《密輸人の回転翼機》が帰ってきた雑感。
『禁止解除への扉』
ごきげんよう。
こちらは、21世紀の地球……2023年、12月5日だ。
昨晩、ウィザーズによってパイオニアから《大いなる創造者、カーン》と《地質鑑定士》が禁止となった。
緑単信心やローナコンボといったデッキが大きく後退し、更に地質鑑定型の発見コンボは消滅することとなった。
だが、最大の問題はそこではない。
今、町(SNS)で人々が暴徒と化している……。
解き放たれた最強カード、《密輸人の回転翼機》を求めている……。
タイムトラベラーである私は、その情報を入手し、カードショップで300円で買っておいたが、
既にその店でも買い取り価格が1000円付いている……。
昨日までは300円で売っていたカードが、一晩を経て1000円で買い戻すと言ってやがる……狂ってる、狂ってやがるぜ……!
買いそびれた連中が暴徒になり、今が底値なのかと店を徘徊している。
しかし、タイムトラベラーである私は知っている、この後、このカードの金額がどう推移するかを……。
――イントロ、長っ!
はい、というわけで今回は《密輸人の回転翼機》の話です。
筆者こと84gは、このカード、使ったことないんですよね。
僕の相棒である《巻きつき蛇》と同じくカラデシュブロックのカードなのですが、僕が始めた頃にはすでにスタンダードを禁止になっていたので。
で。パイオニアも開始から間もなく禁止となったため、対決したこともほとんどありません。
現在はここ数年で始めた勢が一気に購入に動いた形だと思います。
現状で1枚2000~3000円くらいの値段が付いており、この前まで300円で買えていたカードとは思えない高騰をしています。
もちろん強いカードなのは事実なのですが、僕個人としては今後も高騰が続くかに関しては懐疑的です。
もちろん、僕は未来人ではないので、あくまで個人の予想にすぎませんが、ちょっと分析していこうと思います。
基本的なスペックについては以下。
英語名から通称コプター。
ヘリコプターのコプター、タケコプターのコプターですかね。
つまり、2ターン目に着地し、3ターン目から3点クロックを刻みつつ、手札の質を向上できます。
引いても良いの任意テキストなので、相手に《黙示録、シェオルドレッド》がいるときはスルーできるのが良いですね。
パイオニアの禁止理由としては当時の環境では強すぎたということですね。
実際、現環境でもかなりハイスペックなカードなことは間違いないと思います。
大前提として、このカードが機能してブン回った場合、毎ターンゴリゴリライフを削られていくのは想像に難くありません。
強いです。超強力です。環境級です。当たり前です。
ですが、現環境でどのデッキにでも4枚投入できるかといわれると、否でしょう。
『裏目も有るぜコプター!』
例えば、自分は2ターン目に《コプター》、相手は3/2の《税血》を着地させたとします。
3ターン目、自分は新たに展開したクリーチャーを搭乗し、《コプター》でアタック。
相手のライフは17へ減らしつつ、更に手札を入れ替える!
相手の3ターン目、相手は《税血》で殴ってきました。こちらのライフは17。
……あれ? ライフレース、互角じゃない?
