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超強力カード、《名もなき都市の歩哨》を語る。

 皆さんこんにちは!
 【イクサラン:失われし洞窟】は、かなり衝撃的なエキスパンションでしたね。
 スタンダードはもちろん、パイオニアにおいても類を見ないほどに激変が見られました。
 象のプレインズウォーカー《クイントリウス・カンド》でコピーする呪文を発見で探し、更にコピーの能力で新たなるコピーカードを唱えて連鎖させる象さんを増産する【ゾウサンコンボ】。
 《地質鑑定士》から発見で《異界の進化》を探し、更なる上級クリーチャーを連鎖させる【鑑定発見】。
 《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》と《野茂み歩き》でループさせる【無限探検】。
 必殺ムーブを有するデッキだけでもこれだけあり、更に大幅な強化を受けた【マーフォーク】などもあり、メタゲームの激変は今までの比ではないといって良いでしょう!

 更にモダンの【アミュレットタイタン】で実績を上げている《洞窟探検》、
 多くの白系アグロで存在感を見せつける《内なる空の管理人》、
 統率者でアーティファクトを叩く《不屈の解体者》、
 青の疑似除去クリーチャーとして《ティシャーナの潮縛り》に《帆凧の窃盗犯》、
 パウパーで活躍間違いなしのサクリファイスパーツ、《熱狂的な献上》に《税血の刃》などなどなど……。

 多くのカードが話題となっていますが、今回、埋もれてしまっている1枚が今回の主人公となります。
 その名も《名もなき都市の歩哨》!

英語名が『センチネル・オブ・ザ・ネームレスシティ』なので、
《名もなき“都市の歩哨”》(とある都市を守っている、名を持たない戦士)ではなく、
《“名もなき都市”の歩哨》(名がない都市を守っている戦士)みたい。

 このカードはパイオニアにおける緑の《鏡割りの寓話》だと思っています。
 《鏡割りの寓話》といえばパイオニアでも屈指の強力カード。
 普段のエキスパンションなら、かなり話題になっていそうなカードなんですが、今回はその紹介をしていきたいと思います。


・『何がそんなに強いの?』


・『デカァアアイ! けど説明がいるくらいのサイズ!』


 まず、3マナ3/4という基本スタッツ。
 パイオニアの3マナといえば、5/4でパワー2以下にブロックされないエルフとか、
 7/6のゾンビ恐竜やらゴロゴロとバケモノたちがいるので、サイズだけで評価されるスタッツというわけではない。
 しかしながら《火山の悪意》や《削剥》といったお馴染み3点火力を弾くのはもちろん、2マナ域でよくみられる《税血の収穫者》や《苔森の戦慄騎士》、《しつこい負け犬》も立ち止まらせることが可能。
 ラクドス系でよく見られる同マナ域である《墓所の侵入者》も裏返らなければシャットアウト。
 グルールアグロの《狩人の贖罪》のビーストトークン、《無謀な嵐探し》、《ヴォルダーレンの興奮探し》なども跳ね返せます。
 《無謀な奇襲隊》で強化されたクリーチャーを相手にする場合もタフネス4はボーダーとなるなどなど。

 逆に対応できないのは、同マナ域だと緑単信心の擁する《老樹林のトロール》、《ポルクラノスの再誕》。
 グルールアグロの《恋煩いの野獣》、ゴルガリ系の《グリッサ・サンスレイヤー》くらいです。

一見すると相打ちだが、
後述の《地図トークン》でサイズを上げることができれば単独で抑え込める。



・『警戒! 殴ってもタップしてねえ!』

 更にこのスタッツで警戒を持つことでライフレース上、かなりのプレッシャーを掛けます。
 例えば、仮に戦闘最強生物こと《グリッサ・サンスレイヤー》でも《墓所の侵入者》と互いにノーガードで殴り合うと不利です。
 しかしながら、このカードは『とりあえず殴る』が成立します。
 これはボロス召集やボロスヒロイックのような攻撃的なデッキ相手にライフレースをするときに小さくない優位性があります。
 構築戦においては地味な能力ではありますが、このカードのスタッツがあれば絆魂に近い働きが可能です。

攻撃してもタップしないため、除去耐性にもなるなど対コントロールでも意外と無駄にならない。



・『造れ! 地図トークン!』

 基本的にETBで探検をする能力と、ETBで《地図トークン》を生成する能力なら前者の方が優れています。

 どちらも同じ3マナ域の飛行コモンですが、前者は直接探検ができるためテンポで優れるため、素のパワーが低くても同程度のクリーチャーといえます。
 後者は起動マナを払わないといけないし、《地図トークン》が対象としたクリーチャーが除去されるとフィズって探検も失敗します。
 しかしながら、固有のメリットとして別個のパーマネントとして生成されるため、本体が除去をされても残ったりします。
 基本的に相手がマナを構えている=クリーチャーを出していないということは、とりあえずそのまま殴りましょう。
 2個目の《地図トークン》を生成してから1個目を使うようにすれば、除去を撃たれてもリカバリーが効きます。
 この辺りも、本体が何もしなくても単独突破が狙えるサイズなのが効きますね。

 更にパイオニアでは3マナのフィニッシャーが少ないため、ミッドレンジ系のデッキでは4~5枚目の土地は探す必要がありますし、カウンターだとしても無駄にはなりません。
 最もポイントとなるのは《地図トークン》はパーマネントであること。
 今まで緑ではやりにくかった紛争を自発的に達成することができます。

ラクドスカラーでは《税血》や《鏡割り》で簡単に達成できるが、ゴルガリでは困難だった。
そういう意味でもパイオニアで革新的な一枚といえる!

