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楽曲レビュー:Official髭男dism「アポトーシス」を聴いてみた

こんにちは。はなです。

今回は2018年の鮮烈なデビューから日本中を席巻しつづけているトップアーティストofficial髭男dism(通称ヒゲダン)さんが今年発表したアルバム「Editorial」からリード曲「アポトーシス」(作詞・作曲:藤原聡)という楽曲を紹介したいと思います。(ちなみにレビューがちょっと遅めに感じる方もいらっしゃるかと思いますが、CDをレンタルで聴く派のためです。悪しからず。)

私はヒゲダンさんの楽曲がどれも大好きで、「Pretendor」「I love…」「Laughter」「universe」と新曲がでるたびにそれが一番好きな歌になっていたのですが、この曲は中でも別格、今後好きな曲ランキング1位に君臨しつづけるのではないかと思ってしまう名曲です。

この曲、どんな曲かと言いますと、命の有限さを感じるバラードで、愛を歌っているけれども、「君が好きだ」じゃなくて「君と暮らしているこの生活が好きだ。永久に続くわけではないから愛おしい」っていうことを表現しているように感じます。

冒頭の「訪れるべき時が来た もしその時は悲しまないでダーリン」という一節でこの歌の言わんとしていることを理解し、一気にその世界観に引き込まれます。

そこにエレクトリックなサウンドを取り入れることで、まるで宇宙にいるかのような壮大な気分になります。私のお気に入りは、Bメロの「さよならはいつしか」のあたりで鳴っているピロピロという音です。私は仕事から帰るときに車で聴いた時にこの壮大なサウンドと、「落ち葉も空を向き合う蝉も 私たちと同じ命を同じように生きたの」というフレーズが耳に入ってきて、自分という存在の小ささを感じるとともに嫌なこともスッと消えていった気がしました。

ちなみに題名の「アポトーシス」ですが、これは学術用語で「プログラム細胞死」とも呼ばれるものです。ヒトで言うと胎児が手をつくるとき、最初のうちは指間に水かきのようなものができるのですが、途中でその細胞が死滅することで水かき部分がなくなります。その細胞は「不要になったときにはこの遺伝子が作用して、そうするとこの物質が出されて、そうしたら細胞は死滅する」ということがプログラムされていて、そのプログラムによる死や仕組みそのもののことを「アポトーシス」と呼びます。この曲は細胞の話を歌にした、わけではなさそうですが、(細胞を擬人化した曲とかあってもおもしろいと思いますが)「いつか期限が来たら死ぬことは決まっている」ことをモチーフにしているようです。それを前面にだした上で『未来へとひた走る』とか『躊躇い一つもなくあなたを抱き寄せる』といったフレーズを使うことで印象に残り、前向きな気持ちになれる歌です。

歌い手としては、ヒゲダンの曲のなかでは音域が良心的で比較的歌いやすい曲だと思います。鬼門はサビで、まるで階段を上るかのように低音域から一音一音高音域までつながっていくのが、「鍵盤じゃないんだよ!」と思わず突っ込みたくなります。そして当たり前のように転調もするので、そこにも要注意です。

以上、まとまらないながら「アポトーシス」の紹介をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。この曲を知っている方も知らなかった方も、参考にしていただければと思います。


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