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PrusaSlicer+Prusa Mini+でのサポート実験(TPU) 0.4mmノズル

TPUで作りたい作品ができました。構造上、サポートが付きます。さて、TPUでサポートが除去できるかどうか。すでに、条件さえそろえればサポートは取れるという情報は入手していますが、自分の環境でサポートを除去できるようにしたいと思います。

目的と試験方法

目的:耐摩耗KaikaノズルでのTPUサポートの条件だし
実験環境: 3Dプリンタ Prusa Mini+
      ノズル:604 耐摩耗Kaika(0.4mm)
      ノズル交換時期:2022年10月10日
      フィラメント: Polymaker 
      デザイン: 麦茶さんのサポート条件だしのデザインModify

試用したフィラメントはこちら

テストモデルはこんな感じです。

以前の検証(0.4mmノズル)はこちらにあります。

どれがどれだかわかるように刻印しています。また、サポート下部(上面にサポートがつく)への影響がわかるように、上面の一部を薄くしてニッパーでサポートを外すときに一緒に外せるようにしました。

実験を何度か重ねており、16種類すべてプリントしなくてもある程度対象を限定することができるようになっています。今回、こちらの6種類で実験することとしました。

温度はPrusaSlicerのデフォルトの235℃です。

$$
\def\arraystretch{1.5}
\begin{array}{c:c:c}
番号 & トップ(ボトム)コンタクト距離 & インターフェースレイヤー \\ \hline 
6 & 0.2mm & 3 \\
7 & 0.2mm & 4 \\
10 & 0.25mm & 3 \\
11 & 0.25mm & 4 \\
14 & 0.3mm & 3 \\
15 & 0.3mm & 4 \\
\end{array}
$$

サポートの取り外し

サポートを取り外してみました。かなり苦戦しました。その模様は、動画をご覧ください。

235℃での試験結果

一つ一つ見ていきます。

6. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:3層
サポートの上側はきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球部分はきれいに外れていますが、半球の周りの平面部分、広い平面はうまくはがれませんでした。

7. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:4層
サポートの上側はきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球部分は平面も半球周りの平面もきれいに外れています。一方で、広い平面はうまくはがれませんでした。

10. コンタクト距離:0.25mm インターフェイスレイヤー:3層
サポートの上側はきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球部分は平面も半球周りの平面もきれいに外れています。一方で、広い平面はうまくはがれませんでした。

11. コンタクト距離:0.25mm インターフェイスレイヤー:4層
サポートの上側はきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球部分は平面も半球周りの平面もきれいに外れています。一方で、広い平面はうまくはがれませんでした。

14. コンタクト距離:0.3mm インターフェイスレイヤー:3層
サポートの上側はきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球部分は平面も半球周りの平面もきれいに外れています。一方で、広い平面はうまくはがれませんでした。

15. コンタクト距離:0.3mm インターフェイスレイヤー:4層
サポートの上側はきれいにはがれています。
サポートの下側を見ると、半球部分は平面も半球周りの平面もきれいに外れています。一方で、広い平面はうまくはがれませんでした。
ということで、広い平面はサポートの上のブリッジ部ががたるんでサポートにくっつくためか、すべての条件でうまくいきませんでした。

そういえば、麦茶さんのライブだったかで、サポートは低温のほうがはがしやすいという話を聞いたことを思い出しました。これまでの試行は、235℃(PrusaSlicerのSainsmart TPUのデフォルト)としていましたが、220℃で試してみることにしました。

220℃での試行

実は、235℃でうまくいかず、次の予定があったので、温度を220℃に下げ、インターフェースレイヤー3でも4でも変わらないだろうという推測(いずれもNGで、違いがみられなかったので)のもと、2つの条件でのみ試験をしました。
$$
\def\arraystretch{1.5}
\begin{array}{c:c:c}
番号 & トップ(ボトム)コンタクト距離 & インターフェースレイヤー \\ \hline 
10 & 0.25mm & 3 \\
14 & 0.3mm & 3 \\
\end{array}
$$

10. コンタクト距離:0.25mm インターフェイスレイヤー:3層
サポートの上側はきれいにはがれています。
サポートの下側も、半球部分は平面も半球周りの平面もきれいにはがれ、広い平面もきれいにはがれています。

14. コンタクト距離:0.3mm インターフェイスレイヤー:3層
サポートの上側はきれいにはがれています。
サポートの下側も、半球部分は平面も半球周りの平面もきれいにはがれ、広い平面もきれいにはがれています。

結論

  • サポート上部はすべての条件で良好でした。

  • サポート下部は、235℃の時には特に広い平面ではがれにくいという状況でした。

  • この結果から、温度は220℃など、低めの温度のほうが望ましいことが実験で確認できました。

  • ということで、TPU(Polymaker TPU95)で耐摩耗Kaikaノズル(0.4mm)を試用した時のサポートは、Z距離0.25mm以上、インターフェースレイヤー3以上とすることとします。

ピンボケしてわかりにくかったので、動画にまとめてみました。サポート除去は結構長くなるので4倍速にしています。自分の記録用にぶつぶつつぶやいているのが4倍速なので変なことになっていますが、よろしければご覧ください。

mini+用の3mfファイル、stlファイルはこちらからどうぞ。設定を変更してお使いくださいませ。




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