MTG小ネタ劇場「キミ、本人よりレアリティ高くない?」
最近強いなァ、と感じるカードがありまして。
《クチルの側衛》ってカードなんですが。
スタンダードでもパイオニアでもサイドボード候補して定着しつつありますね。
墓地対策を瞬速で行いつつ、ビートプランや手札事故のケアも可能。
最低限3打点あるし、どの効果も役に立たない状況ってないので、幅広く強く使えるのが良いですね。
そして猫!
猫は良いですね。
猫は良いのです。猫が良いということに理由がいりますか?
いりませんね。猫は良いものなのです。猫なのですから。
カード名に入っている“クチル”というのも猫ですね。
イクサラン地下勢力の猫部族ですね。
構築戦では部下である《側衛》の方が活躍してる印象がありますね。
とはいえ、それは結構ある話。
《イモデーン》本人より《徴募兵》の方が構築戦でよく見るし、
《タッサ》本人よりも《タッサの神託者》の方が統率者では特によく見ます。
まあ《クチル》も統率者では結構強く、弱いカードではないですからね。横にいるヤツが強いだけなので。
ただ、ちょっと気になる点がありまして……レアリティ、逆じゃない?
伝説である《クチル》当人はアンコモン。
対して、別に伝説でもなく、複数人居てもおかしくない《側衛》はレア。
模範的で世界にひとりしかいない上司より、上司を名に冠する部下の方が希少ってどういうことよ。
理由としては、《君主のオキネク・アハウ》のせいなのは分かるんですよ。
これで《クチル》本人がレアだと、緑白だけレア・神話レアがそれぞれ1枚ずつになってしまう。
それはラヴニカのように色のバランスが最初からズレてるエキスパンションでない限り好ましくない。
『イクサラン:失われし洞窟』はアンコモン2色の組み合わせ10個にそれぞれ伝説のクリーチャーが1体ずついるサイクル。
同サイクルには非伝説生物であるカードが青白担当に該当するが、それは青白という色の役割として適正。
緑白はクリーチャーの色なので、“伝説の生物である《クチル》”がいるのが適当。
じゃあレアリティはそのままで効果だけ入れ替える?
そうすると、今度は『緑白でしか使えない墓地対策』のカードが誕生してしまい、昨今の《側衛》の活躍はなかったように思う。
《クチル》の効果で白単色だと統率者で雑に組み込まれてヤバイカードになる気がするし。
やむを得ぬ事情ではあるんだけど、伝説の上司よりレアリティが高い部下、が発生してしまっているわけですね。
てなわけで。
今回はそんなカードの紹介となります。
なお、再録でレアリティが下がったカードとか有りますが、そういうのはスルーです。
『《ニコル・ボーラス》と《ボーラスの奴隷》はどっちもアンコモンwww』とかはやりませんってこと。
『カイロックス』
『カルロフ邸殺人事件』で登場した新キャラクターで、謎の核心を握るのではというイゼット団の科学者ですね。
本人はやや重いものの戦闘力が高く、クリーチャーが必要であるものの、能力もデッキトップからカードを踏み倒せる。
その発明品と思われるボルトストライダーは、3マナと軽量でクリーチャーを必要とせずデッキボトムへカードを送り込めます。
……? ん?
本人は『重くて』4/4。『クリーチャーに依存して』『デッキトップ』のスペルを利用。
ボルトストライダーは『軽くて』4/4。『クリーチャーに依存せず』『デッキボトム』へスペルを利用。
……逆じゃねぇかッッ!?
レアリティも本体が通常レアで、ボルトストライダーがMレアで逆な気がするし、なんだろう、こう、すごい逆張りを感じる。
反骨精神の化身。
『ジアーダ』
これは贈られたエルズペスのレアリティと場面補正も有る気はしますが。
そもそもジアーダ本人がストーリー上で強大な戦闘力を持っているタイプのキャラでもないので、Mレアにしにくいのも有ると思いますし。
生成物が本人のレアリティを超えるパターンは、あとはキラン・ナラーもですね。
前者はペス、後者はチャンドラやサヒーリなどMレア常連のキャラクターたちが受け継ぎ、レアリティが上がってる感じですね。
エモい。
『エルドレインの伝説アーティファクト』
エルドレイン次元には、各色に象徴する城があり、それぞれにトリプルシンボルのその城を象徴するキャラクターが登場しました。
んで。
各城をそれぞれに代表するアーティファクトはMレア。
このサイクル、城の代表よりその城が受け継ぐアーティファクトの方がレアリティが高いっていうね。
まー、どれもストーリー上で存在感のあるアイテムだったらからやむなしなんだけど。
『ゴンティ』
使われたのはレアのゴンティ本人だったよね。
《心臓》はエネルギー関連のパワー調整に困った感。
エネルギーがバンバン溜まるのは良いけど、6マナで置いたならそりゃ勝たないとおかしいわけだけど、他の手段でアーティファクト並べないといけない。
追加ターンを得るだけなら6マナとか、他の条件なしで得ても良いわけだし、うーんって感じだ。
無色の追加ターンカードなので神話レアは順当なんだけど、多分通常レアでもリミテッド壊れるほどのカードじゃない気がする。
レアリティって難しよねっていう。
『英雄譚』
この辺り、カードデザインとパックの制約の気はするよね。
例えばヘラルドは、弟のタイヴァーがプレインズウォーカー=神話レアで、英雄譚がレアになるなら本人はアンコモンしか枠がない。
クチルに似たのパターン。
ファーヤもケイヤが来てたので同じ理由でアンコモンに。
ナーフィも……あれ? 理由ねえな? ていうか。
緑黒のレア枠、あるんだよね。
サルーフくんがアンコモンだったらヘラルド兄貴はレアで良かったのでは……?
まあ、北欧神話の元ネタ的に、同僚のコーマがMレアなのにサルーフがアンコモンだったらそれはそれで違和感あるけど。
碑出告はレアリティ逆でも良い気がするけどね。
改めてみてみると、色ごとにカードパワー、ストーリー、元ネタ、雰囲気、様々な要素でレアリティが干渉しているのを勝手に感じますなァ。
推測にすぎないけど、プレインズウォーカーっていうストーリー上の登場人物を出そうとするとMレアにせざるを得ないの、商品デザイン上では小さくない誓約だなぁ、とは思ってみたり。
灯の消滅っていうのは、大人の事情も絡んでる気がしてきますな。
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