そんな日もある

稽古では（自分が習う方）うまくいけられないことがほとんどだ

だから帰りの電車は、アタマの中で「あーすればどうだろう？こうすればどうだろうか？」なんてやってる

先日も、ぜんぜん納得いかない作品になってしまい「やり直しじゃぁぁあああっっっ！！！！！」と電車の中で半ギレ状態、「あーしてみよう、こーしてみよう」と考えていて、ワープでもしたのかというくらい1時間の電車があっという間だった

稽古は土曜日で、朝8時に家を出て、帰宅すると19時近い

そのまま、植物を触り始めると徹夜して日曜日も触り続けるのは目に見えているので、少し寝かせようと水切りし手入れだけして、触るのは止めていた

けど、アタマの中は「くそーっ！」でいっぱい

月曜日、アルバイトから帰ってきてから触り始めた

…やっぱり気に入らない

あーでもない、こーでもない、うまく植物がいうことを聞かない

植物とひたすら格闘する

はた！と気が付いたら22時近かった

始めたのが17時くらいだったから5時間近く飲まず食わず、集中していたことになる

その日は全てが面倒になり、夕食も取らず風呂に入り寝た

風呂の中でも布団の中でも「くそー」と思っている

けど、この時間をとても愛おしくも思う

大人になって『無』になれる時間を持つことって、なかなかない

『無』って日常のすべて、煩わしいこともなにもかもから切り離される時間だ

その時間を過ごすと、気持ちがすっきりする、落ち込んでいても心が穏やかになる、心が凪になる

そういう時間をコンスタントに作り出すことができているから、きっとわたしは幸せだし、強いと思うんだ

火曜日、いけばなサブスクをやっている活版屋さんへ行き、

「5時間も植物と格闘してロクなものができなかった」と社長に話したら

「ははは、そういうことはよくあるよ」と言われてしまった

確かに、さっくりいけた方がうまくいって、さんざん格闘しても根を詰めてもロクなものができない、ってある

そんな日もある

それもいい、

充実した豊かな時間を確実に持ったのだから