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『パイオニアEDH』“必殺技”を持つ統率者たち

 皆さんこんにちは。
 パイオニアも統率者も大好き、84gです。
 そのふたつを組み合わせたようなフォーマット、パイオニアEDHというのがあります。
 カジュアルフォーマットのひとつで、パイオニア範囲のカードだけで行う統率者戦。
 再録禁止カードや汎用高額カードなどが入らず、「どんなカードも1枚だけなので安価で済む」という統率者でよく聞かれるフレーズを口籠らずにいえるバランスのいいフォーマットといえますね。
 《宝石の睡蓮》や《魔力の墓所》とか《一つの指輪》とか未だに買ってないプレイヤーが私です。

 とはいえ。
 筆者も構築こそしているのですが、中々遊ぶ機会がない。
 筆者は仙台を拠点として友達とフリプしたり、大会に出たりしてるカジュアルプレイヤーです。
 仙台は関東・関西に比べると田舎ですが、通常の統率者や公式フォーマットならば対戦相手に困らない程度にはプレイヤーがおり、だいたい週一くらいの頻度で10人前後でフリープレイしているくらいのグループに所属しています。
 ですが、まあ、それでもパイオニアEDHは立たない。


 というわけで、今回はパイオニアEDH布教のためのテキストとなります。
 僕なりに浸透していない理由を考えた結果として、その一因として「組み方がわからない」人が多そうだと感じています。

 通常のEDHだと、デモコンタッサに煙霧魔技、《むかつき》、無限キキジキ、《自然の秩序》からの《孔蹄のビヒモス》などなどの『勝ち筋』があります。
 パイオニアEDHにおいては上記のカードは使えませんし、お馴染みの勝ち方はできないわけです。

 というわけで、今回は必殺コンボを思いついただけ全部書こうと思ったんですが、
 量があまりに膨大だったため、今回は『統率者を選ぶ決め手になりうる必殺コンボ』を厳選してお送りします。
 極端な話、都合よく10枚くらい引けば、そりゃ勝つだろって話ですので、4枚以内くらいでコンボに統率者を含むものに絞り、解説していこうと思います。
 ただし、《アリーシャ》&《残虐な達人》のような「一人を倒すだけ」のコンボは割愛します。
 EDHは三人を倒すゲームですし、それを書き出してしまうと40打点叩き出せるコンボ、ひとりLOさせるコンボを全部書かないといけなくなり、本当に収集が付かなくなりますので、ご容赦を。
 また、今回は構築の参考になればという理由で必殺コンボ搭載が可能な統率者を列挙していますが、
 もちろん統率者が絡まない必殺コンボも多く、更に必殺コンボがなくても別の角度から強力な統率者は無数にいます。


 ……。
 え、もくじ、長くない……?


《歩行バリスタ》&《太陽冠のヘリオッド》


 やはり代表格はこれでしょう。
 「クリーチャーに絆魂を付け、ライフを回復するとどこかにカウンターを乗せる」《ヘリオッド》。
 「カウンターを射出してダメージを与える」《歩行バリスタ》。
 《ヘリオッド》が《バリスタ》に絆魂を付け、ダメージを与えるとライフを回復する。
 回復したので《ヘリオッド》の効果で《バリスタ》にカウンターが乗り、それを射出することでダメージを与えて回復し……無限ループ。
 プロテクションや軽減を持たない相手には必殺となります。
 パイオニアでも禁止されている強力コンボですが、パイオニアEDHでは使えます。
 《巻きつき蛇》ファンの筆者的には《歩行バリスタ》返して欲しい……。
 《ヘリオッド》を統率者領域に置けるので、実質1枚コンボ。
 通常の統率者でも知名度が高く、統率者として《ヘリオッド》を公開した段階でこのコンボを警戒されるレベル。

