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東京サイコデミック -(あといっぱいかっこいい漢字)-

■PS4,PS5,steam,Swich
■一人用
■テキスト推理アドベンチャー
■だいたい11時間前後くらい

風邪で寝込んだのでこちらをプレイ
東京魔人學園伝奇とかの総監督をされた方が制作されたゲームとのことでプレイしました。
前半ネタバレなしのシステム備忘録、後半ネタバレありの感想です
咳が止まらなくて苦しい


東京魔人學園伝奇これです もうすでにパケが懐かしすぎて変な声出た
PS3とかで遊べたはず


ネタバレなしエリア

どどーんと推理もの

例えばパラノマサイトFILE23が「妖怪×ミステリー」なんだったら、こちらは「未解決事件×ミステリー」という感じ。
具体的には「神隠し」だとか「人体自然発火事件」とかそういう…科学で解明できそうだけど現状仮説でしかなくて、そんな頻発するわけでもない不思議な事件にフォーカスしている。

主人公たちは寂れた地下室で、その事件の情報を科学的に解析したりして事件の真相に迫る…という流れ。

湿度が高そう

基本的には本当にここにしかいないので、今ここに見えているものがすべてと言っても…いやこれは過言かも。


かがくのちからって(システム)

すげえんだぜ

基本的にあれやこれや往復することになる画面

基本的にこのゲームは「資料」を読み取ったり防犯カメラの動画を見て人を探す・画像を分析してフォーカスして、情報を集める…という流れで進んでいく一本道仕様で、困ったら相棒の紅葉(アキバ)ちゃんが次にどうしたらいいかを教えてくれる。
そのために使うのが上の画像の「画像解析」「ダークウェブ」の2種

画像解析、といいつつ動画も見れる

こんな感じで2画面でそれぞれ別のデータを移すことができて、例えば右の画像の人物を左の動画から認証してフォーカスする、なんてこともできる。
(とはいえ、自動で検出してくれるわけではないのでプレイヤーが動画を止めて人物を探し当てる必要がある)


ダークウェブ 左の男は町の防犯カメラから自衛隊の軍事機密・防衛省のサーバーにまで潜り込む
とんでもねえハッカーの「メカニック」くん
アレクサより気軽に呼び出される

いわゆるデータベースにあたる「ダークウェブ」
ここにはプレイヤーたちの仲間が情報をやり取りしている場所で、機密データからニュースサイトのURLまでなんでも共有される。
おおむね99%の確率でアクティブになっているメカニックくんが管理しているらしい。ここに送られてきた動画や画像が蓄積されて、ここで基本的に謎解きを進めていく。


エビデンスボード よく見るカッコイイ赤い糸引くやつ

最初に考えた人誰なんだろうね これ

画像解析で解析した情報をダークウェブで揉んで、たどり着いた真相や疑問はここにつながってくる。
自動でスペースが確保されて、「?」と表示されている場所に画像や資料を選択して貼っていくことになる。ここはまあ結論というか事件概要となる場所…といえばわかりやすいかも。

これらを使って事件の結論を導くと、最終結論として報告書を提出することになる。お役所仕事はつらいね、何でも書類だよ

他にも中盤くらいから音声解析という概念も出てくるよ!


面白いなと思ったところ

相棒のアキバちゃん
かわよ

まじで独特な味出してるなというか知らないとびっくりするかもなと思うところなんですけど

実写


実写?!


動画が基本的に全部実写なの普通に驚いた
なんなら序盤のプロローグでニュースが流れるんだけどそこが実写だからまずそれでびっくりした。
まじでスッと当たり前の顔で実写ぶち込んでくるのすごいPS時代のゲームの味がする

あとこれ自体がすごいコロナ下の時世を意識しているのもあるんだけど、あのときの言い知れぬ世界の終わり感、みたいなのを思い出しながらやるといいかもなと思う
今は自粛も明けてだいぶ戻ってきた感はあるけど、でもやっぱコロナ前とは変わってしまっていることもあって、そのあたりとか。

…あのあたりの事件とか事故とかで嫌な経験とか思いをした人はちょっとプレイ注意かも。結構ダイレクトに「あのニュース」と分かるようなものが盛り込まれていたりする。
まだ風化するには早すぎるなと思うから、なんか妙な生々しさには要注意です。

以下ネタバレエリア



ワンクッションのイケオジ
医者


ネタバレエリア

UIUIというけれど

個人的にはUIっていうかUXじゃんって感じ+そこまで操作性悪いわけではない(使うボタンに統一性がないのはそうなんですけど)
動画まわりの読み込みのレスポンスが悪いけど、あとはまあそんな苦になるほどではないのかなとおもう。個人的には例えばWモニターの切り替えや片方のモニターを注視したあとの戻るの挙動あたりがややこしいなと感じたのはあるので、モニターの左右は左スティックで操作したいなと思うなどしたのと、モニターを注視したあとのB戻りで画像解析のトップまで戻されるのが(仕様的に仕方ないんですけど)おおそこまで戻るか、となるのでその画像を選んだ画面に戻るとか、だったらいいなと思いました
(改修してくださっているよう/ありがとうございます)

あとは報告書作成を最後まで一回やり切らないと修正できないのも個人的には「んあ~~~」となったのでそのあたりも修正されると…うれしいな…


ここ座って昼ごはん食べたことあって見るたびにわらってた


ストーリーとか謎とか

ここのところやるミステリの満足度が絶妙に物足りないので色々考えてるんですが、このタイトルの物足りないなと感じるところは下記に尽きる

①謎ときのレベルデザインがない
②ストーリーの展開が突発的かつどんでん返し的な要素が機能していない
➂オマージュするにはまだコロナ下の事件が鮮明ですべてが生々しすぎる

