ここにはないものの歌詞について考える

Twitterにちょっとした歌詞考察を載せたら、驚くほどたくさんの人に見てもらえました。
バズっていると言えるほどでもないのですが、人間のフォロワーが指の数で足りてしまうほどの弱小アカウントにしては大満足の結果。

手前味噌ながら、よくぞここに気づいたなと自分を褒めたい。
これで勢いづいたので、今回はここにはないものの歌詞考察をしていきます。

この曲は齋藤飛鳥の卒業センター曲ということで、当然のように齋藤飛鳥の当て書きの歌詞となっています。
ただ、それだけではないというか。
他にも大きな仕掛けがあるんです。今までの記事でも書いてきた内容で、YouTubeで少し話したこともあるので今更感もありますが、今回まとめておこうと思います。
考察についてはさも事実であるかのように書きますが、僕の考察は完全に僕のための考察なので、それは違うぞと思っても無視してください。
ちなみに、時系列的には卒業コンサート時点で考えています。
楽曲発表→卒業してバスラで遠藤さくらセンターで披露→卒コンで完成したイメージです。

ここにはないものの歌詞、卒業していく齋藤飛鳥だけでない視点があるように見えます。


1Aの「僕」は齋藤飛鳥。
歌い出しの「夜」が早速素晴らしい。
僕たちのサヨナラでもあったように、日没はメンバーの卒業を表しています。
最後の1期生が卒業したので、夜。
ここでの心情としては完全に卒業する(した)側の目線。
乃木坂という鎧を脱いで、ありのままの自分に戻る。



1Bは「君」が齋藤飛鳥なんじゃあないかと思うんです。
「サヨナラ」がサヨナラの意味から来ているのは、他にも乃木坂の曲から引用していることからも明らかで、さらに後半の部分がとてもいい。
「君は瞬きさえ我慢しながら涙を隠してる」
恐らく「君」とは向かい合っていて、その目に浮かんだ涙がこぼれないように瞬きを我慢している。
これだけでも素敵な歌詞ではあります。ただ、もう3曲聴いてほしい。
僕たちのサヨナラより、「涙のその代わりに星がキラキラ輝く」
この曲でも夜なんです。悲しい顔を見せないように。
そんな曲、ありますよね。夜明けまで強がらなくてもいいより、「暗闇は涙を捨てる場所」
暗闇で見せたくない涙を星に例えている。となると、あと1曲はもうお分かりですよね。

陽が沈んで、見つめあった瞳が星空になる。
その前に鉄塔がぼやけてくとあるので、涙でぼやけているのではと推測できます。
ここで橋本奈々未と齋藤飛鳥を繋げるのが本当に天才的。
あの日、見送る側だった齋藤飛鳥が、この曲では見送られる側にいる。



1サビ。
サビについては前半と後半で分かれます。1では前半が見送る側、後半が飛鳥ちゃん。
というのも、卒業を決意して出ていく齋藤飛鳥の心は、寂しくても折れないはず。
なので前半は見送る現役乃木坂メンバー。その中でも齋藤飛鳥卒業後にセンターを務めた遠藤さくらがしっくりくるかな。
後半は割とそのまんま。ただ、「夢とか未来を僕にくれないか? ここにはないものを」
ここはしっかり読み解かないといけない。
これ、卒業していく飛鳥ちゃんから乃木坂へのエールやと思うんですよ。
まだここにはない新しい夢とか未来がある乃木坂を見せてくれってことやと思うんです。
卒業コンサートで、本来参加していない楽曲を最後に披露しているんです。
「未来」の答えに繋がる、「夢」を歌った曲。
そうです、人は夢を二度見るです。



2AメロはTwitterに書いた通り。
そこからは過去の楽曲から取ったフレーズが並びます。もちろん齋藤飛鳥視点で、そのままBメロまで続きます。



ここでの「君」は乃木坂に残る現役メンバーであり、もしかすると乃木坂そのもの?
1Aにもあるように、具体的な不満があるわけではない。

2サビ。
これは前半が飛鳥ちゃん。
涙がこぼれないように瞬きを我慢しているのも強がり。
「ジタバタしながら生きてくことは愚か」というのも飛鳥ちゃんぽさがあります。
後半、現役視点では「いつの日かわかるのかな この決心の答え合わせを」がとても大事。
乃木坂に不満はないのに卒業していく決心は、まだ彼女らには分からないものです。
ただ、その答えは未来にわかるもの。
それもまた未来の答えの一つなのかもしれません。
ちなみに、この2サビをMVで観ると、前半までは飛鳥ちゃんソロ、後半は後輩たちのシーンに切り替わります。これは偶然と片付けるのは勿体無い。

ラストに向けて。
ここに関しては割とどちらでもいいのかなと思っています。
ただ、やっぱり「君がいてくれたから素敵なサヨナラを言える」
この部分は飛鳥ちゃん視点がいいなと思います。
君=後輩がいるから卒業を選べたというのがいいかなと。

最後のサビも1サビと同じでいいと思います。

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