ラジオ体操

暑さなのか、明るさなのか、目を覚ますとまだ6時前だった。

ふと、夏休みのルーティンとしてのラジオ体操のことを思い出した。

私が子供の頃は、夏休みの宿題の一環としてラジオ体操への参加があった。夏休みの宿題や教材に混じって、複数枚ラジオ体操時に持っていく台紙が配られた。郵便局や企業などだったと思うが、まずどのデザインの台紙にするかを選ぶところから始まる。40日近く毎朝を共にする台紙なので、少しでも気に入ったものを選びたかった。

近所の公園に、登下校の班単位で集まり体操開始を待つ。最初はあの定番の音楽、そして中継先?の紹介などがあるため、その間に寝ぼけた頭と身体をなんとか起こす。

起き抜けに、走って公園まで行き、体操をしていたこと、今となっては信じ難い。

体操が終わった後は、当番の保護者から参加のハンコを貰う。子供心にハンコが貯まっていく過程が楽しかったりもするのだ。

汗ばんだり、時に雨に降られたりで、朱色のハンコはいつしか滲み、形も歪になったりしているが、ハンコが貯まった台紙は誇らしかった。

コロナの影響で、この2年くらいは自治体によるラジオ体操、盆踊り、夏祭りを中止している所も多いと聞く。

地域単位のささやかな風物詩がこうして中止になってしまうのはやはり残念だ。

コロナが収束し、マスク越しではない、夏を目一杯堪能する子供たちの声を聞きたいと思う。


しろ


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