泣けなくなったのはいつからだろう?
そんなことを、ふと考えてみた。
金木犀の香りが、少しずつ街を包みはじめる季節になると、心が少し締めつけられる。
そんな心地が、なぜか好き。
最後に本気で泣いたのは、一昨年の夏。
とにかくいっぱいいっぱいで、思わず涙が止まらなくなった。
いつからか、本気で感情を出すためには、その扉を開けてもらわないと出せなくなってた。
扉を開けてくれる存在が、近くにいる時はそれでもいいんだけどね。
いま、きっと思い切り泣けたなら、心は軽くなるんだと思う。
でも、どう頑張っても涙が出てこない。
昔いた、泣き虫で意地っ張りで、だけど温かくて、でも常に眠そうにしてた人を初めて羨ましいと思うくらいに。
泣けるって、幸せなことなのかもしれない。
泣き虫になっちゃダメって言われ続けてきて、いつしか泣かなくなってたけど、今は泣き虫になりたい。
涙が出ないだけじゃなくて、いつしか本心を隠すようになってた。
それは一種の照れ隠しだって言う人もいるんだけど、自分の中で答えは分かってる。
本心をさらけ出して、後で傷つくのが怖いだけ。
きっと、今もまだどこかで過去のトラウマを引きずってるんだと思う。
どんなに親しくなっても、本心はさらけ出せないし、ずっとどこかで距離を保ってる。
恋人だろうと、親友だろうと、本当の心の芯みたいなものは、さらけ出すのが怖い。
だからこうして、文章にしておかないと、時折自分でも見失いそうになる。
今だって怖がりで、どこか安心を求めてて、ずっと何かに怯えてる。
昔、独占欲が強いって言われたことがあったんだけど、そうなのかもしれない。
自分に自信がなくて、自分なんかいつか誰にも必要とされなくなるんじゃないか、ってずっと思ってる。
なかなか普段の自分は、それを必死に隠そうと明るく振る舞ったり、不安な顔を見せないように必死だから周りには信じて貰えない。
それもまた時には辛くて。
いつか、思いっきり泣ける日も、思いっきり笑える日も来るよね。きっと。
ではでは。
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