映画レビュー:『青くて痛くて脆い』(ネタバレあり)

こんにちは。初投稿です。ずっとやってみたかった、映画の感想投稿です。

基本的には映画を見た前提でのコメントになるので、未視聴の方は以下ご覧にならいないようご注意をお願いします。



その前に、私は杉咲花さんがずっと可愛くて演技も上手くて素敵だなーと思っていたので、この映画も気になっていたのですが、なんだかんだで見逃したままになっていました。朝ドラ「おちょやん」にはどっぷりハマり、一息ついたところで、レンタルビデオ店で借りてきたところです。


原作は『君の膵臓を食べたい』の住野よるさんの小説ということで、独特な距離感の男女二人の描き方が魅力的な作品でした。

さて、この映画の感想ですが、端的に言うと「主人公二人とも嫌い」「難しい」でした。

まずヒロインの子。言ってる内容は素敵だけれど、授業の進行を止めるのは解せぬ。最初は社会系の授業っぽかったまあ許せたけど、途中英語の授業じゃありませんでした?そういう俗にいう「KY」の人ってあんまり大組織のリーダーとか向いてなさそうな感じもするし、その辺のキャラ設定はどうなってるんだろ。

そして最初やけに図々しいから主人公に好意があるのかと思いきや、ノリが会う人が現れたらあっさり乗り換えちゃって、そりゃ傷つくよ・・

だからと言って主人公は「炎上でクラブを潰す」って子供かよ。

そして難しいのは、二人それぞれに正義があって、口論のシーン見てわかる通りどっちの言い分も「まーそうか」となってしまうところ。

多分秋好ちゃんの理想は非常に高くて、全部達成するには明らかに人数が必要なんだけど、人が集まるといろんな考えの人が出てくるから、必ずしも自分が描いた通りにはならないんだよね。

で、最終的な理想は変わっていないはずなのに、いつの間にか目的と手段が入れ替わって、まるで人集めがメインの集団のようになってしまう。

恐らく主人公はそれにいち早く気づいていたんだけれど、「傷つきたくない」気持ちが強すぎて何も言わずに去ってしまう。ヒロインは全くそれが問題だとは認識していなかった。講堂のシーンで初めてそれがはっきりする。

そしてラストシーンはあえて視聴者に予測させる展開。最初はこんなことをしてしまったら和解することはない、と思ってしまいましたが、よく考えてみると、最後の「moai」の姿を見たら、ひょっとしたら彼女の方も主人公サイドに寄ってくれるかも・・と微妙に期待してしまいました。

ちょっと脱線しますが、個人的な意見を述べると、世界中の問題を一人で全部解決するのは流石に無理で、世界中の一人一人がちょっとずつできることしていくしかないんじゃないかな、と思います。最後の展示会の様子とか、主人公の仕事風景(?)にもそんな意図が見える。(と私は読み取りました)こうなると1年後のヒロインがどんな風に生きているのか、気になるなー

まとめると、がっちりな恋愛要素あり、ミステリー要素もあり、どちらかといえば社会派なんだろうけどそこに完全シフトもしていない、新ジャンルの作品でしたが、非常に考えさせられる良作だったと思います。


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