無知である辛さ

 日々生きることに必死で本当の「学び」から離れていた。しかし大学の勉強も一段落し、音楽と再び向き合う中で作詞についての引き出しを増やすという不純な目的で久しぶりに小説を読むようになった。桑田佳祐の好きな角田光代から読むようになった。まだまだ読むスピードは遅いからのんびり読んでいるが、それでも小説の魅力に段々ハマってきている。しかし小説の中で、度々第二次世界大戦や、学生運動、シベリア抑留などの時代背景が出てくる。しかし、それらについてほとんど知らない私は、小説の内容からその度に置いてけぼりを食うような苦い気持ちになる。そしてそういったことに興味を持ってこなかったことがいかに貧しいことかということも感じるようになった。自分が誰で、どういう国に生まれ、この国がどういう道筋を辿ってきたか。そして世界はどのような経緯を経て、今の状態となっているか。そんなことも知らずして今の政治や、コロナ対策について何を思ったとしても、その意見に中身や説得力を伴わすことはできない。そのことに気づいてしまい、耐えられなくなってきた。だから学びたい。もっともっと「生きる」ということに誠実になりたい。「自分の足」で、「自分の言葉」で力強く生きていきたい。


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