 

・『《鏡割りの寓話》は言いすぎじゃない?』

 ・《鏡割りの寓話》はシングルシンボル。3マナ。
 ・《ゴブリン・シャーマン》を作り、1枚が2枚になる。
 ・《致命的な一押し》の紛争を簡単に達成。
 ・4枚目の土地を探しに行くこともできます。
 ・打点としてもパワー2が2体で4点クロックに匹敵します。

 そして、《歩哨》。
 ・《歩哨》はシングルシンボル。3マナ。
 ・《地図トークン》を作り、1枚が2枚に。
 ・《致命的な一押し》の紛争を簡単に達成。
 ・4枚目の土地を探しに行くこともできます。
 ・単独打点としてもパワー3が強化され4点クロックに匹敵します。

 はい! どう見ても《鏡割りの寓話》ですね!
 反論は受け付けない。受け付ける人間がこんな文章を書くわけがない。

 しかも!
 《歩哨》は出したときに3/4警戒として着地し、打撃戦においては確実に《寓話》を凌駕しています。
 実際、《寓話》は高速アグロ相手のときは数枚サイドアウトしたり、《ゴブリン・シャーマン》を不本意なブロッカーにせざるを得ない場面もしばしば。
 しかしながら、このカードは陸戦の軽量アグロ相手でサイドアウトすることは中々ないでしょう。
 爆発力・総合力で言えば、確かに《寓話》とは言い過ぎかもしれません。
 しかしながら、単純なビート能力で言えば《寓話》すら確実に上回っています。
 《鏡割りの寓話》は3ターン目に着地しても、コピー能力が使えるのは6ターン目。
 (4ターン目に2章、5ターン目に3章、6ターン目に召喚酔いが解ける)
 3ターン目に着地した《歩哨》は、除去さえされなければ《地図トークン》を起動しなくても3×3で9点のダメージを与えます
 《地図》が全部プライチカウンターなら4+5+6=15点のダメージを叩き出します。
 ……あれ、これ、コピーしなくてもゲームに勝ってね?

 《鏡割りの寓話》は中・長期戦において真価を発揮する強力カード。
 対して《歩哨》は、短・中期のビート戦において無類の強さを発揮します。
 
 もちろん、土地が足りないときはなんとかなるけど、《歩哨》はマナフラを受けられない。
 (《寓話》は二章のルーティングでマナフラッドも防げる)
 裏返った《キキジキの鏡像》ほどの爆発力やコンボ性能は確かにない。

 しかし。
 だがしかし。
 そもそも。

 《鏡割りの寓話》と比較できるレベルのカードって段階で強力カードなんじゃねぇか?
 確かにどのデッキにも入るカードではありません。
 緑絡みのビート系デッキの中堅カードとして、このカードから目を離さないようにお願いします!

 ちなみに、筆者こと84gは、さっそくこのカードを使用したデッキでMTGアリーナでミシックランク入りしました。

 
 まー、ミシックランクといってもピンキリだし、入るだけならそこまで難しいわけでもない。
 とはいえ、オリジナルデッキで、プレイング面で優れているというわけでもない僕が勝率5割を超えることができた。
 これはカードの性能のひとつの目安になるのではないでしょうか。

 筆者のライフワークでもある《巻きつき蛇》とも相性が良いカウンター能力。
 更に一気に強化されたマーフォーク部族でもあり、攻撃するたびにアーティファクトを生成するため、茶単系のデッキでも検討できるように思います。
 堅実なスタッツ、汎用性の高いリソース補充能力、シナジーも強い。
 一般的に“センチネル”とは、統率者やモダンで大活躍の《エスパーの歩哨》のことを指します。

統率者で1ターン目に置くと、他の3人から石を投げられるレベルの強カード。

 統率者では《エスパーの歩哨》にはさすがに勝てないと思いますが、
 1対1のビートダウンデッキとしてなら、《名もなき都市の歩哨》も上回っている部分もあると思います。
 将来的にセンチネルとだけ言ったとき、『白の方? 緑の方?』と聞かれる強いカードになれる可能性があると考えています。
 《名もなき都市の歩哨》の名前だけでも憶えて帰ってね!
 名前がないのは都市で、このカードの名前は《名もなき都市の歩哨》だよ!


当記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。
画像はMTG日本公式より引用しています。
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