我々は、星の欠片で作られているらしい。

「燃える太陽のように〜」なんて言い回しがあるが、あれは嘘だ。

実際に太陽は燃えてなんかいない。核融合をしているだけである。
太陽には、酸素がほとんどないので、燃焼なんて現象は起こらないのだ。
ついでに言うと、夜空に見える星のほとんどは、太陽のように核融合や核分裂をしている恒星なので、燃えてなどいないのだ。

星はそれぞれに色を持っている。
生まれて間もない星は温度が高く青く輝き、老いた星は少しずつ冷めて赤くなる。
光り続け、核融合の材料がなくなると、やがて光るのをやめてしまう。

「生まれて、生きて、死ぬ。」
この絶対的なルールの破り方を知らない我々は、
燃料切れを起こした星に、死を重ね合わせ、
眩く輝く星に、生を見出してしまう。

輝く恒星の内部では、絶えず核融合が進み、新たな元素を生み出していく。

酸素を始めとする鉄よりも軽い元素は、恒星の中心で起こる核融合反応により生み出されたらしい。
元素は、核融合で生み出され、恒星の最期には、散り散りになり、またどこかで引かれ合うのだ(もちろん物理的に)。

そして、散り散りなった元素は、また重力に引かれて寄り集まり、
己の質量で、核融合を始める。

そういった延々と続く138億年の偉大な旅の途中、
巡り巡る元素と、互いを呼び合う万有引力。
呼び集まった元素たちが我々の立つ地球を形造り、我々の身体を作っているのだ。

我々は星の欠片でできている。

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