倒木更新

静花

2023年2月3日 12:47

こんにちは。静花です。
2023/2/1(水)から大丸梅田店11階 ART GALLERY UMEDAさんで開催中のTatsucon Selection 2023 -Osaka-に、新作を2点と旧作を2点を展示させていただきます。

今回は、新作『倒木更新』のお話をさせていただきます。
お楽しみいただけましたら幸いです。

更新する木々

作品タイトルの「倒木更新」とは、さまざまな理由により倒れた古木を土台に新しい木々が育つことを指します。
倒れてなお次の命へと繋がるこのサイクルを、木々の織りなす鎮魂と再生のひとつの形みたいだ、と私は思いました。

朽ち果てた先

倒木は新しい木の養分となり、最後には朽ち果ててなくなります。
新しい木は、いなくなった倒木の面影を掴んだまま根元に空洞ができ、今度はそこに新たに動物たちの生活が生まれます。
木も、森林や山のすべても、ゆっくりと確実にバトンを渡しながら木の間で育まれた歴史や伝統、思想、巡る命を重ねているのです。

一方で私も、生きる中で行われた様々なふれあいに根を張り、いつか別れ、大小の空洞を作りながら、自分を重ねていくのでしょう。
そして、倒れてなお、他者が健やかであるための栄養となり、やがて朽ち、そこに新たなしあわせを生む倒木の姿がうらやましく、せめて大切な誰かにとって、自分もそうあれたならと思うのでした。