《蝗の神》&《滝の賢者》

 カードを1枚引くと《蝗の神》が誘発し、昆虫トークンが生成。
 それに反応して《賢者》がルーティングを行い、トークンを生成し、またルーティング、でループ。
 上記のヘリオッドバリスタに比べて、どちらを先に出しても良いし、能力起動を挟まない点が優れていますね。
 パイオニアでも《不屈の独創力》で2枚揃えて勝つ際に見られますね。
 昆虫トークンが速攻を持っているので即殺となりますが、欠点は「ルーティングをしている」という点。
 デッキが百枚を全部引き切っても100体しかトークンが出ず、40×3人を倒すには足りません。
 ので、実際は厄介そうなひとりを先に攻撃したり、全体強化などのカードを引くまでルーティングするなどで対応しましょう。
 基本的には《蝗の神》を出してから《滝の賢者》を出すと思われるので、追加土地セットを含めて2マナは使えるはず。
 (前のターンに6マナの神を出してから5マナで賢者を置いているので)

 2マナがあるなら並んだトークンを超過で全体修整掛けると120点まで足りるはず。
 《滝の賢者》でデッキを全て引き切れるので探すことは可能です。


《練達の魔術師、ナル・メハ》&《バラルの巧技》


 出たときにスペルをコピーできます。
 このままだと一回だけなので、再利用します。

 《ナル・メハ》で《巧技》をコピーし、コピーの方が《ナル・メハ》をバウンス、
 効果で《ナル・メハ》を出し直し、まだスタックに残っている《巧技》本体をコピーし、無限キャスト。
 《風への放流》でも同じような動きをします。
 

 同じ要領で《ナル・メハ》で《天啓》コピー、《天啓》コピーが《ナル・メハ》コピー、コピーを作り、コピーが……以下略。
 他プレイヤーがフルタップしていれば引かせる効果でライブラリーアウトで勝てます。


 同じ要領で無限ブリンク。
 他にもう一体ブリンクできるので、そちらのETBが無限です。

 コレだけだと勝てないのでこういうの使います。

 無限切削でドーン。
 実質3枚コンボ。他にも唱える度にの誘発とかは全部無限まで行ける。
 《ナル・メハ》自身を統率者にする場合は、残り2枚を集めればリーサルとなる。
 ただし、《ナル・メハ》を唱えるなりブリンクしなければいけないのでマナ加速は多めに。
 統率者としては《反復の学部長、ナバン》や《巧妙な工作員、アリーラ》、《風の憤怒、カイカ》を指定しても面白いですね。


《路上芸術家、エラント》&《劇的な逆転》


 なんらかのカードで《劇的な逆転》を唱えずにプレイ、つまりコピーします。
 その状態でマナファクトなどから出したマナで《エラント》でコピーをコピーすると、コピーの《逆転》の効果で《エラント》自身とマナファクトがアンタップし、再びコピーが可能になる。
 《エラント》の能力起動のために土地以外のアーティファクトなどから2マナ出るようにする必要があり、3マナ以上出るなら無限マナ。
 感覚的には《ナル・メハ》コンボに近いが、あちらより始動に掛かるマナが少ないものの、こちらは『何かで元になる呪文をコピーする』という手間が必要になる。
 また、《発展の暴君、ジン=ギタクシアス》や《永遠神ケフネト》などの「コピーして唱える」と記されているものは併用できない。唱えちゃってるからね。
 併用しても面白いかもしれないすね。

《アーチリッチ、アサーラック》&《ガイアの眼、グウェナ》

 《アサーラック》を唱える度にパワーが5以上なので《グウェナ》がアンタップし、ダンジョンを探索して手札に戻る。
 《グウェナ》からは2マナ出るので、もう1マナをなんとかすると何度でも無限にダンジョン探索が可能となる。
 なので《魂を喰らう墓》はクリアしないようにしつつ、他のダンジョンを往復することで《グウェナ》は無限パワーとなります。
 このもう1マナは、《バントゥの碑》や《伝説の秘宝》を用いることが多いですが、この辺りはググっていただいて、深く研究している方の記事を参照なさると良いでしょう。
 問題は、この2枚は固有色の問題からふたりとも統率者に指定できないこと。
 2枚を投入でき、かつ『1マナをなんとかする』ことができる緑黒を含むカードを統率者に指定すると良いでしょう。
 

