームを固定することで強くなっていきます。本来はここにベニヤ板を打ち付けると更に強くなるのですが、解体時の処理のことを考え、今回は無しにしました。

(4)遮音シートをタッカーで打ち付ける

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一気に工事現場感が出てきました。それぞれのフレームに遮音シートをタッカーで打ち付けていきます。遮音シートがカットした状態でも4kgくらいあるので2人でやると楽ですね。ブルーシートは雨漏り対策なので無くても大丈夫です。

(5)吸音ボードを設置する

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ちょうどのサイズで設計したので、吸音ボードはぴったりはまります。ぴったりはまるので、ビスや両面テープがなくても固定されています。処理するときに、原寸でダメージがなければ書い手・貰い手がいるはずなので。カットしてあったり、折れ曲がっていたりするとごみ(産業廃棄物)になってしまいそう。

天井と床は実寸に合わせて80cm程度にカット。ドア部分も実寸に合わせてカット。本当はドア部分もカットしたくなかったんですが、入り口が狭かったのが誤算でした。

(6)ドアを取り付ける

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ドアも本来フレームでつくるのですが、ベニヤ板1枚に吸音ボードをビス打ちしてあります。だんだん適当になってきました。

5.完成・時間と費用

お察しの通り、換気設備がありません。5分くらい声出ししたら換気しよう。あと使わないときも開け放っておこう。電源は使わない設定なのでコード穴なども開けていません。

総制作日数は3日間、時間にして10時間くらいだったと思います。費用は防音材が28,000円、木材・工具類が17,000円ほど。トータルで45,000円くらい。だんぼっちを下回るのが目標だったのでなんとかクリアです。

いやまさか自分がボーカルブースを作る日が来ようとは・・・!


6.参考文献

防音室作ってた系のブログはほぼほぼ目を通させていただきました。ありがとうございました!

自宅に防音室をできるだけ安くカンタンに自作してみよう【賃貸でもOK】 - SAKUMAMATATA

【DIY】賃貸で自作防音室(ボーカルブース)を作りました①導入編 | ねこもちブログ

防音室を作りたい方のためにうちの防音室のスペックとか費用とか設計図とか道具とか色々書いてみます – こおろぎさんち

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