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【ガンバ大阪】今だからこそ言いたい、宮本恒靖は名将であったと

昨日の記事で「まだ猶予期間なのかな」という話をしていたけど、全然そんなことなかった。

宮本監督解任のお知らせ。開幕10試合で1勝、しかもわずか3得点とド低迷するチームを立て直すべくフロントが決断を下す形になった。

残念で仕方がない。

ガンバ大阪を象徴するOBの一人であり、一度は降格の窮地を救った「本物の」レジェンドが、こんな形でクラブを去ることになるとは。しかも今季はコロナ禍による活動停止期間もあり、ある程度の出遅れはやむを得ないところがあるように思えたが..

ただ、このまま指揮を続けたところで、事態がどこまで上向くかは何とも言えない部分が。特に、攻撃面でのレベルアップを望むのは難しいのではないかと..それは昨季までの手腕を見ていればだいたい想像がつくはずだ。



得意なことと、求められていることのギャップに苦しめられた。

崩壊しているチーム状態の問題点を見極め、的確に修正を図っていくことにおいては十分に才能を発揮できた一方、ゼロから自らの形を作り上げていくことに関してはまだまだ未熟だった。

にもかかわらず、クラブ側は「GAMBAISM」なる標語を掲げて攻撃的サッカーへの回帰を求め続けた。残留を決めた翌年にも、開幕から攻撃に重点を置く志向を貫こうとしたが10試合ほどで頓挫。現実的路線で勝点を拾い、降格を免れたという経緯がある。そして今回の記録的なゴール欠乏症。

攻撃メソッド構築が不得手な監督にそれを求めたフロントの失敗でもある。契約期間など詳しいことはわからないが、キリのいいところで退任してもらうのがベストだったようにも思う。



これまで順風満帆だったサッカー人生において、間違いなく最大級の屈辱を味わうことになったであろう宮本監督。すっかりその評価も地に堕ちた感があるが、それでも今あえて言いたい。

宮本恒靖は間違いなく名将であったと。

18年夏、クルピ体制が大失敗に終わり、ぐちゃぐちゃになってしまったチームを短期間で立て直し、終盤の9連勝で残留に導いた指揮官を名将と呼ばずに何と呼ぶ。現役時代に日本代表でも主将を務めた、オレたちの英雄が今度は監督として救世主となったくれた感動は、何物にも代えがたいものがあった。バラバラだった組織を整え、相手の特長を消し結果を出し続けたあの快進撃は今もなお忘れられない。そして、ホーム最終戦で熱を込めて我々に語りかけてくれたあのスピーチは、涙なしには耳を傾けられなかった。

急に比較対象として持ち出すのも恐縮だが、J歴代最強の川崎フロンターレを作り上げた鬼木達監督でさえ、あの状況で「はい監督やってね、絶対に降格はダメだから」と言われて成し遂げられるかどうか。

それだけ立派な功績を残してくれた。


もしこのまま監督業を続けるのであれば間違いなくニーズはあるだろう。特に残留争いに突入してしまったクラブの助け舟としてはめちゃくちゃ優秀。あるいは他のポストを目指すのであれば、これまでと同じように全力で応援したい。

本当にありがとうございました宮本監督。この苦境を少しでも早く打破することで、彼の恩に報いたい。

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