 この2枚なら固有色をクリアしつつ《アサーラック》のマナを軽減できますので前述の2体を揃えればルートに入ります。


《怒りの神、トラルフ》&《絶滅の星》


 全体に20点をばらまき、その余剰分のダメージをプレイヤーに含む任意対象に与える。
 エニーターゲットなので、そのクリーチャーのプレイヤー以外にも投げられるので、あとは40点のライフ×3人分、120点なので3人合わせて6~8体くらいクリーチャーがいれば倒せるので、十分必殺です。
 統率者が《トラルフ》なら1枚コンボで、だいたい勝ちます。
 存在が必殺なので、相手の展開の出し渋りも期待できますね。
 色やイメージと反して、政治力も試される統率者かもしれませんね。

《ガルタとマーブレン》&《止められぬ巨大戦車、グラーツ》&《最深の基盤、オヘル・タク》


 最新弾より。
 《グラーツ》によって全体が7/5になった状態で《ガル&マー》の効果で1/1の吸血鬼が7体出る効果を《オヘル・タク》が3倍にし、21体生成。
 それらが全員7/5になる。21×7=147。120点を削るゲームなので勝利。
 ただし、吸血鬼は攻撃状態で出ないため、このターンでは決めきることができない。
 重量級カードが揃っていることもあり、かなり盤面に揃えるのは無理がある。
 しかしながら、キマりさえすれば一撃必殺は間違いない。
 恐竜戦車で(パワーが)セブン!セブン!セブン!ファイターセブン!って叫びながら勝ちたい人向け。
 (何人に通じるんだ? このネタ?)
 ちなみに、統率者を《宴の結節点、ジェトミア》にしても似たような挙動が可能。


《碑出告と開璃》&《渦巻く空、開璃》&《憑依の航海》

 墓地に青単の《開璃》があり、《憑依の航海》がデッキの1番上にある状態で、他にインスタントタイミングで使えるサクリ台がある状態で勝利。
 まず、《ヒデ&カイ》をサクリ台で生け贄にし、効果でデッキトップの《航海》をプレイ。
 ドラゴンを指定。墓地から《ヒデ&カイ》と《開璃》が復活。
 《ヒデ&カイ》のETBにスタックして《開璃》をサクリファイスし、先に処理。
 デッキから6枚切削し、《憑依の航海》を手札に戻す。
 その状態から《ヒデ&カイ》の《渦巻く知識》能力でデッキトップに《憑依の航海》を戻し、再び《ヒデ&カイ》をサクリファイスして最初に戻る。
 一回ごとに7枚ずつデッキが減るので、ダメージ効果での勝利は厳しいので、デッキ枚数が良いところで《開璃》で切削した中にあるはずの《タッサの神託者》をリアニメイトして勝利しよう。

 そのときに《デミリッチ》もあると、ウィザード宣言で一緒にリアニメイトでき、信心が稼げる。
 ただし、1回ごとに7枚ずつデッキが減っていく(6枚切削&《ヒデ&カイ》の《渦巻く知識》効果)。
 そのため、デッキの下の方に《神託者》がある場合、《ヒデ&カイ》の効果でドローできずに死ぬ場合がある。
 …………頑張れ☆


《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス》&《完全なる統一》

 どこかに1点のダメージを与えたとき、《オブ》自身にカウンターが乗る。
 カウンターが乗ったことで《統一》がどこかに1点ダメージを与え、それに《オブ》が誘発し……
 スタンダードでも共存するロマンコンボですが、統率者では《オブ》を統率者領域に置けるため、1点ダメージを与えるカードと合わせて必殺となる。
 《オブ》自身がリソース拡充能力の高いカードであるため、他の勝ち手段と併用しても良いですね。

