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かき氷と電気の科学の話


夏になると食べたくなるのが、かき氷ですね。色とりどりのシロップがかかったかき氷は、見た目も涼しげでおいしそうです。でも、かき氷には電気の科学と関係があることを知っていますか?今回は、かき氷と電気の科学について、中学生にもわかりやすく説明してみます。

かき氷の歴史


まずは、かき氷の歴史について少し振り返ってみましょう。かき氷は、平安時代にはすでに存在していました。当時は、冬に雪や氷を氷室で保存し、夏に刃物で削って食べていました。その上に甘葛(あまかずら)という植物の汁をかけていたそうです。

しかし、このような方法では、氷は貴重なものでした。一般の人が食べることはできませんでした。日本でかき氷が大衆的な食べ物になったのは、明治時代からです。そのきっかけは、人工的に氷を作る技術の発展と、アメリカから輸入された氷削機の登場です。

人工的に氷を作る技術は、1883年(明治16年)に東京製氷株式会社が設立されてから拡大しました。これにより、安くて清潔な氷が手に入るようになりました。また、1887年(明治20年)には村上半三郎が氷削機を発明して特許を取りました。これは、ハンドルを回すと刃が回転して氷を削る仕組みでした。

これらの技術のおかげで、かき氷は夏の風物詩として広まっていきました。当時は、砂糖や小豆餡をかけたものが主流でしたが、戦後になるとシロップや果物などのトッピングが登場しました。

温度差発電とかき氷


さて、ここからが本題です。かき氷と電気の科学と何が関係があるのでしょうか?答えは、「温度差発電」という現象です。温度差発電とは、温度差を利用して電気を作り出すことです。

温度差発電をするには、半導体や2種類の金属をつないだ回路を作ります。そして、その回路の一方を熱くし、もう一方を冷やします。すると、回路内に電流が流れます。これはなぜでしょうか?

それは、温度差によって電子の動きが変わるからです。温度が高い方では電子が活発に動きますが、温度が低い方では電子が静止します。そのため、電子は温度の高い方から低い方に移動しようとします。これが電流となります。この現象はゼーベック効果と呼ばれ、発電装置や冷蔵庫、温度センサーなどに応用されています³。

では、かき氷と温度差発電の関係はどこにあるのでしょうか?実は、かき氷を作るときにも温度差発電が起こっています。かき氷を作るときに使う氷削機は、金属の刃で氷を削ります。そのとき、刃は氷に触れて冷やされます。一方、刃のもう一端はハンドルにつながっています。ハンドルは手で持って回すので、手の体温で温められます。

つまり、刃の一方は冷たく、もう一方は暖かくなります。これは温度差です。刃は金属なので電気を通します。したがって、刃は温度差発電の回路となります。その結果、刃には微弱な電流が流れます。

もちろん、この電流は非常に小さくて感じることはできませんし、危険でもありません。しかし、科学的に見ると、かき氷を作るときには電気の科学が働いているのです。

まとめ


今回は、かき氷と電気の科学について説明しました。かき氷は、平安時代から存在していましたが、明治時代に人工的に氷を作る技術や氷削機が登場してから大衆的な食べ物になりました。また、かき氷を作るときには温度差発電という現象が起こっています。これは、温度差を利用して電気を作り出すことです。

かき氷は、見た目や味だけでなく、科学的にも面白い食べ物ですね。夏にかき氷を食べるときには、この話を思い出してみてください。

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