【きっと別れも出会いのひとつ】 #みんなでポエム書いてみた

口元をゆるませる記憶のかけらに、知らないふりをした傷をうずかせる痛みに。名前をつけるなら、それは。


サヨナラの交差点

ひとり、佇んでいました。

降り出した雨が、横断歩道の白い線をぐちゃぐちゃにしてしまう。わたしが抱えているからっぽはどこからも見ることができなくて。

青い色が点滅して赤になるまでに、向こう側へ渡れるでしょうか。

無関心な視線が突き刺さるなか、わたしは進まなければいけない。あなたとすれ違うために。ちゃんと、さよならを言うために。

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公園の恋人たち

通り過ぎた景色が思い出をつれてきた。

眠る時間を惜しんで交わした言葉たち。あの「好き」と、この「好き」に込められた想いの断片。

桜色の吹雪の下で高鳴る鼓動を隠して伝えて
夏夜に浮かぶ艶やかな浴衣の白い首筋に囁いた。
色づく落ち葉を鳴らす隣の君にそっと呟き
雪の舞う灰色の空、震える背中に泣きすがった。

またねと言ってくれた君の強さを、くり返し抱きしめる。

季節をわたる、公園の恋人たち。

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戻らない春に

永遠が終わらなければよかった。燃え上がるほど完璧な青葉の息吹は、僕をさみしくさせた。

ずっと隣にいてよ。かわらないでよ。一緒にいるために。

目だけで訴えた僕の頬を君はやさしくなでる。

ずっと隣にいようよ。かわっていくなかで。一緒に歩いていこう。

おなじ春は、二度と来なくてもいいのです。
いつだって終わりながら僕たちは、まだ知らない感情に出会う。

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***

この時間が止まってしまえばいいのにと、思ったことはありますか。

放課後に延々と続くおしゃべりや、はち切れそうな心臓でゴールテープを切ったあとに見上げた空、何も言えない帰り道につないだ手の熱。

ふり返って見えるのは、終わってほしくなかった輝きと、巻き戻らない時間の切なさで。それは大人と呼べる年齢になっても、不意にやってくるから困ります。

変わっていくことは美しいと思います。ただの別れではないと願ってしまうのは、何度もなんども繰り返した「さよなら」と「またね」の約束のせいなのかもしれません。



Photo by 千ちゃんだいすーけ

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