《暴動の長、ラクドス》&《祖先の像》


 《オブ》に続き、ラクドスカラーのデーモン。
 ラクドスカラーという名称の大本、ラクドス教団のパルン、ラクドスの中のラクドス、《ラクドス》様です。
 ……なんて?
 はい、《ラクドス》様は相手が失った分だけ自分のカードを軽減する。
 これで4点以上のダメージを与えれば《像》をゼロマナでキャストが可能。
 《祖先の像》は自身の効果で手札に戻ることが可能。
 無限に《祖先の像》を出し入れすることが可能。

 

 こういうカードが有れば出し入れするたびに2点飛び、勝利。
 ちなみに《パーフォロス》自身も軽減の対象なので、手札に揃っていれば《ラクドス》キャストしたターンに走り切ることも可能。
 《ラクドス》本人を統率者に指定することで、3枚コンボだが2枚揃えれば勝利となる。

《語りの神、ビルギ》&《にやにや笑いのイグナス》


 

 《イグナス》は自力でマナを出しながら手札に戻ることができる。
 本来は唱えるたびに赤マナが減るものの、それを《ビルギ》が補うため、無限に出し入れできる。

 プチ《パーフォロス》。
 《ラクドス》様のコンボでも用いられたが、こちらは《パーフォロス》を統率者領域に置いてもいい。
 固有色に黒を含まないため、構造がシンプルで応用が利く。

 ちなみに《ビルギ》の代わりとして《蒸気族》でも可能。
 一番替えが効かないパーツである《イグナス》だけが伝説ではないので統率者領域に置けないのがネック。
 こちらもラクドスコンボと同じく3枚で、統率者領域に置けるので他の3枚コンボより安定する。


《苦悶の占い師、クェザ》&《リッチの熟達》


 《クェザ》は1枚引くたびに1点回復し、《熟達》で回復した分で1枚引く。
 2枚がお互いに引く→回復→引く→回復、のループとなり、デッキが40枚以上あれば三人全員のライフを焼き切れる。
 各対戦相手と誤読していたため誤記です。このままだと焼き切れません。
 40枚だと一人しか倒せません。

 仮に焼き切れなくても《熟達》の効果でゲームに敗北しなくなるため、デッキ全部を手元に持った状態でゲームができる。
 青には手札上限をなくするカードも多いので、さすがに勝てる。

 《黙示録、シェオルドレッド》でも同じコンボが可能。
 しかし高額だし、自分がドローしてもダメージが飛ばないので即殺ができない。
 《クェザ》なら固有色も増える上安価なので、このコンボのみに限定すれば《シェオル》よりオススメです。


《ラト=ナムの創立者、ドラフナ》&《ウギンのきずな》


 10マナを出せる状態なら無限ターンが入る必殺コンボ。
 《きずな》を唱えて《ドラフナ》で《きずな》をコピー、伝説なのでコピー側が墓地に行くのを置換して追放し、追加ターンを得る。
 このままだと残っているオリジナルの《きずな》が追加ターンを無効にしてしまうので、《ドラフナ》のバウンス能力でオリジナルを手札に戻す。
 こうすることで追加ターンのみを得ることが可能。
 次のターンで5マナで《きずな》を唱え、3マナタップでコピー、2マナでオリジナルをバウンス。
 これを繰り返し、無限ターンを得てあとは煮るなり焼くなり。

 コンボとしては《ドラフナ》を統率者領域に置き、なんとか10マナまで伸ばし、《きずな》を引くことができれば無限ターンとなります。
 宝物などの一時的なマナ加速はカウントできないため、パワーストーントークンなどを使えると良いですね。
 

《侵攻の伝令、ローナ》&《モックス・アンバー》&《撤回のらせん》

 《らせん》の効果で《ローナ》に「タップするとバウンスする」能力を付与。
 《モックス》をキャストしマナを出し、《ローナ》のらせん効果で《モックス》を手札に戻し、《モックス》を再度キャストすると、《ローナ》が自身の効果でアンタップ。
 青無限マナまで入るので、《歩行バリスタ》や《群の祭壇》などがあれば勝利。
 パイオニアにおいては強力なデッキですが、コンボルートとして統率者の他に3枚必要なので、他のコンボに比べるとやや勝ちにくさが目立ちます。
 パイオニアにおいて強力であることと、パイオニアEDHにおいて強力なことは統率者領域への配置やハイランダーであることなど、多くの要素が干渉する例ですね。
 


