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【ガンバ大阪】ターニングポイントにするしかない

最初に言うときますけど、このコロナ禍におけるセレッソ戦は大阪ダービーじゃないと思ってます。何回も書いてることですけど。
やっぱりね、あの雰囲気の中でサッカーをやってこそ大阪ダービーなんですよ。いつもとは比べ物にならない声援の熱量、コレオグラフィ。あれが選手を奮い立たせるから、ブーストがかかるんですよ。だからガンバ大阪は無類の強さを誇ってきたわけなんですよ。
今はお客さんこそ戻ってきたものの、声を出す応援は引き続きNG。ゴール裏は懸命に拍手で気持ちを伝えてはいるけれど、迫力という面では全然足りてないし、そもそも「他の試合と違う特別感」を出すこともできない。
コロナ前の大阪ダービーを経験している選手ならまだしも、新たにやってきた面々からすれば「大阪ダービーの重みわかってんのかオゥ?」と言われても正直ピンと来ないでしょう。そこで「わかってる」と答えられたら、それこそ「いや、『わかってる』とか言うてる時点でもうわかってない」というケンカ腰の彼女ばりのレスをしてしまう。

しかしダービーというバイアスを取り払ってもまあ哀しくなる試合でした。

へぼへぼビルドアップが完全にカモ。向こうもちゃんと研究してるんでしょうね、「ここにプレス行ったらようつなげへんやろ」感たっぷりの寄せ。別に気持ちのこもったハイプレスとかじゃないのに、簡単に追い込まれていった。CBからSBに入ったところでもうそれ以上は前に運べない。足元のスキルの問題か、受け手のポジションの問題か、相互の信頼関係の問題で足が動いていないのか..たぶんそれらがこんがらがって、まともにボールを進められずにいる。
向こうからすればちょうどいいところで奪えるのでその後の攻撃がラクですわな。中盤がしっかり前を向いてボールを捌けるので、やりたいことがやれる。先制点こそ挙げられたものの、チャンスは相手のボールロストから。偶発的にしか攻撃の起点を作れないチームが、そのまま勝ち切るなんて図々しい思惑は通用しなかった。

後ろからボールが来ず守備に追われる前線と、前線の切り替えの遅さで出しどころのない後ろ。それぞれのフラストレーションが蓄積するのも当然といえば当然。そしてそれが最悪の形で爆発してしまった。見ていてめちゃくちゃ恥ずかしかった。負けている状況で、敵地で、よりによって大阪ダービーであんな情けない口論を見せてしまうとか。あれで時計が進むのなら今度から勝ってる時も口論タイム導入したらちょっと時間稼ぎになるやんとかいうメソッドを思いついてしまった。それくらいの衝撃。
「勝ちたい気持ちがぶつかり合って~」とかじゃないでしょ。単にお互いプレーの低調な質にイライラしてるだけ。動かないペレイラにも困ったもんですけど、ロクに運べない昌子にも戦術破綻の原因はある。どっちの気持ちもわかるっちゃわかる。それくらい前も後ろも質が低い。

「3試合連続無失点! 今季初の連勝! コロナにも負けない粘り強さ!」とか、試合の内容に目を向けることなく表層的なポジ要素を並べても本質的な部分は何も変わっていない。変わり始めた序盤の戦いぶりも影を潜めてる。前にも書いた通り、今いる選手の特性を考えると劇的な変化を望むのは難しいと覚悟もしているのだが、できないなりにチャレンジする姿勢くらいは見せてほしい。

色々な面で醜態をさらし、「二度とこんな試合はしてはいけない」と強く戒めるという意味で、最悪だった大阪ダービーをターニングポイントにしてほしい。

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