枯渇④

アルバイトから契約社員に上がっても、私の仕事は極めて順調だった。9月には、保育料が更に下がって12,000円となり、正社員ほどではないものの、12月にはボーナスも貰えた。私はこれまでの経験をフルに活かしながら、日々の結婚式を回していた。担当顧客の満足度も高く、評価もされた。

一方、夫の方は
私が働いていることへの依存が少なからずあっただろう。家賃は常に数ヶ月遅れて支払うようなペースになっていた。電気代が滞り、電気を止められることもしばしば。その度に私が支払っていたが、2〜3ヶ月分も溜まればかなりの額になっていた。
2015年も末に差し掛かった頃、用があって夫に電話するとやたら家にいる日が続いていることに、「まさかクビになってないよね」と冗談で言うと、「後で話すよ」と。私はその瞬間から仕事に身が入らなくなった。辞めた?なぜ?まさか本当にクビ?そしてしかも私に隠していた?色々な思いや憶測で頭がぐちゃぐちゃになりながら、退勤時間を待った。

夫は会社をクビになっていた。原因は、レジのお金を盗んだ事による懲戒免職。

そして私に相談もなく、職業訓練校へ通い始めた。私に言えばすぐに働けと言うだろうと。その通りである。

夫の言い分はこうだ。職業訓練校へ行くことで、もらえる給付金があるから、と。家族や生活を犠牲にしてまでその給付金を貰おうとは、まして給付金のために学校に通おうなどとは、普通の人は当然思わないだろう。その勉強がやりたかった分野なのかはわからない。

そして、年を明け2016年。
この時に起こった出来事が、史上最も許せない出来事となる。

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