《育殻組のヴォレル》&《市長の笏》


 蓄積カウンターが3つ以上乗っている《市長の笏》を用意。
 《ヴォレル》でカウンターを倍にして6個にし、《笏》の能力で追加ターンを得る。
 追加ターンでも《ヴォレル》で倍にして6個にしてから《笏》で追加ターンを……無限ターンとなる。
 

 ちなみに、他にカウンターを毎ターン3つ置ける手段と《時の賢者》があれば、こちらでも無限ターンとなる。
 どちらも必須パーツ自体は多くないのだが、そこにカウンターをチャージするまでに隙が大きく、やや上級者向け。
 《ヴォレル》でビートダウンプランも併用できるだろうし、増殖などを駆使して手厚く戦っていきたい。
 今回の紹介コンボの中では「そもそもどうやってカウンターを乗せるか」という点で課題と問題が多く、そこも腕の見せ所ですね。

《樹の神、エシカ》


 実質1枚コンボです。
 プレイ自体は簡単で、とにかく《虹色の橋》をキャストし続けます。
 キャストした状態でターンが帰ってくると勝利です。
 
デッキに他にクリーチャー・PWを入れない状態で能力が誘発。
 

 これが出ます。
 デッキ内は数枚の呪文以外は全て土地なので全てプレイします。
 基本的にこのデッキは毎ターン土地をプレイし続けるだけなので手札は7枚あるはず。
 なので、7枚までなら土地以外のカードを引いたとしても、他の土地をプレイすればドローを繋げることができる。
 そしてデッキ内の土地を吐ききったところで、手札から呪文をプレイ。
 

 効果で出した土地はタップインですが、《エシカ》を置いた土地があるはずなので、そこから5マナを出して《耕作する巨躯》のパワー=デッキに入っている土地枚数のダメージを相手全員に与えて勝利です。
 《虹色の橋》を見てターンを返したら負けだと思え。


《祖神の使徒、テシャール》&《遺跡の回収者》

 まず、ゼロマナでプレイでき、即座に墓地に行くことができる歴史的カードを用意してください。
 難しい書き方ですが、要するに。

こういうのとか。
こういうのとか。
こういうのとか。

 Xクリーチャーはゼロマナでキャストするとタフネスがゼロなので状況起因処理で墓地へ。
 まず、ゼロマナ呪文をキャスト。《テシャール》の効果で《遺跡の回収者》が蘇生。
 ゼロマナカードが墓地へ。墓地に落ちたカードを《回収者》を生け贄に手札に回収し、再びゼロマナでキャスト。無限キャストまで。
 《群の祭壇》などがあればそのまま勝利です。
 基本構造がニヤニヤビルギと同じような形ですが、枚数が多め。
 こちらは《回収者》が墓地からスタートしても良く、ゼロマナスペルがそこそこ枚数があり、かつ単独で戦力になるカードが多いのがポイントですね。
 ちなみに《天使の拳、トーレンズ》を統率者に指定していると無限トークンまで。

《野生の魂、アシャヤ》&《希望守り》


 《アシャヤ》によって全てのクリーチャーが森となり、《希望守り》自身も森となる。
 そのため、1マナ+督励タップで自身ともうひとつの土地をアンタップできる。
 これがただ緑マナが出るだけの土を起こすと差し引きゼロだが、そこから緑2以上が出るなら無限マナ。
 他のマナクリーチャーも土地になっているので、複数マナが出るマナクリ、あるいは普通に複数マナが出る土地などでOK。

