冬の養生~早寝遅起き~

冬の養生のお話。

日本にある四季。春夏秋冬。冬は、陰と陽で分けると陰になります。

薬膳・養生は、中国の古代思想「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」をもとにしています。陰陽五行説は「陰陽論」と「五行説」の二つが組み合わさったものです。(五行説のお話は、またの機会に)

陰陽論って何かというと、

「森羅万象を、陰と陽のふたつに分類する考え方」です。

例えば、月と太陽、夜と昼、女性と男性、冷と熱、裏と表、肉体と精神、などなど。なんでも対になる二つがあるという考え方です。(上記の例えの場合、それぞれ前者が「陰」で後者が「陽」です)

で、日本の四季でいうと、春夏は「陽」。秋冬は「陰」。

気候も暖かくなり活動的になる春夏(陽)に比べ、秋冬は、活動は控えめに、思いや考えを外に表現することもなるべく控えて過ごすのがおすすめの季節です。

冬は日照時間も短く夜が長いですね。昼間の時間が短いと1日が早く終わってしまう感じがするかもしれません。ですが、人間も自然の一部。夜が長いということは、それだけ「ゆっくり寝たほうがいいよ」ということなのです。

薬膳・漢方の世界では有名な中国の古い医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」には、「冬はできるだけ早寝し、朝日が昇るのを待ってから起きるのがよい」と書かれています。

冬は、寒さから身を守りエネルギーを蓄えるために、冬眠する動物たちもいます。冬は、より活動的になる春にそなえて、私たちも、できるだけたっぷり休養することを心掛けて過ごすことがおすすめです。

この季節に十分にからだを休めることができれば、次の季節、春により活動的に元気に過ごせるからだになることにもつながります。逆にこの季節に、忙しく過ごし十分な休養がとれないと、春になったとき、疲れがとれない、冷えやすいなどの不調が起こる可能性があります。

(かといって、ずーーーっと寝てばかりの毎日ではもちろんよくないですが…)現代人は、普通の生活をしていても忙しいかたが多いと思います。

やらなきゃいけないことを、少し減らす工夫。家事をちょっと手抜きするとか、乗り気じゃない用事は断って自分の趣味の時間にして楽しんで、心の養生にするとか、ついついネットサーフィンしてしまう時間をゆっくり湯船につかる時間にしてリラックスするとか。ご自身でできることで、ほんの少し工夫をぜひ取り入れてみてください。

#冬の養生