シトラスムスク②

今の相棒の話もしておかなくてはですね。

私の好きなお酒があります。

ボンベイのジン。

華やかなボタニカルが香り、最後にはウッディな香りがします。私のおすすめは、大きな氷でロックでいただく事。ライムを一絞り。もうお気づきですね。そう、あの私の好きなシトラスムスクの香りです。

このお酒を教えてくれたのは、今の相棒です。

私は、私を愛してくれた人、愛してくれている人の、愛情からなる量子力学的な物質から構成されています。


相棒になろうと決めたあの日、私は狂気に満ちていました。

世界が、全人類が、今の相棒に牙を剥いても、私は武器を取ろうと決めました。全てを薙ぎ払い、世界が炎に染っても、道行く道が血染めになろうとも、海の水が赤く染まろうとも。

彼の世界が、住む場所が、行く道が、会う人が。

彼に牙を剥くのであれば、容赦なく叩き落すと決意しました。

私は、王子の騎士になりたかった。

私に初めて会う人はさわやかな印象を受けるでしょう。

少し親しくなれば、エレガントな人と思うかも知れない。

でも、心の底には獣がいます。ムスクの香りがする獣が。

彼に牙を剥くものは、ムスクの香りがする獣がその肉を咲き、骨を砕き、内臓を蹂躙し、自分の行いを激しく後悔することになるだろう。

それほどまでの狂気を持って愛情を注いでいます。


ただのノロケです。

今の相棒には内緒です(笑)

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