【ガンバ大阪】諦めの境地にて
諦めの境地にいる。
降格した2012年も、近年すっかりおなじみとなった残留争いの中でも、途中で「これは降格するわ」と諦めたことは一度たりともなかった。最後の最後まで「さすがに落ちるはずがない」と気を確かに持つことができたし、決してそれは盲信ではなく残り試合と対戦相手、ライバルの動向を見ながら客観的にもたらされたものだった。まあ一回は降格したんですけど。
しかし今はそれがない。どう考えても降格してしまう。
まだ8月だが、もう残りは10試合しかない。下位チームとの直接対決すら勝つことができない。ようやく地獄の連戦から開放されたというのに、ベンチメンバーを含めラインナップに並ぶ名前は謎だらけ。怪我かコロナか、それとも..一瞬だけ改善の兆しが見られた際に輝いた選手がいたはずなんだが。
当然ながらピッチ上で繰り広げられるサッカーも内容すっからかんである。最終ラインからサイドへ放り込んでチャンスのようなものは作り出すものの、そこからの脅威が皆無。たまに人数をかけて攻めに出ると、あっさりボールを失ってカウンター。カタノサッカーとは何だったのか、もはやガンバ大阪に関わる誰しもがわからなくなっていたのではないかと。
片野坂監督の解任が決まるのも当然の流れである。
まさか、あれだけの期待を持って迎えた新体制が1年もたずして崩壊するとは。もちろん最初からうまくいくとは思っていなかったが、半年以上が経過してなお「兆し」すら見えない状況が待っているとは想像もしていなかった。
継続性が全く見られなかったのが最大の謎であり誤算。序盤は「つないで攻める」志向がそれなりにうかがえたが、試合を重ねると次第にそれが希薄に。7月の広島戦・浦和戦(結果的に片野坂体制のピークだった)でも変化・改善の気配がうかがえたが、すぐにそれも潰えてしまった。
なんでやねん。
監督の方針と選手の特性のミスマッチ。これはある。けど就任1年目からズラッとリクエスト通りの選手を揃えられるとも思わん。現有戦力と折り合いをつけながら、最低限の結果を残しながら2年目以降アップデートしていくのがだいたいの青写真だったはず..
最初にやべえと思ったのは5月の中断明けくらいだったかな、「選手から『前でボールを奪いたい』という意見があったのでそれを取り入れることに」みたいなコメントが監督から出てきた時。この時点でもうボール動かす方針を諦めたんだと感じた。「成長のために伴う痛み」であれば受け入れるが、最近はもうただ痛いだけ。何の期待もできない試合ばかりが続いた。
何が腹立たしいって小野社長のコメントよな。
「片野坂体制の失敗はコロナと怪我人が原因」。寝ぼけたこと言うてんちゃうぞ。そんなもんどこのチームにも起きとるわ。そんな中でも必死になって結果を出しに行っとるねん。
こうやって本質的な問題を見いだせない人が打った次の策が、うまくいくなんて思えるわけがないよな。急に呼んできた松田コーチを監督に据えて、事態が好転するとかとてもじゃないけど想像できない。
いよいよ解任という報道がなされるようになったタイミングで、自分が書き残していた記事を色々と読み返してみた。その中で最も刺さるのはこの記事だ。
昨年の秋に「ブランディングします」と発表があった際に反発した心の内をまとめたもの。中でも「根本的な問題はサッカーの質」の章には、フロントの現体制に対する不満を書き殴った。そしてその懸念が今こうして再び問題として露呈している。
ロゴ変えて、グッズ作って、どうでもいい新しいマスコット作って。サッカーの中身はサッパリ。その先に「日本を代表するスポーツエクスペリエンスブランド」が待っているはずがない。
仮に松田監督で降格するとして、来年はどうなるでしょう。1年で再昇格できますか? 厳しいJ2の戦いを勝ち抜けますか?
上の記事の引用にもあるけれど、ジェフやヴェルディのようにオリ10として生を受けながらJ1の舞台を踏めなくなって久しいクラブが実在する。ガンバに待ち受けているのも同じ道なんじゃないかという予感が今は色濃く脳内を支配している。残りの人生30年ちょっと、夢も期待も持てないガンバ大阪に対してどんな関わりを持っていくのか、色々と覚悟を据えておかねばならないとさえ考えている。
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