3はまあ個人の感情なのであれですが…
①は実はどこにも残されていないしシナリオの手腕と言われがちですが本当はプランナーとかデザイナーで解決できるのではないかと思う

①謎解きのレベルデザイン

ミステリとかアドベンチャーってレベルデザインなのかな?ナラティブデザイン?それともステージデザイン?どれなのかはまあちょっとわからんのですが、私が言いたいのは「謎解きに使うためのギミックや機能・スキルの段階」のことです
今回の「うーん」に近い感触だったのはこれ

これは音声だけで謎解きするミステリゲームなんですが、ステージが進む=難易度が段階的に上がる、ではなくてステージが進む=動画の音声が長くなり、基本の遊びである音声だけで進める、という基本機能を使って別の遊びや難易度の上がった遊びを遊ばせてもらえなかったな、というところがうーんだったんですよね
今作も個人的にはコレだったなと思う

例えば画像解析
これはAIで人相の解析をして「今防犯カメラに写っている人物が本人だと断定された」というのを1話で遊んだし、しっかりしたシステムだったので私はこれが広がって例えば「防犯カメラを意識した犯人が、顔を隠しているからAIが機能しない!ので服装などを見て判断する」だとか「双子がいてかく乱のためにわざと入れ替わってカメラに映りに行っている」とかそういう遊びが広がるのかな?と思ってた。

でも実際のところは実写の動画と2次元のイラスト的な人を結びつける程度の者だったし、なんなら第一話で人探しをしているときが一番この機能を使っていたように思う。
ダークウェブにしても例えば「その時ログインしているメンバーみんなで話し合っている」ようなチャット欄のようなものがあるとかで、推理とは別に推理のアシストや次の手段のヒント的な役割を担いつつ他の仲間たちと一緒に謎を解いている…という雰囲気などが醸し出せればもっとキャラ愛が深まったりしたのかな…と思うし、難易度(ステージ)が進むたびにそこの基本機能を使って遊ぶ遊びみたいなのがあればよかったなあと思った
(や、まあダークウェブはライブラリの役割をしていたから本当は音声解析の部分でそれがあるべきです)

作り手側から見るとスキルを増やすとかジョブの種類が増えていくことが遊びの拡充になっているように見えてしまう…というのはあるあるな話かもしれない

ともかく。
音声解析で特に明言されてないのに「音が聞こえてきた方向が重要」とか突然言われたり(これもほんとに急だったし私はswitchで音声丸出しだったので左右なんかほとんど関係なかった)
(せめて再生されたときに主人公が「音が右に寄ってきこえる…音の方向も重要かもな」と考えてくれるとか)だけでもだいぶ違っただろうなあ

とまあ遊びの味変するならちゃんとグラデーションで作らなきゃいけないよなあと思うなどしたという話


②どんでん返し的な要素が機能していない

_人人人人人人人_
> 突然の暴力 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

例えばこれらの事件が
「よくある普通の未解決事件だったら」
実は異能力者たちが絡んでいた!となっても「ほお?…じゃああの微妙に解決されなくてもやもやしてた証拠品/証言はそれか!!」となってたかも

逆に最初から異能たちが絡んできていて
「異能を知らない警察たちに、異能者を逮捕させるために立証する」とかだったら出てこなかった異能者たちも出せるし影の組織感があってよかったかも?

なんかね…
物語の後半にこれまでの事件に異能者が絡んでたって出てくるのがどんでん返しなのかもわからないな…というのが所感
全体的にストーリーありきの展開というか、これもシナリオで本当は用意してあったけど制作工数の中でカットしたせいでストーリーがツギハギになってるのかな?と思ってしまうような印象を持った。

最後のロイヤルストレートフラッシュのくだりも「なんで?」となった、という意見はあちこちで見た。これも結局本編触っただけだとアキバちゃんがポーカー対決してたって情報しかなくて、あの封筒の後ろに書いてあるマークが何の意味を持っているのかとか、そういうのも曖昧なまま+作中のトランプモチーフの雰囲気が薄くて最後に使うエモーショナルな空気が全くなかった、と思う。

このゲームがどういう経緯をたどって生まれてきたのかわからないけど、でもそういう熱く燃える展開やエモーショナルでおしゃれな展開をするには掘り下げが足りてないし、もうすこしブラッシュアップできるところはいっぱいありそう


➂生々しい
これは好みの問題だけど
私はあんまり露骨すぎる時事ネタが好きじゃない…のかもしれない
確かにコロナ下で戦争が始まったり、SNSでの人と人の疑心暗鬼とか、ロックダウンしたりとかで世界どうなってしまうんだ、みたいな不安はもちろんあったし、このゲームで繰り返される「世界は変わってしまった」という言葉を思ったこともあった
けど
ニュースで流れてくる陰鬱になる内容とか…なんかゲームしてるときにあまり聞きたくないな…となる 当時の記憶が戻ってくるからなのか、オマージュ元まで思い出せてしまうからなのかわからないけど
私はなんかあまりいい気がしない

その事件の先には被害者になった人がいるって思うからなのかもしれないし、単純に私が不快なだけかもしれないけれど……これはお気持ちかもしれないのでアレ


このゲームを勧めるかって言われるとちょっと微妙な顔をするけれど、やりたい人を止めるほどではない。
面白くないわけではない。動いてるし。遊べてるし。
ただ、熱中するための熱が足りてなかったなと思うなどして、ゲームをつくるってやっぱり難しいなあと思いました。


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