こういうのとか。
こういうのとか。

 そこから無限マナの次ぎこみ先があれば、そのまま勝ち。
 《歩行バリスタ》とか。
 《アシャヤ》を統率者に指定すれば、
 1:無限マナの吐き先
 2:複数マナの出るカード
 3:《希望守り》
 で勝利となる。
 他にも《アシャヤ》の無限ルートは多いのだが、パイオニア範囲だと恐らくこれが一番シンプルな形であるように思う。
 枚数が4枚と他のコンボに比べて多めだが、1・2が複数枚存在することもあり、やや揃えやすい。

《妖艶な泥棒、コルメラ》&《双つ身の炎》


 かなりコンボルートが多彩な統率者。
 色々書いてあるが、『速攻』『1マナをフィルターして3マナ出せる』『死ぬと墓地からスペル回収』。
 要約すると、『2マナ以内でインスタント・ソーサリーでコピーできてマナを用意できればレジェンドルールで墓地に落として、そのインソーを回収して無限』ってこと。
 注意点は『自身の起動型能力のマナは他の何かで補わないといけない』ということ。
 《コルメラ》の能力は起動型能力で有って、インスタント・ソーサリーではないため。
 単に《コルメラ》を《双つ身》でコピーするだけなら赤+1でいいので、青か黒のどちらかは残せるぞ。
 なので、《双つ身の炎》だけだとコピーして墓地に落とすまでは行けるものの、あと1マナ出さないといけない。
 ので。

宝物でマナを担える。
このとき、奮励で《嵐窯》も増やせているなら1回唱えるごとに宝物が増える。
マナが増えたところで奮励の数を増やし、速攻と無限パワーを持つ《嵐窯》が総攻撃をかけて勝利。
ループに入った状態でダメージ効果で勝利できる。
シンプルにループに入れる。
死亡誘発なので自然と《コルメラ》とコンボになるのが強い。
《コルメラ》自身が《ならず者》なのでETBで2マナまで確定。
奮励込み5マナが必要で《コルメラ》が1マナを3マナにするので、他にクレリックか戦士か多相が1体あればループに入り、このカードの無限トークンが殴って勝利。
最初から奮励で入って両方をコピーして伝説ルールで殺せば宝物が3つ出てループに入る。
これだけだと宝物3つでグルグルするだけなので、《無慈悲な略奪者》辺りがあると無限マナ。
無限マナに入ってから無限衝動ドローで勝利まで。


 《ビルギ》でもループにはなるが、伝説なので奮励で横並びにはできない。
 複雑なのでどれを選ぶかでかなり特徴的なムーブ。
 3枚で入る場合、初動から奮励しないと入らない形など、かなり違いがあり、手に馴染みだしてからが愛機だぞ。

 

《ベナリアの希望、ダニサ》&《不死の贈り物》

 お互いがお互いを蘇生し、無限生け贄が可能となる。
 パイオニアでは固有色に白が入るサクリ台があまりないので、中々厳しい。
 新規登場の《バルトロメ・デル・プレシディオ》を統率者に置いていた場合、無限パワーまで。
 


《練達の変身術士、ジャリラ》&《モックス・アンバー》&《伏魔殿のピュクシス》


 デッキ構築段階で、デッキにはクリーチャーは《船砕きの怪物》のみを投入。

 トークンや相手から奪ったクリーチャーを生け贄にして《ジャリラ》を起動。
 デッキから《船砕きの怪物》を着地させ、《モックス・アンバー》を手札からプレイ、青マナを出す。
 そのマナから《伏魔殿のピュクシス》をプレイ、《船砕き》の効果で《アンバー》を手札に戻す。
 《ピュクシス》で各プレイヤーのライブラリーを1枚追放。
 手札に戻した《アンバー》を唱え、《船砕き》効果で《ピュクシス》を手札に戻し、1マナを出して……以下ループ。
 全員のライブラリーがない状態でドローが入り、ターン順で他プレイヤーがLO死して勝利。
 《ピュクシス》の代わりに《トーモッドの墓所》のようなゼロマナの呪文を唱えると無限マナ。
 統率者が《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》だった場合、《船砕き》を探すパーツは別途必要になるが、無限ドローまで入る。


