コンプレッサーの使い方についての所感

約2年ほどDTMをやっていなかったのですが、ここ最近でまたDTM熱が復活しました。しかし、2年間の空白でミックスに関することを忘れてしまっていたので、これを機会にコンプレッサーの使い方について調べ直すことをしました。

コンプレッサーの大原則

コンプレッサーを使うにあたって、一番悩むポイントはアタックタイムとリリースタイムの設定だと思います。この2つの値を決める上での原則は以下のものです。

  • アタックタイムを早くするならリリースタイムは遅くする

  • アタックタイムを遅くするならリリースタイムは早くする

アタックタイムが早いということは、コンプがかかりはじめるまでの時間が短いということなので、リリースタイムまで早くしてしまうと、コンプがかかっている時間がほとんどなくなってしまいます。
反対に、アタックタイムが遅いということは、コンプがかかりはじめるまでの時間が長いということなので、リリースタイムまで遅くしてしまうと、ずっとコンプがかかっている状態になってしまうということです。
ただし、意図的であるならば、この原則を破るのもOKです。

アタックタイムが及ぼす、音への影響

アタックタイムとリリースタイムの原則は説明しましたが、具体的にどう決めていくかについて話します。順番としては、まずアタックタイムを決めてから、そのアタックタイムの早さでリリースタイムが決まるといった形になります。
アタックタイムが早い場合、出音から圧縮されるので奥に引っ込んだような音になります。逆に、アタックタイムが遅い場合、出音は圧縮されないので手前に音が出てきます。
つまり、

  • 音を奥に引っ込めたいならアタックタイムを早くする

  • 音を手前に出したいならアタックタイムを遅くする

ということを意識すればよいのです。
例を挙げると、キックや、ボーカルなどは手前に出したいのでアタックタイムを遅く、ストリングスやシンセパッドなどは奥に引っ込めたいのでアタックタイムを早く、といった感じになります。
(ただし、パラレルコンプレッションの場合はこの限りではありません)

具体的に、遅いアタックタイム・リリースタイムって何msなの?


「ほー。音を手前に出したいならアタックタイムを遅くすればいいのか。えーっと、今使っているコンプは……」

Waves C1 Compressor

「アタックタイムが1000msまで設定できるのか。じゃあ、とりあえず800msぐらいかな?」


……これは罠です。

もちろん、楽器によって異なるのですが、

速いアタックタイムは20〜800us(マイクロ秒)、遅いアタックタイムは10〜100ms(ミリ秒)となっているのが一般的です。

https://hookup.co.jp/blog/791170#:~:text=%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0,%E3%81%AE%E3%81%8C%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%9A%84%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

と、100ms程度で遅い扱いされていることがわかります。WavesのC1 Compressorは、かなり長くアタックタイムやリリースタイムを設定することができるのですが、そう気軽に使う値ではないというわけですね。
間違ったアタックタイムやリリースタイムは、簡単に曲を崩壊させます。

コンプレッサーの使い分け

参考になる動画を貼っておきます。


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