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入りづらい雰囲気のある店

たまにランチに行く店がある。
店主ひとりで普段は夜だけ飲み屋として営業していて、休日のみランチもやっている。すごく美味しくて、安くて、店主は何かと気にかけてくれる。

いい店だ。
そして、少し入りづらい店だと思う。

トムソーヤ小屋のような建物の真ん中にドアがあって、両側のガラスごしには様々な雑貨やフライヤーがのぞき、外から中を確認することはできない。外観から妄想すると、仲間内でワイワイ成り立っている店のように見える。

入ってみると、ぎゅっとこじんまりした店内は洋楽好きを思わせるインテリアで、ほぼカウンター席、店主はそれぞれの客の感じを見ながらまんべんなく声かけしていて、排他的な空気はないが仲間なんだろうと思われる客がひとりは必ずいる。ランチには子供連れもよく来ていて、みんな顔なじみらしい。

自分は、知り合いでも、どんなに通っても常連面ができないほうなので、特にそう感じるだけかもしれないけど、やっぱり入りづらい。

ただ、それでいいと思っていて。

だからこそ、一定のバリアーで聖域として守られて、客が選別されて、店の雰囲気が保たれている。それがなくなったら、薄まって他とおんなじになっちゃうし、店主ひとりでやっていくのに自衛にもなるんだろうと思うから。

テレビでよく紹介される会話禁止の喫茶店とか、すごくいいなって思うし。もしも、自分が何か店をやる時は日によって会話のテーマを決めようかな、今日は映画!とか。

まだ、夜に行く勇気はなくてランチ止まりだけど、ずっとこのままでもいいと思ってる。入りづらい雰囲気、これからもかもしだし続けてほしいです。


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