《戦闘の祝賀者》

 伝説のクリーチャーじゃないじゃん、とお思いかと思います。
 確かにそうですが、このカード、やたらに無限ルートが成立する統率者が多いんです。
 まず、パイオニア範囲外だと《鏡割りのキキジキ》ですね。
 コピートークンを出しながら《キキジキ》本人をアンタップするので無限コンバットです。
 あくまで1体ごとに1回までしか督励できないだけなので、コピーは別のオブジェクトなので、次々に督励し、それぞれに殴り掛かれます。
 パイオニアリーガルだと《鏡割りの寓話》だと《ゴブリン・シャーマン》が殴れているなら無限です。
 (裏返った《キキジキの鏡像》のコストを宝物トークンで補える)

 で。
 他にもできるカードがいっぱいあるんですが筆者の知る限り、統率者との2枚コンボで成立する統率者はありません。

with《暴走魔導士、デリーナ》

 パッと見、2枚コンボとして無限コンバットっぽいんですが、トークン精製のタイミングからできません。
 まず、同時に攻撃。
 最初に常在型能力である《祝賀者》を督励することを選択し、その段階で効果の解決が入ってしまい、アンタップ効果が適応され、《デリーナ》と《祝賀者》がアンタップします。
 その後、《祝賀者》のコピーをデリーナが生成するものの、コピーはタップしており、かつ速攻がありません。
 ので、追加コンバットにて殴ることができませんので、これだけだと無限コンバットは入れません。
 これでルートに入るには、コピーをアンタップして速攻を付与しなければならず、僕が検討したところ、固有色が赤のみではかなり厳しかったです。
 

with《王国の未亡人、アヤーラ》(炉の女王、アヤーラ)


表面は今回使わないので読み飛ばしてください。

 サクリ台と変身した《女王、アヤーラ》があれば無限コンバットです。
 攻撃し追加コンバットを得た後、戦闘終了ステップで優先権を得たタイミングで《祝賀者》を生け贄にし、追加戦闘開始時に《祝賀者》を《アヤーラ》が蘇生。
 それは墓地を経由して別のオブジェクトなので、もう一度督励が可能。
 攻撃後にまたサクリファイスし……無限ループへ。
 この女王、旦那を何回殺して未亡人になる気なんだ……?

with《トラブルメーカー、ジャクシス》

 殴るときにマナを出せるカード(《ゴブリン・シャーマン》や《風雲船長、ラネリー》など)と、サクり台があれば無限コンバットです。
 《ジャクシス》で《祝賀者》をコピー、全員でアタック、全員がアンタップ。《ラネリー》で宝物を生成。
 攻撃指定前にコピーの《祝賀者》をサクリ台で生け贄にし、1ドロー。
 この1枚と《宝物》から出したマナで《祝賀者》をアンタップした《ジャクシス》でコピー、という流れですね。
 なんで《鏡割りの寓話》1枚でできるコンボにこんなに枚数使うの?

 →ご指摘いただきまして、《ジャクシス》がソーサリータイミングでしか起動できないものの、《祝賀者》がメインフェイズを追加しないため、このコンボは成立しません。
 ケアレスミスのコンボ紹介、申し訳ないです!


 というわけで、いかがだったでしょうか。
 統率者が絡む無限コンボをお送りしました。
 書いている最中に「これ、行けるんじゃね?」とか思いついて書き出し、終わらない終わらない……。
 これ以外にもコピーキャットみたいに統率者に絡めない無限コンボは更に無数。
 5枚越えの統率者絡みリーサルやらなんやらかんやら……。
 筆者は40×3の120点を殴って削るクリーチャーデッキばっかり使っていますが、やはりコンボは統率者の花。
 皆さんもお気に入りの「必殺デッキ」でパイオニアEDHの海に旅立ちましょう!



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画像はMTG日本公式より引用しています。
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