コンビネーション【埴輪紹介所その171】
彼は
対で出土した、といわれている女子埴輪と、どこか似ている。
対で出土した、と聞いたからそう感じるだけか?
左右対称となるポーズのせいか?
胸に当てたミトンのような手は確かに似ている。
女子は挙げた左手に棒状のものを持つ。
その正体は、いまだ不明。
彼も挙げた右手に何か持っていたかもしれない。
ほんとうに対だったのなら、互いの持ち物からそれぞれの正体がわかるかもしれないのだが。
埴輪は1体のみを立てることはない。
人物埴輪2体だけを立てる墳墓もまずないだろう。
この2体の他にも同じ場所から出土した埴輪があるはず。見つかれば、手がかりになる。
しかし残念ながら出土地が明確ではないので、二人の持ち物の謎を解くのは難しいだろう。
いま
彼だけを見てわかることは?
下げミズラを結い、帯を着け、大刀を佩いていること。
それは女子埴輪との違いでもある。
女子埴輪との共通点は、ポーズ、手の表現、プロポーションのほか、丸玉の一連のくび飾りをつけていること。粘土の焼き色もよく似ている。
伝深谷市四十坂(しじゅうざか)出土の男子埴輪。
所蔵は埼玉県。もとは長瀞綜合博物館(旧名称は長瀞汲古館)が所蔵し展示していました。
収蔵は埼玉県立さきたま史跡の博物館。
撮影は2016年『新収蔵品展 ~旧長瀞綜合博物館からの寄贈資料~』(於・埼玉県立さきたま史跡の博物館)にて。
またね。
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