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【ガンバ大阪】何がボールを動かしたのか

4連敗で迎えた広島戦。ぶっちゃけ勝ち目ナッシングだと思っていたらまさかの2-0完勝。90分を通じて、というわけではないがビックリするほどボールがよく動いた。特に2点目なんかは最後尾のビルドアップから相手の前プレを置き去りにして裏を取るカンペキな崩しでチャンスメイク。ずっとこんなんが見たかったんよ。

一体、何が起きたのか。

メンバーの変更も大きかったと思う。すでに各地で取り上げられている通り、福岡は数少ないボール動かし士の資格保有者。ボールを持つことを嫌がらず、出した後も動き直してもう一つのパスコースを作るなど、「逃げ道」を生み出し続けた。これは現時点では昌子にも三浦にもない感覚。正直もっと重用してほしい才能。

坂本は殊勲のゴールももちろん大きかったが、それ以上に光ったのがボールを受けるためのラン。「ほれ、ここで受けられますよ」みたいな形で相手の間のポジションを取って、低い位置から付ける場所を提供し続けた。んで受けてから意外とうまく収めて周りに捌いていくんよな。これはパトリックには無理。「大黒みたいなターン」のゴール以上に、このマルチロールぶりに賛辞を送りたい。

ただ、彼らの活躍が光ったのも、チーム全員の意識が変わったのが一番の要因。一人ひとりがボール保持を嫌がらず、失うことを恐れず剥がそうと勇気を持ち、アイツならキープしてくれると信じて走った。だからボールが回った。

4連敗中に何があったかといえば、自陣でボールが来ても前を向こうともせずバックパスばかり。全くもって相手守備陣を押し下げることができずにFWは孤立し、強引にボールを入れても多勢に無勢で簡単にロスト。収まらないとわかっているから周りもサポートに走れないという最悪の循環。偶発的な形でしかチャンスは作れず、押し込まれる時間が長くなるとますます陣地の回復は難しくなり、ただただ一方的にやられる試合ばかりが続いていた。

解決策は「勇気と責任と自信を持ってボール保持に務める」しかないのに、中断期間中に「前プレこそオレたちのサッカー」みたいなことを言い出すもんやからマジでコイツら終わってんなとつい暴言を吐きたくもなったし、札幌に敗れて16位に沈んだ時には変わる勇気もない臆病者どもには降格圏がお似合いとまで考えてしまった。

この勝利と2点目の快感がクセになって、もっともっと磨きをかけたいという欲求が高まれば、すっかり死語となりつつあったカタノサッカーも再び息を吹き返してくれるはず。逆にそうでないといつまで経っても発展性はない。


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