そう、3ターン目に出したカードをタップして殴ってしまうと、返しにこちらも殴られるのです。
《コプター》が禁止になっている間に、2マナのパワー3は既にパイオニアでは特別な数字ではなくなっています。
更に、例えば初手が土地3枚・除去2枚・《コプター》・4マナクリーチャーの7枚だったとします。
マリガンはしないと思うんですが、これ、弱いです。
都合よく2~3マナのクリーチャーを引ければ良いんですけど、引けないときは2ターン目に置いて、3ターン目に何もせずに除去を構えて終わるという裏目が見えてます。
つまり、このカードが強く使える盤面とは、「タップしていい適当なクリーチャー」がいなければならず、それは1・3マナのカードが理想。
なぜなら、2マナで勘定してしまうと、3ターン目に2マナのカードしか出せないことになってしまい、強さを引き出しているとは言い難い。
弱くはないんだけどね。
更に他の2マナ域のパワー3と比較したとき、《コプター》の欠点として重ね引きした場合に機能しない。
《コプター》が何百枚有っても、搭乗員の人数しか殴れないしね。
で。
更にいない間に加わったヤバいカード、第一位は絶対コイツ、《サリア》さん。
先手・後手がかなり差がでかくて、先に《サリア》が着地するともう存在意義が失われるレベル。
3マナ3/3飛行で攻撃に1体タップがいる、リミテではボムだよね、くらいの能力。
他にも《呪文貫き》や《強迫》のような非生物対策のカードが相対的に強化されますね。
メインから投入しやすくなると言えるかもしれません。
更に「何かのついでに除去」されやすいのも欠点かもしれません。
構造的に殴った瞬間に除去を合わされると、1体をタップした上に1:1交換となるためビートダウン相手では不利になりやすいのも問題。
除去以外にも《コプター》禁止以降に登場したカードによって制空権が脅かされている節もある。
まー、散々、ネガティブなことを書きましたが、買ってますからね、僕。
繰り返し伝えたいのは、このカードは強い。間違いなく。
ただし、何も考えなく使えるパワーカードでもないということをご理解いただきたい。
意外と使わないデッキが多く、半年以内くらいに千円前後くらいになる予想をしていますきっとおそらく多分。
外れたらゴメンね!
『強いぞ! コプター!』
では、具体的に何に採用されるか?
まず考えられるのが、ラクドスミッドレンジ。
現環境トップクラスのデッキの一角であり、既に《鏡割りの寓話》や《税血》の血トークンといったルーティング手段を持っています。
必要なカードを揃え、不必要なカードを捨てて質のいい手札で最小限のカードで効率的な攻撃をしていくデッキです。
現在、《税血》以外にはリストによってバラバラな印象ですが、様々なカードの選択肢が考えられます。
《税血》と《鏡割りの寓話》二種八枚までは固定枠。
あと2~4枚くらいあると安定して搭乗できるのでは。
続いてパルヘリオンシュート。
機体を扱うことに関しては総長に任せておけ!
現状でフィニッシャーになる《パルヘリオン》、《エシカの戦車》、《スカイソブリン》がメインだが、ランダム切削で落ちる確率が上がるのは魅力的だ。
とはいえ、デッキリストをいざ確認してみると、非クリーチャーのパーツが多い。
改めて使おうとすると、軽量のクリーチャーを増やすため、リストの見直しは厳重に行う必要がありそうだ。
出すだけだして搭乗員がありません、というパターンはさすがに避けたい。
更に直近で強化パーツが増えたハサミデッキも注目だ。
これらなら搭乗しなくてもパワー5飛行クリーチャーにできる。
軽量の登場要員も確保できるため、一気にトップメタにまで駆け上がる可能性がある。
続いてグルールアグロも要注目だ。
別格に相性がいいのが《恋煩いの野獣》。
更に《恋煩いの野獣》があるということは、他の1/1クリーチャーが採用されるため、搭乗員も確保しやすい。
マナを必要としないときのマナエルフ、カウンターを渡した《ヴォルダーレンの興奮探し》、地上を突破できないときの《無謀な嵐探し》なども適任だ。
更にルーターといえば魂剥ぎも見逃せない。
ちなみに『クリーチャーを追放したら』なので、墓地では《コプター》はクリーチャーではないので飛行は付かないので注意。
他にも多くのデッキが誕生しそうですね。
メインから《致命的な一押し》の採用数が増え、更に使わないときは《コプター》で好感する動きも考えられますね。
アゾリウスコントロールは《至高の評決》では処理できないクロックが現れることもあり、《一時的封鎖》などで対処する必要があるかもしれません。
さあ、明日のパイオニアはどっちだ……!
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画像はMTG日本公式より引用しています。
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