信用保証制度を活用したNPO法人向け融資・第1号は徳島!

この10月に施行した中小企業信用保険法改正で、NPOが利用できるようになった「信用保証制度」を活用した、初めての事例は、徳島から届いた。

中・四国初!徳島県信用保証協会がNPO法人の資金調達をサポート!

 当協会は、特定非営利活動法人Creer(クレエール)(本社:徳島市、代表者:喜多條雅子氏)に対し、5百万円の保証承諾(平成27年10月30日融資実行)をしました。これは中小企業信用保険法の改正に伴い、平成27年10月1日から特定非営利活動法人(NPO法人)が信用保証制度の対象となったことによるもので、本件は中・四国で初めての事例となります。
 特定非営利活動法人Creerは、障害のある人(身体・知的・精神)に対して、調理による職業能力の開発に関する事業を地域社会との活発な交流の中で行い、社会の障害のある人に対する理解が深まるようにすると共に、障害のある人が自立し、意欲的に生き生きと充実感を持って暮らせるよう、福祉の増進と共生の社会の発展に寄与することを目的に事業活動をおこなっています。徳島市昭和町3丁目の徳島県労働福祉会館1Fの店舗においては、レストランを運営し、ランチ、お弁当・焼き菓子などの製造販売等を行っています。
 今回、当協会は、同法人の事業拡大に伴う運転資金ニーズに際し、徳島銀行と連携した融資により、同法人の円滑な資金調達をサポートしました。今後も当協会では、中小企業と同様に事業を行い地域の経済や雇用を担うNPO法人への資金ニーズに積極的に対応し、地域経済の発展に貢献してまいります。

>>抜粋:徳島県信用保証協会 ニュースリリース(2015年11月2日)

制度を活用した手続きにあたって、「“融資申込み”から“実行”まで、どれくらい時間がかかるのか?」という質問は多く、「しばらくは、審査の目利きに時間がかかるだろう。“慣れ”とともに、徐々にスピーディになっていくことは考えられる。」最中での今回の一報は、関係者の努力がうかがえる。おそらく、相当な事前準備はあっただろう。

一方で、公開されている情報を見るかぎり、当団体の財務状況は良好で、既存借入金の返済実績もあることから、本制度を利用しなくても、十分に取引ができる業況だったと考えられる。その意味で、今回保証承諾された「500万円」という金額は、希望した資金の満額融資であるならいいが、「本制度を利用しても、この金額にとどまった」という想像もでき、金融機関のNPOに対する環境が大きく変化したとは言いづらい。

▼地域金融機関との関係づくり

徳島県は、地域金融機関の存在感が際立つ地域(一部メガバンクは無人のみ)で、法人シェアは、阿波銀行が圧倒している。当団体の取引口座は、地域金融機関がほとんどであり、その関係づくりは、今回の融資に貢献したと思う。例えば、売掛金の入金や給与の振込みなどの「取引履歴」は、大事な情報になる。

▼地域経済の主体としての可能性

今回、NPO向けへ拡充した期待は、NPO支援ではなく、地域経済の主体としての可能性だと、中小企業庁の担当者は言っていた。会費や寄付、補助金、助成金とは異なる「融資」という調達方法から、地域や社会課題の解決に向かって、事業が加速していくことを期待したい。

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