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ペンライトと再生可能エネルギー

ライブで使うペンライト
リチウムイオン電池を使って毎回フル充電で臨むヲタクはいるだろうか

たまご色という類い稀なるカラーを担当することで、ヲタクにサイリウムからペンライトへの切り替えを促し、

光源のエネルギーを1,2-ジオキセタンジオンの分解で発生する励起エネルギーによる蛍光色素の発光という不可逆反応で取り出すのではなく、
電圧をかける/放電することで
Li(1-x)CoO2+LixC6⇄LiCoO2+C6
というリチウム-酸化コバルトの酸化還元可逆反応で取り出すことで、既存のエネルギーを再生可能なエネルギーへ切り替えていくSDGsへの取り組みが理解されていないのではないか

そこでぼくはこの記事を書くことにした

まずは結論を述べる

我々が光り輝くのではなく、ペンライトが光り輝くべきなのだ

まずはペンライトに使われている乾電池の歴史について触れる

参考にしたサイト
電池工業会

そもそも乾電池の乾とは何か
これは初期の電池が液体式であることに由来している
いわゆるダニエル電池である

ダニエル電池では、
正極にCu、負極にZn、電解質としてZnSO4/CuSO4水溶液を用いている

負極側にZnSO4、正極側にCuSO4を入れて、反応を効率的に進めるため仕切りを入れるが、そのまま反応を進めると正極と負極の周りの電解質とで電荷に偏りができて起電力が低下する

そこで、セロハンなどイオン透過性の仕切りを入れることでイオンが移動できるようにして電荷の偏りを解消できるようにして、それぞれの水溶液を分けている
※セロハンの膜で分ければ液体は混ざらないけど、電荷を持つイオンを磁力で無理やり引っ張るイメージである

という構造である

液体式の電池の課題として、冬場は凍結して使用できない、薬品が滲み出て腐食が発生することなどがある

そこで炭素棒にパラフィンを染み込ませた乾電池が開発された
従来の電池では反応でガスが発生するため密閉することができなかったが、ガスの発生しない構造とすることで密閉が可能になり、液漏れのリスクを減らすことができた

それ以降、正極、負極、電解質の組み合わせが模索され、電圧をかけることで逆反応を起こすことができるような充電式電池の開発に至っている

理研チャンネル

こうして充電式電池は開発されたのである
そして、スマートホンやモバイルPCのバッテリー、自動車のバッテリーなど広く利用されるようになったのだ


ここで重要な概念に気付いた読者もいるだろう

液体の状態から、容器が破裂しないように気を付けながら、中身を固体に近づけていく流れ

まさに、生たまごからゆでたまごを作るプロセスなのだ

たまご色と言う担当カラーには、リチウムイオン電池開発の功績が認められ、2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏への敬意が込められているのだ

ノーベル化学賞の吉野彰理事長に訊く【前編】環境問題をリチウムイオン電池が解決?!

ここで課題になっているのはペンライトの方である

確かに電池の開発の進展により、使い捨てから繰り返し使用できる充電式電池と環境への負荷が低減された

しかし、ペンライト本体は寿命が来た際は廃棄する必要がある

その際は、構造上、プラスチックのほかに金属部品が使用されているため、燃やすゴミとして出し燃料としてエネルギーを取り出すことができない。

金属を燃えるゴミとして出すと、ゴミを燃やしてエネルギーを取り出す炉の効率を下げてしまうためだ。そういった面では完全に燃えるゴミとして出せるサイリウムにも優位性がある。


では、サイリウムはもっと環境への負荷を下げるような開発は可能なのだろうか

サイリウムの容器を削減する
そこに注目すると、自ずと1つの結論に辿り着くのではないか

そう、我々が輝けばいいのだ

サイリウムの有害な物質は反応後に発生するフェノールである

ルミカのサイリウムの化学発光液の有害性は中性洗剤レベルと検証されている

よって、多少体内に取り込んでも大丈夫なのだ
※ぼくは体内にフェノールを取り込むようなことは絶対にしない
明らかに有害だからだ

ルミカのHP

つまり、ライブ中に励起エネルギーを発する物質と蛍光色素を体内に取り込むことで自分が発光することで、サイリウムの容器を使用せずに済むのだ

ただし、現状ではシュウ酸ジフェニルの酸化反応を利用しているが、緩衝液である血液中で酸化反応が効率よく進むとは思えないので全く期待していない

そもそもペンライトを振るのが楽しいのである

以上のことから、下記の2点を主張する
・ペンライトを捨てるときは、金属部分とプラスチック部分を分けて捨てよう

・電池は充電式電池を使おう

ゴミの問題で一番大事なことは、ゴミを減らすこと
次に分別をすること
特に金属とそれ以外を分けること

断捨離するときは気をつけよう

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